オンライン診療の「メドレー」社外投資を加速へ —— 30億円枠で医療のIT化狙う

オンライン診療アプリなどを手がけるメドレー(東京都港区)は、医療現場でインターネットサービスの普及が進まない現状を打開するため、30億円の投資枠を設けて出資先企業を募る。出資先と協力して、次世代標準になり得る技術や製品を生み出すとともに、開発した技術はオープンにして市場全体を広げることを目指す。

コンプラ専門家の助言やマーケティング支援も

メドレーの平山宗介CTO。

メドレーの平山宗介CTO。「MEDLEY DRIVE」プロジェクトの責任者を務める。

メドレーは2018年11月8日、この構想を「MEDLEY DRIVE」プロジェクトとして発表。専用サイトを設け、出資を希望する企業の募集を始めた。

メドレーによる出資の対象となるのは、医療ヘルスケア分野において①長く事業を展開しており、今後ITを活用したさらなる課題解決を模索している企業②将来デファクトスタンダード(事実上の標準)になり得るインターネットプロダクトの開発をおこなう企業③次世代標準になり得る要素技術の開発をおこなう企業、の3種類。投資先はベンチャーに限らず、例えば①では既存の医療情報システムを提供しており、最新技術などを取り入れた新システムの開発を検討している企業を想定しているという。

出資先企業には、資金面以外の支援も行う。

「技術からコンプライアンスまで、メドレーに在籍するさまざまな分野の専門家による助言や、メドレーの顧客基盤を活用したマーケティング支援などを考えています」(メドレーの平山宗介CTO)

メドレーが設ける出資枠は当初は30億円だが、今後拡大する可能性もある。

参加企業と「医療業界にテクノロジーの恩恵を」

メドレーのオンライン診療システム。

メドレーのオンライン診療システム。

提供:メドレー

メドレーは2009年設立。ビデオ通話を用いて予約から受診や支払いまでネットでできるオンライン診療アプリ「CLINICS」を2016年にリリースするなど、医師の不足・偏在や事務作業の非効率性といった医療現場の課題を、技術で解決するビジネスに取り組んできた。

ただ、医療関連の規制の複雑さや医師の高齢化といった要因から、医療現場のIT化はなかなか進まないのが実情だ。

このような現状を打開して市場全体を大きく広げ、自社と業界全体のビジネスチャンスを増やすには、メドレー1社だけの力では限界がある。そこで、今回の「MEDLEY DRIVE」プロジェクトを企画した。このプロジェクトでは、メドレーと出資先が協力して開発した新技術は他社も利用できるように「オープン化」することが前提だ。

平山CTOは「プロジェクトの参加企業と協力して、医療業界全体がインターネットテクノロジーの恩恵を受けられるように、現状をいい方向にもっていきたい」と話している。

(文、写真:庄司将晃)

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