DMM.comが70億円買収のBANKを1年で「手放した」理由 —— 亀山会長「敗軍の将語らず」

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出典:光本氏HP

「ノールック買取り」、「70億円での事業売却」、「無審査10万円旅行」など、たびたび話題を作ってきたBANK代表の光本勇介氏が再びネット上を騒然とさせた。

2018年11月7日、即時買取りアプリ「CASH」やあと払い旅行サービス「TRAVEL Now」を運営するBANKがMBO(マネジメント・バイ・アウト)を実施し、DMM.comグループからの独立を発表。すぐさま、「CASHのバンク」、「光本氏個人」、「全株式の譲渡」など、複数ワードがツイッターのトレンドを席巻した。

スクリーンショット

MBOを発表するとすぐさま関連ワードがトレンドに並んだ。

Twitterよりスクショ

光本氏が発表した声明によると、MBOは100%光本氏個人によるもの。

2017年10月31日に70億円でDMMが取得したBANK社の全株式を11月6日付で5億円で買い取ったという。

そのほか、BANK社に運転資金として貸し付けていた20億円は今後5年間で返済する。

CASHやTRAVEL Nowは引き続きBANK社が運営する。

今回MBOに至った理由について、光本氏は自身のHPでこう述べている。

年末に近づき、来年の各事業のチャレンジや新規事業などを考えていく過程で、私がイメージする投資規模やアクセルの踏み具合などを考えたとき、DMMから卒業をさせていただいた方が、よりスピーディで柔軟な経営判断・動きが行えると判断をしました。十分な話し合いをさせていただいた結果、DMMからもご理解をいただき、このようなアクションに至ることとなりました。

DMM.comはなぜMBOを了承したのか

DMM

DMMのHPより

今回のMBOのニュースが衝撃的なのは、運転資金として貸し付けた20億円は別として、BANK社を買収した際の70億円は、実質的に「投資の損失」になってしまうということだ。

巨額買収したスタートアップだけに、BANK創業者・光本氏からのMBO提案とはいえ、了承するにはそれなりに重い判断が必要になるはずだ。

MBOの検討を開始した時期や、今後DMM.comとBANKが事業的に何らか関わりを持つことがあるのかなどの問い合わせについて、DMM.comは「基本的にリリースに書いたことがすべて」だと、多くを語らない姿勢を取っている。

Business Insider Japanの取材に対して、広報を通じてDMM.comの創業者で会長の亀山敬司氏は次のようなコメントを発表した。

亀山会長「お騒がせして申し訳ありません。敗軍の将語らずです。今後もDMMは積極的に投資を続けてまいります。バンク社の今後の発展を祈っております」

(文・室橋祐貴)

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