ブロックチェーンで運営される都市 ── 仮想通貨ミリオネアがネバダ砂漠に計画

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

William Ducklow/Shutterstock

ブロックチェーンで運営される都市がネバダ砂漠に誕生する。

ニューヨーク・タイムズによると、計画しているのはジェフリー・バーンス(Jeffrey Berns)。同氏は完全にブロックチェーンだけで運営される都市を計画している。ブロックチェーンによる非中央集権化されたインフラは、理論的には我々が今暮らしている資本主義世界から独立したコミュニティーを成立させ得る。

政府や大企業がコントロールするのではなく、ブロックチェーン・ベースの都市は住民が自律的に運営し、文字通り仮想通貨を通貨として使用する。

「世界を変えるブロックチェーンというテクノロジーによって、新しいビジネス、人々の暮らし、コマースがどのように発展するかを示すショーケースとなる」とコミュニティーの設計に加わっているTom Wiscombe Architectureはウェブサイトに記した。

「複数のイノベーティブなテクノロジーは住民の日々のやり取りを変え、ブロックチェーン・テクノロジーがすべての中心となる。そして、あらゆるシステムを公正、公平、民主的なものにする」

バーンスが計画している場所は、ネバダ砂漠の中の6万7000エーカー(約270万平方キロメートル)の土地ネバダ州のブライアン・サンドバル(Brian Sandoval)知事が「イノベーション・パーク(Innovation Park)」と呼ぶ場所だ

近くには、テスラのギガファクトリーやグーグル、アップルといったテック大手のビルが建つインダストリアル・パークがある。

ニューヨーク・タイムズによると、バーンスの会社Blockchains LLCは2018年はじめに土地を推定1億7000万ドル(約190億円)で購入。バーンスはすでに、さらに3億ドルを投資済みで、プロジェクトの全費用を負担する。資金は2015年、イーサリアムに投資したことで得たものだ。

「私の中の何かが、これが答えと私に告げた」とバーンスはニューヨーク・タイムズに語った。

「ブロックチェーンを信じる人を十分に集めることができれば、我々は、我々が使っているあらゆるシステムを変えることができる」

バーンスは都市の建設は早ければ2019年後半に開始する予定だが、まだマスタープランを検討中で、当局の承認も必要と語った。

ブロックチェーンが作るユートピアの完成予想図を見てみよう。

都市は2つの部分に分かれている:住居エリアと研究エリア。画像は研究エリア。

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

EYRC Architects + Tom Wiscombe Architecture

「高度なセキュリティを誇る研究エリアでは、ブロックチェーン・テクノロジーとAI、3Dプリンティング、ナノテクノロジーなどを融合させる」と都市の建設に参加する建築家はウェブサイトに記した

バーンスは大学も計画しているとニューヨーク・タイムズに語った。

研究エリアには、イノベーションとコラボレーションを促進するために「アイデアを検討し、実際に作ることができるハイブリッドな場所」も設けられる。

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

EYRC Architects + Tom Wiscombe Architecture

研究エリアは、アイデアや技術開発をテクノロジー面で促進することに注力する。設計会社の1つ、Ehrlich Yanai Rhee Chaney Architectsは、研究エリアのビルは「アイデアを検討し、プロトタイプを作る」場所となるだろうウェブサイトに記した

建物は、市民の居住エリアと大きな中庭も含め、コラボレーションとクリエイティビティを促進するようデザインされる。

eスポーツ・アリーナも。

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

EYRC Architects + Tom Wiscombe Architecture

eスポーツ・アリーナの詳細は不明。だがeスポーツの盛り上がりと成長するマーケットは、eスポーツの有望性を示している。

イノベーション・パークの予想図にアリーナが描かれていることは間違っていない。

住居エリアは、住宅と学校があるスマートシティ。

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

Digital Domain retouched by EYRC Architects + Tom Wiscombe Architecture

住居エリアには数千人が暮らす予定。自動運転のEVが走り、ドローンによるデリバリーシステムも計画されているとニューヨーク・タイムズは伝えた。

住居エリアはコミュニケーションを促進するようにデザインされる。

ブロックチェーン・ユートピアの完成予想図

EYRC Architects + Tom Wiscombe Architecture

都市はブロックチェーン、そして再生可能エネルギーを使って運営される。また住居エリアはコミュニティ形成を重視した、人間中心のデザインとなる。

「市民センター、学校、商業エリアは、密度、歩きやすさなど、すべてがコミュニティの上に融合される」と建築事務所のサイトは記した

バーンスはプラハで開催されたイベントで都市の詳細について語った。プレゼンテーションの動画は以下。



[原文:A cryptocurrency millionaire is buying up land in Nevada’s desert to build a utopian village run on Ethereum — here are the design plans

(翻訳、編集:増田隆幸)

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