タイムズスクエアの近くにたたずむ、ホームレスの男性(ニューヨーク、2016年1月4日)。
Julie Jacobson/AP
近年、貧困率が低下しているアメリカ。しかし、国勢調査局によると、2017年には4000万人近い国民が貧困生活を送っていることが分かった。
さまざまな形でアメリカ人に影響を及ぼす貧困の実情を見て行こう。
路上生活は貧困の形として最も分かりやすいが、ホームレスは、貧しいアメリカ人が直面する1つの問題に過ぎない。
歩行者がカップに入れてくれたお金を確認するホームレスの男性。
Julie Jacobson/AP
長い時間働いてもわずかな収入しか得られないなど、家計を支えるのにさまざまな苦労をしている人々がいる。彼らにとって、政府や地元の団体からの支援は欠かせない。
ミシシッピ州ジョーンズタウンの賃貸のトレーラーハウスで暮らす女性。子どもたちのために夕食を作っている。
Rogelio V. Solis/AP
生活にかかる費用が増大するにつれ、中にはどんな場所でも生活できるところで生活せざるを得ない人もいる。
ワシントン州カークランドにある教会の駐車場に止めた車の中で生活する女性。他にも20人以上がこの駐車場で車中生活をしているという。
Elaine Thompson/AP
Source: Business Insider
天候にも翻弄される路上生活者たちは、落ち着ける小さなスペースを探す。
ホームレスになって5年だと言うこの男性は、シアトルのバス停で食事をとっていた。何度もシェルターに入るよう勧められたが、その生活条件や周囲の人々とのいざこざから、路上生活を続けることを選んだと言う。
Ted S. Warren/AP
Source: Business Insider
一部の都市は、寒い時期になるとシェルターの数を増やしている。
オレゴン州ポートランドでオープンしたホームレス・シェルター(2017年1月)。
Don Ryan/AP
Source: The Guardian
ホームレスの多い都市では、彼らの生活の場を強制的に撤去したり、彼らが定着できないようにするケースが増えていて、これには批判も噴出している。例えばシアトルでは、当局はシェルターへの移動を促し、72時間の猶予を与えることとなっているが、8月現在、これが守られているのはわずか60%ほどだ。
シアトルのラヴェンナ公園の近くでは、トラクターを使ってホームレスの拠点が撤去されていた。
Ted S. Warren/AP
Source: The Seattle Times
シェルターや緊急サービスを必要とする人の数を管理するため、当局は恒久的な措置を取る代わりに、大規模な仮設のシェルターを提供している。
飼い犬が見守る中、ホームレス向けの新たな仮設シェルターで自身の寝床を準備する女性(サンディエゴ、2017年12月)。
Gregory Bull/AP
Source: The Alpha Project
2014年に住む家を失った子どもの数は、史上最多の250万人。これは30人に1人の割合だ。
ホノルルにあるホームレス向けのシェルターで、1歳の息子に服を着せる父親。
Jae C. Hong/AP
住む家のない人たちには公営住宅を提供する方がより根本的な解決になりそうに思えるかもしれないが、住宅当局には腐敗や管理不行き届きがはびこっている。
ブルックリンにある公営住宅の近くを歩く女性(ニューヨーク・シティ、2017年3月16日)。
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ニューヨーク市は6月、調査によって水漏れ、崩れかけの壁、含鉛塗料、かび、壊れたエレベーター、ねずみといった問題が放置されているのが見つかった後、20億ドル(約2300億円)を支払って、同市の住宅当局の腐敗と管理不行き届きに対する申し立てで和解した。
Spencer Platt/Getty Images
Source: Associated Press
都市部のホームレスの中には、空き缶やビンを集めて、少ない収入を得ている人もいる。多少の足しにはなるが、収集には時間がかかり、競争相手もいる。
マンハッタンの駅で空き缶を集める男性。
Spencer Platt/Getty Images
Source: PBS
仕事をしていても、一定以上の収入がないと国の医療費給付は受けられない。近年、孤立した、貧困層の多いコミュニティーで、無料で歯科、眼科を含む医療サービスを提供する移動クリニックが増えている。
Jacquelyn Martin/AP
Source: The Guardian
アメリカ公衆衛生学会(American Public Health Association)の研究によると、医療費が700万人以上のアメリカ人を国の定めた貧困ライン以下に追いやっている。
移動クリニックで、血圧を測ってもらう男性(ニューヨーク州オーリアン、2017年6月10日)。
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アメリカでは4000万人が飢えに苦しんでいて、これには1200万人以上の子どもが含まれる。
ニューヨークのブルックリンでは、住民に無料で食料を配布するプログラムが。
John Moore/Getty Images
Source: Feeding America
多くの地元の非営利団体が、フードバンクやパントリーの無料もしくは割引価格の食料をコミュニティーに提供している。
無料の食料を受け取るため、フードバンクに登録をする人(カリフォルニア州リッチモンド、2013年11月1日)。
Justin Sullivan/Getty Images
Source: Feeding America
一部のシェルターでは、ホームレスの人々に立食ではなく着席式のディナーを振舞うことも。
ペンシルベニア州フィラデルフィアにある教会で休息を取る男性(2018年10月18日)。
Spencer Platt/Getty Images
食料品や日用品を無料で提供することで、生活を支援する団体もある。この写真のようなフードバンクは、果物や野菜を含め、住民が新鮮かつヘルシーな食べ物を手に入れることが難しい「フード・デザート(食べ物の砂漠)」として知られるエリアで貴重な資源となっている。
ウェストバージニア州の炭鉱の町ウェルチでは、住民が屋外に設けられたフードバンクで無料のアイテムを探していた。
Spencer Platt/Getty Images
Sources: Charleston Gazette-Mail, USDA
ホリデーシーズンが近づくと、地元の支援団体はホームレスや低所得の人々にさまざまな形で食料品を届ける。
七面鳥を含むサンクスギビング(感謝祭)用の特別な食料品を受け取るニューヨーカーたち(2017年11月20日)。
Spencer Platt/Getty Images
本格的な冬が近付き、路上生活者にとっては厳しい日々が待っている。生活必需品やシェルターのニーズが最も高まる時期だ。
雪が降る中、コーヒーショップの外に立つホームレスの男性たち(ボストン、2018年1月4日)。
Spencer Platt/Getty Images
[原文:This is what poverty looks like in the US right now]
(翻訳、編集:山口佳美)