スパイダーマン3に出演したスタン・リー氏(左)。
Sony/Marvel/"Spider-Man 3"
11月12日(現地時間)、スタン・リー(Stan Lee)が95歳で亡くなった。マーベルの象徴で、1000回のカメオ出演をしている彼にただ「安らかに」とは言えない。
彼はマーベル・シネマティック・ユニバース(マーベルが作り出す作品世界)のファンには、2008年の映画『アイアンマン』以来、多くの映画に登場していることで知られていた。
だがリーは、そのずっと前からカメオ出演をしていた。
1960年代、リーに似た人物がマーベル・コミックスの表紙や中のページに時々、登場した。2015年に彼がBusiness Insiderに語ったところによると、コミックに登場したのは彼の意図では決してなかった。
「マンガ家がジョークでコミックに私を描いた」とその時、リーは語った。
「私はそこにセリフの吹き出しを付け加えた。それで私が意図してやったように見えた。当時、カメオ出演しようとは思っていなかった」
1960年代、リーと同僚でマーベルを代表するマンガ家のジャック・カービー(Jack Kirby)が登場したコミック「ファンタスティック・フォー」の表紙
Wikipedia/Marvel
1990年代、コミック「Nova」にも登場。
Cyber Space Comics/Marvel
「楽しいこと、読者が喜んでくれることは何でも続けた。たくさんのファンレターをもらった」とリーは振り返った。
「我々はテレビや映画を手がけていなかった。我々のすべてはコミックにあった。だからもし、ファンを楽しませるものがあるなら、それを守り続けた」
マーベルは間違いなく守り続けた。彼はマーベルを象徴する顔になった。
数十年にわたって、彼は数え切れないくらいのコミック、テレビショー、そしてフォックスの90年代のテレビアニメシリーズ「スパイダーマン」から、1995年のコメディ映画『モール・ラッツ』までさまざまな作品に登場した。
テレビアニメシリーズ「スパイダーマン」に登場したリー。
Fox/Marvel/"Spider-Man" (1994)
彼は、特にお気に入りのカメオ出演は2015年の映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』と語った。「とても楽しかった」からだ。
また2007年の『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』へのカメオ出演もお気に入り。映画にスタン・リー本人の役で登場、主人公の結婚式に出席しようとするが、警備員にスタン・リーと認めてもらえず出席できなかったというシーンを演じた。
「クスっと笑えることが好き」と彼は付け加えた。
『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』に出演したリー。
Fox/Marvel/"Fantastic 4: Raise of the Silver Surfer"
次は、アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(日本公開は2019年)でリーに会える。彼はアニメでカメオ出演している。
※本文、敬称略
[原文:Stan Lee's famous Marvel cameos started out as a joke in the comics]
(翻訳、編集:増田隆幸)