アメリカのトランプ大統領。
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- アメリカのトランプ大統領は改めて、貿易摩擦をエスカレートさせかねない自動車関税の可能性を模索している。
- ブルームバーグによると、ホワイトハウスでは自動車関税の可能性に関するレポートが回っていて、トランプ大統領はこのアイデアについて、13日(現地時間)に通商顧問らとの打ち合わせを予定しているという。
- 輸入した車やトラックに関税を課せば、経済に混乱が生じるだろう。
報道によると、トランプ大統領は輸入した車やトラックへの関税を課すことに再び力を注いでいるようだ。この動きは、大統領の貿易戦争をさらにエスカレートさせるだろう。
ブルームバーグの報道によると、ホワイトハウスでは内々に自動車関税に関する商務省のレポート(草案)が回っているという。そして、トランプ大統領はこのレポートについて議論するため、13日に自身の貿易チームとの打ち合わせを予定している。次の正式なステップは、自動車関税に関する商務省のレポートを公表することだ。
トランプ大統領は以前、EUやカナダを含む貿易パートナーから譲歩を引き出すため、アメリカに入ってくる全ての自動車及び自動車部品に20%の関税を課すと警告していた。商務省は1962年の通商拡大法(Trade Expansion Act)232条の下、自動車関税に関する調査を始めている。
プロセスは、トランプ政権が鉄鋼・アルミニウムへの関税を課したときと同じだ。商務省は2月までに大統領にレポートを提出しなければならない。
ニュースメディアのアクシオス(Axios)によると、政権内では、徹底した保護主義のピーター・ナバロ(Peter Navarro)通商顧問を除けば、 自動車関税を好ましく思っている者はほとんどいない。関税によってもたらされるであろう経済的な混乱を嫌ってのことだ。
世界中の自動車メーカーが、このような関税は業界にとって壊滅的なものであり、アメリカにおける雇用喪失につながるだろうと警鐘を鳴らしてきた。ピーターソン研究所(Peterson Institute for International Economics)の研究によると、25%の自動車関税は1~3年以内を目途にアメリカで20万人近くの雇用喪失につながると指摘している。
(翻訳、編集:山口佳美)