FBIの最新統計で判明! 2017年、アメリカでは反ユダヤのヘイトクライムが37%増加

仮設の追悼碑

ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)の外に設けられた仮設の追悼碑の前にたたずむ男性。

Cathal McNaughton/Reuters

  • FBI(米連邦捜査局)の最新調査によると、アメリカでは2017年、ヘイトクライムの発生件数が前の年に比べて17%、反ユダヤの犯罪件数が37%増加した。
  • FBIが発生件数をまとめ始めて以来、反ユダヤの犯罪は一貫して、宗教関連のヘイトクライムの中で最も割合が高い。
  • この数字は、反ユダヤ主義のヘイトクライムの発生件数が増えているとのユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」による指摘を支持するものだ。

FBIが13日(現地時間)に公表した統計によると、アメリカでは2017年、ヘイトクライムの発生件数が前の年に比べて17%、反ユダヤの犯罪件数が37%増加した。

先日、ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグで発生した銃乱射事件は、アメリカ史上最悪の反ユダヤ主義の虐殺とも考えられている。そしてこの新たな数字は、アメリカ国内で反ユダヤの風潮が高まっているとの見方を裏付けるものだ。

2016年、反ユダヤのヘイトクライムは前年に比べて3%増加した。2015年には9%増えている。FBIがヘイトクライムの統計をまとめ始めて以来、反ユダヤの犯罪は特定の宗教をターゲットにした犯罪の半数以上を占めてきた。2017年、特定の宗教を狙ったヘイトクライムは938件、割合にして58.1%にのぼった。反ユダヤの犯罪は、さまざまな集団を標的にしたヘイトクライム全体の13%を占めている。

トレンドの証拠

この新たなデータは、2017年に反ユダヤ主義の事件が57%増加したとする名誉棄損防止同盟(ADL)の調査結果を支持するものだ。ADLはその大幅な増加の理由として、「学校や大学での事件が2年連続で2倍近く増えた」ことを挙げている。ADLの数字はFBIよりも常に多いが、どちらも2017年にこれまでにないほど発生件数が増加したことを示している。

これらはともにアメリカで反ユダヤ主義が復活してきているとの説を裏付けるものだ。中には、これをトランプ大統領と結び付ける声もある。

ピッツバーグでの銃乱射事件の直後、無党派の世論調査会社パブリック・レリジョン・リサーチ・インスティテュート(PRRI)の調査では、50州、2509人の成人のうち54%が、トランプ大統領の決断や行動が白人至上主義者を助長していると回答した。

事件を受け、アメリカを目指す移民集団(キャラバン)に対するトランプ大統領の対応が批判されると、陰謀論者たちはこれをユダヤ人グループと結びつけた。シナゴーグを襲撃する前、ロバート・バウアーズ(Robert Bowers)容疑者は過激主義者たちが利用するソーシャルメディア「Gab」に、ユダヤ系団体が「我々の同胞を殺す侵入者」を手引きしていることに腹を立てていると投稿していた。

2016年、トランプ大統領はバージニア州シャーロッツビルで行われた白人至上主義、反ユダヤ主義の抗議活動を擁護したことで批判された。1人が死亡した後、ワシントン・ポストによると、容疑者は自称ネオナチであったにもかかわらず、トランプ大統領は記者会見で暴力は両陣営のせいだと述べた。「どちらの側にも、とても良い人たちもいた」と、トランプ大統領は発言した

その他、明らかになったこと

FBIの最新データは、ヘイトクライムそのものが7175件と、17%増加していることも明らかにした。

人種を動機とした事件は18%増え、アフリカ系アメリカ人に対する犯罪は2016年よりも300件近く多かった。

性的指向に対するヘイトクライムも5%増加した。

[原文:Anti-Jewish hate crimes increased by 37% in 2017, according to a new FBI report]

(翻訳、編集:山口佳美)

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