グーグルスマホ「Pixel 3」の最新カメラ機能「夜景モード」が本当にスゴかった —— 順次アップデートで提供開始

Pixel 3カメラ

日本で発売中のPixel 3、Pixel 3 XLを対象に、同モデルの目玉機能「夜景モード」がついに提供される。

グーグルは、日本で発売中の最新のグーグルスマホ「Pixel 3」「Pixel 3 XL」の最新カメラ機能「夜景モード(Night Sight)」の正式版の提供を開始した。

夜景モードはPixel 3/3 XLの発表時に公開されていた目玉機能のひとつ。光の少ない場所でも明るく鮮明な写真が撮れるという。

今回、いち早く夜景モードを試す機会を得られたため、実際にどのぐらい使える機能なのかチェックしてみた。

夜景モードの写真には「派手すぎないエモさ」を感じる

Pixel 3のその他タブ

Pixel 3の純正カメラアプリを起動し、「その他」タブを開いたところ。左上のアイコンが注目の「夜景モード」。

レコメンド

ノーマルモードのまま暗い場所で撮影しようとすると「夜景モード」のレコメンデーションが表示される。

まず、夜景モードをオンにするには、「Googleカメラ」アプリを最新版にしておく必要がある。夜景モード対応バージョンのアプリがインストールされると、カメラアプリの「その他」タブに「夜景モード」が表示され、切り替えられるようになる。

ちなみに、通常モードでカメラが暗所だと認識すると、夜景モードでの撮影をレコメンドしてくれる。その場合は、表示されるポップアップをタップするだけでいい。

では、夜景モードではどんな写真が撮れるのか。まずは夜景を撮ってみた。

夜景モード作例

「夜景モード」適用時。Exif情報によると、ISO感度は557、シャッタースピードは1/30秒、露出補正は-0.87(画像をタップすると、実際の写真を表示)。

通常モード作例

通常モード適用時。Exif情報によると、ISO感度は641、シャッタースピードは1/24秒、露出補正は-1.4(画像をタップすると、実際の写真を表示)。

夜景モードで撮った方が、黒つぶれや白飛びが少なく明るめの写真が撮れているのがわかる。また、作例は韓国・釜山にあるダイヤモンドブリッジこと「広安大橋」を撮影したものだが、夜景モードの方がライトの色が強調され色彩豊かに見える。

夜景モードと通常モードの比較

橋の部分を拡大してみた。通常モードの作例では建造物の周りにノイズが目立つのに対し、夜景モードではかなり抑えられている。

通常モードの結果の方が肉眼で見ていたイメージと近い気はするため、夜景モードの結果は色や明るさをやや強調気味にしているが、SNSなどへの投稿などの用途であれば、夜景モードの方が確実に「映える」写真だと思う。

手持ち撮影なのにブレが少ない点も特徴的

夜景モードの作例

夜景モードで撮影。横断歩道の赤信号の待ち時間を利用して高層ビルを撮影したものだが、見上げながら撮ってしかも片手だったため、相当に持つ手は揺れていたはずだ(画像をタップすると、実際の写真を表示します)。

また、このような写真が三脚などを利用せず、すべて手持ちの状態で撮影できている点も特筆すべきところだ。

一般的なスマートフォンでは、夜景を撮る際、シャッタースピードを遅くすることでより多くの光を取り込もうとするが、そうなると手ブレの影響を受けやすい。

昨今の高性能スマートフォンのカメラは、レンズを明るくしたり、ISO感度を高めた上でノイズの処理を施したりして、なるべくシャッタースピードを落とさずにキレイな写真を残そうとする。だが、写真を拡大してみると「実はブレている」なんてことは珍しくない。

夜景モードの作例の切り出し

さきほどの作例を切り出してみた。ビルの格子や屋内の影もブレずに写っている。

Pixel 3シリーズの夜景モードでも撮影時は、数秒間端末を固定するように画面上に表示される。しかし、前述のように今回は三脚なしで撮影し、なるべく脇をしめて端末を固定しようとしただけで、ほとんどブレのない写真を撮影できたのは正直驚いた。

夜景セルフィーが大きく変わる

セルフィー作例・通常モード

夜景をバックにセルフィーしてみたところ、フラッシュをオンにしないと顔は真っ暗になってしまう(画像をタップすると、実際の写真を表示)。

個人的に、この恩恵を受けるシチュエーションは「夜景をバックにしたセルフィー」だと思う。

夜景時のセルフィーは、「片手操作」「逆光(顔が暗い)」というセンサーの小さいスマートフォンのカメラにとっては最悪とも言える環境下での撮影だ。

セルフィー作例・通常モード・フラッシュなし

続いて、通常モードでフラッシュをオンにした場合。顔は見えるようになったが、なんだか自分が浮いて見える(画像をタップすると、実際の写真を表示)。

逆光に関しては、Pixel 3でもそうだが正面ディスプレーをLEDフラッシュ代わりにして顔を強制的に明るくし撮影することが多い。しかし、このケースでは強烈な光によってどうしても顔が浮いて見えてしまったり、複数人で撮影している場合は、光がうまく当たっていない人などが生まれてしまう。

セルフィー作例・夜景モード

夜景モードにしてフラッシュなしで撮影してみたところ。決して自然な色とは言えないが、顔も背景も明るく撮れている(画像をタップすると、実際の写真を表示)。

そこで、Pixel 3シリーズの夜景モードだ。夜景モードは正面カメラ利用時でも有効にできる。しかも、Pixel 3シリーズは正面に標準レンズと視野97度の広角レンズの2つを搭載しており、複数人のセルフィーにはまさに最適な端末だ。

真の暗闇ではさすがに効力は発揮されない

かなり光源を絞った場合の作例

かなり光源を少なくして撮影したオレンジ。夜景モードの方がオレンジの全体像がつかめているが、ピントは合っていない。

確かに夜景モードは、暗い場所でも手軽に明るく鮮明な写真が撮れる非常に有効な機能だ。だが、そんな夜景モードも万能ではない。

今回、実験的ではあるが、外光が全くと言っていいほどない部屋で果物のオレンジを夜景モードで撮影してみたが、撮影されたのはただ黒いだけの写真だった。

さらに、その状態に昼光色の小さめのLED電球1灯の光を3m弱ほど離れた場所に点けて撮影してみたが、今度はオレンジの全体像は写ったものの、ノイズの多いハッキリしない写真になった。

このように、いくら夜景モードがスゴイとはいえ、カメラはセンサーがレンズを通して光を受けデジタル化する装置であるため、まったくの暗闇で肉眼でも見えない物が見えるようになるわけではないことは理解しておきたい。

通常モードで物足りないと思うなら切り替えるべき

夜景モード

夜景モードにしてPixel 3をガラス窓に押しつけて撮影。その後、汚れた部分をトリミングし、圧縮してみた。

筆者は夜景モードを試す約1週間以上前からドコモ版Pixel 3を購入して常用しているが、正直に言うと夜景モードを使わなくても、暗い場所などの撮影結果には非常に満足していた。

しかし、こうして実際に試してみるとPixel 3の目玉機能のひとつとして紹介される実力にも納得だ。今後はより積極的に暗い場所でも写真を撮りたいと思えるようになった。

なお、これらの処理はすべてPixel 3が内蔵した専用イメージプロセッサーで行われている。オフラインでも問題なくその効果が発揮されるので、常時ネットがつなげられないような環境でも活躍するだろう。

(文、撮影・小林優多郎)

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