Amazonが3台限定で発売する、Amazon史上最大のおせち(39万円)。
撮影:西山里緒
12月を前に、いよいよ大手小売りや大手ECの年末商戦が始まった。2018年はYouTuberブームの影響で、数十万円の「超高級おせち特需」がある……かも?
アマゾンは11月20日、3台限定・39万円で売り出す、アマゾン史上最大のおせちの販売を発表した。
この企画では、人気YouTuberのMasuoTV(マスオ)さんとコラボ。東京・品川シーサイドで開催されたイベント会場には、マスオさん本人がかけつけ、特大おせちの公開動画収録を行い、魅力をアピールした。
Amazonのイベントに登場したYouTuberのマスオさん。
提供:Amazon Japan
アマゾンは2017年も10台限定で、日本一背が高いとされる「タワーおせち」を20万円で販売したが、今年はさらに2倍近くの価格設定。この強気の価格に一役買っているのが、人気YouTuberだ。
近年、数十万円以上はする「超高級弁当」の試食動画をアップするYouTuberが増えているのだ。
2018年のお正月シーズンには、日本最大のチャンネル登録者数を誇るHikakinさんが「200万円の高級おせち」を動画にしてアップ。アマゾンの「タワーおせち」も、100万人以上のチャンネル登録者数を抱える「恭チャンネル」が購入し動画にしている。
他にも、チャンネル登録者数130万以上「アブ -abu-」さん、100万以上の「MEGWIN TV」なども、高級おせち動画を2017年末から2018年始にかけて公開している。
おせちといえば、一家団欒の象徴だったけれど……。
動画:HikakinTV
おせちではないが、2017年12月には、人気YouTuberのヒカルさんが、鳥取和牛を丸ごと使った約30万円の弁当を紹介した。
この弁当を販売するフードデリバリー企業、スターフェスティバルの広報担当者によると、鳥取和牛の弁当は2017年11月から2018年3月までの期間限定で発売した結果、5個が売れ、そのうちYouTuberからの購入が3つだったという。
予想よりも売れたため、2018年11月からは、定番商品としての販売を予定している。
「YouTuberさんは、注文・お届け・動画公開の3段階でTwitterでつぶやいてくれることもあるので、拡散効果が高い。鳥取和牛弁当の事例を踏まえて、YouTuberさんに紹介いただくことを期待しての(企業や自治体からの)問い合わせも増えていますね」(スターフェスティバル広報担当者)
「(弁当は)想像するより、売れた」と広報担当者。
動画:ヒカル
「Bento」は日本国外でも認知されつつある言葉でもあることから、高級弁当は海外へのメディアアピールにつながった、という話もある。
スターフェスティバル広報担当者によると、先ほどの鳥取和牛弁当はシンガポール大手紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」をはじめとして、27カ国・138媒体以上に取り上げられたという。
数十万円のおせちをフックに、YouTuberが「Osechi」を世界共通語に押し上げる日は来るのだろうか?
(文、西山里緒)