火星探査は何度も行われているが、まだ謎が多い。
Samantha Lee/Business Insider
- NASAの火星探査機インサイトは11月26日午後2時54分(東部標準時)、無事、着陸に成功した。
- インサイトは火星の「バイタルサイン」を測り、内部構造の謎を解き明かす初めてのミッションとなる。
- 超高層ビルサイズの津波から、不気味な青い夕焼けまで、火星についての驚くべき事実を見てみよう。
NASAの探査機インサイトは火星への着陸に成功、8億3000万ドル(約940億円)をかけたインサイトは、かつてないほど綿密に火星を調査する。
今年5月に打ち上げられたインサイトは、11月26日午後2時54分(東部標準時)に火星に着陸。過去数十年、人類が火星に送り込んできた数々の探査機や衛星の1つとなった。
過去の数々の火星ミッションは驚異的な写真を地球に送り、『オデッセイ』のようなSF映画を生み出し、イーロン・マスク氏にビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)による火星移住計画の着想さえ与えた。
火星は探査機インサイトが調査する内部構造を含め、まだまだ分からないことが多い。しかし、現時点までに発見されたことも驚きに満ちている。
火星、そして火星探査にまつわる興味深い13の事実を見てみよう。
火山
火星の火山の前では、地球の火山が小さく見える。
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ハワイのマウナ・ロア山は、海底にあるふもとから頂上まで含めると、地球上で最も高い山。火星のオリンポス山の高さは、その2倍以上。
峡谷
グランド・キャニオンもマリネリス峡谷には敵わない。
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火星のマリネリス峡谷は、グランド・キャニオンの5倍近く深く、約4倍長く、幅は20倍広い。
火震
地震の原因は複数ある。
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火星には、地球の地震の主な原因であるプレートは存在しない。しかし、冷却による収縮、マグマの上昇、隕石の衝突が火震(火星の地震)の原因となる。
インサイトは地震計を使って、火震を観測する。
オアシス
水辺で火星の生命が誕生したかもしれない。
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もし、火星に宇宙人が存在していたなら、オアシスのような水辺に住んでいたかもしれない。水辺は、地球と同様、生命にとって生息可能な場所となる。
津波
火星にかつて存在した津波は巨大。
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火星の海にも津波が存在したようだ。高さは最大400フィート(約120メートル)に達していた可能性がある。イギリスの巨大観覧車、ロンドン・アイより少し低い程度。
極冠
火星の極冠を溶かすことで、火星を人類が住める環境に変えるテラフォーミングが可能になるかもしれない。
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地球と同じように、火星の北極と南極にも極冠(氷冠)がある。火星の北極にある極冠は、厚さ最大2マイル(約3.2キロメートル)、水と二酸化炭素で構成されている。面積はテキサス州よりもわずかに大きい。
気温
大気がほぼ存在しないため、火星の平均気温は極めて低い。
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火星表面の平均温度は、摂氏マイナス63度。地球よりも77度低い。しかし、火星の赤道付近では、真夏の最高気温は35度にもなる。
海
火星には水があまりなかった。
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数十億年前、火星には海があり、水も流れていた。しかし、それらを足したとしても、現在、地球に存在する水のわずか1.5%に過ぎない。
表面積
地球と比べると、火星は小さい。
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火星の表面積は地球の陸地の面積とほぼ同じ。しかし、地球において陸地はほんの一部。地球の約71%は水に覆われている。
大気
火星の薄い大気の成分は二酸化炭素、窒素、酸素、アルゴン。
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火星の大気は地球より61倍薄く、ほとんどが二酸化炭素。地球の大気の二酸化炭素濃度はわずか0.04%。
夕焼け
火星の夕焼けは青い。
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地球の夕焼けは、赤、ピンク、オレンジ、黄色など、さまざまな色が美しく混ざり合っている。しかし、火星の夕焼けは青。火星の大気は地球よりも数十倍薄く、太陽光があまり屈折せず、火星に届く色が地球よりも少ないためだ(主に青い光が残る)。
打ち上げ頻度
ここ数十年間、火星ミッションの数は増減している。
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火星ミッションは以前よりも珍しいものとなった。1960年代と70年代には合計24回行われたが、21世紀に入ってからは、わずか13回(インサイトの打ち上げは含まれていない)。
ミッション
インサイトのミッションは進行中のため、含まれていない。
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火星にたどり着くことは簡単ではない。過去、約3分の1は失敗に終わった。
インサイトの「成功」を祈ろう。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)