フォード F-150 ラプター
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- フォードFシリーズのトラックは、36年間にわたってアメリカのベストセラーカーとなっている。
- 2017年、フォードは89万6764台ものFシリーズを販売、年間販売台数の記録を更新した。
- 2018年は10月までに74万9456台を販売、昨年の記録を打ち破るペースだ。
- フォードFシリーズの70年の歴史を見てみよう。
2017年、フォードはアメリカで89万6764台ものFシリーズトラックを販売、年間販売台数の記録を塗り替えた。
この記録によりFシリーズは2017年にアメリカで最も売れた車となった。前年の2016年もそうだった。その前年も。そして33年前もそうだった。
Fシリーズは、アメリカで41年連続ベストセラーのトラックであり、36年連続ベストセラーの車だ。
そして、Fシリーズは2018年もトップの座に向けて順調に進んでいる。10月までに74万9456台が販売された。昨年よりも早いペースだ。
歴史を振り返ってみよう。
フォードは1948年1月16日、最初のF1ピックアップトラックを発表。以来、Fシリーズはフォード最大の成功となり、最も重要な製品となった。フォードを代表するムスタングよりも。
1977年以来、フォードはアメリカで2600万台以上のFシリーズトラックを販売してきた。
21世紀になってから、フォードは1分間に1台のペースでピックアップトラックを販売している。2017年にはその数は1分間に1台半以上のペースになったとAutoweekは伝えた。
シボレー シルバラード、GMC シエラ、RAMなどのライバル、さらには日本メーカーのトヨタ タンドラ、日産タイタンも、Fシリーズと肩を並べることはできない。
70年にわたるベストセラー、フォードFシリーズの歩みを見てみよう。
第13世代となる現行のFシリーズは2015年にデビュー。
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2019年型のF-150。
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実用的なXLからキングランチ、プラチナム、ラリアットのような豪華モデルまで、幅広いモデルがある。
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2019年型F-150のほとんどはV6ターボを搭載、V8のスペシャルモデル、ディーゼルエンジン「パワーストローク」を搭載したモデルもある。
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ピックアップトラックであるF-150より大きなモデルはスーパーデューティーと呼ばれる。 F-350ラリアット。
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より大きな牽引力が必要なら、後輪がダブルタイヤのスーパーデューティー「デューリー(Dually)」もある。
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商用モデルのF-650/750。ダンプカー、トラック、牽引トラック、救急車など数百ものバリーションがある。
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スピードを求めるなら450馬力のF-150ラプター。新しく作られた「フォード・パフォーマンス・ディビジョン」(スーパーカーのGTも担当)が手がけた。
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それでも不十分ならチューニング・メーカーの「ヘネシー・パフォーマンス」がある。写真はスーパーチャージャーを搭載したVelociRaptor 650。650は馬力を表す。フェラーリ488 GTBとほぼ同じ数値。
Hennessey
レゴのラプター! トレーラーとホットロッドが付いていて、お買い得。
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すべてはこのFシリーズから始まった。簡素な1948年型フォード F-1。
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すぐに人気を集めた。修理が簡単で、農作業に欠かせない道具となった。1956年型F-100ピックアップトラック。
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1950年代に流行ったデザインはピックアップトラックにも及び、実用的なアート作品となった。この1957年型フォードがどのようにしてドイツに渡ったのかは分からない。ぜひ知りたい。
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オーナーは、大好きなFシリーズを数十年も使い続ける。写真の1961年型F-150(レーシングストライプがカッコいい)は、50年あまり走り続けている。
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1973年型、第6世代のFシリーズもまだ現行モデルに負けていない。
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建設現場のF-150はアップルパイと同じくらいアメリカらしい光景。
その伝統は今も続いている。フォードは2017年、廃棄物処理業者の81.7%、政府職員の78%、道路建設業者の53.7%、電気サービス業者の72.7%、水道・下水道業者の61.2%、原油および天然ガス業者の56.3%がフォードのトラックを使っていると発表した。
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1980年型フォードF-250。ブラウンにブラウンを重ねた塗装はどうかと思うが。
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ブラジルで見かけたF-1000「ギャラクシア」。アメリカ国外のみのモデルもあった。
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1985年型Fシリーズの組立風景。ツイン・シティ工場は2011年に閉鎖された。
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1989年当時もF-150は農場で大活躍していた。
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1978年以降、フォード ブロンコはFシリーズのシャーシを使っていた。1994年型。
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長年にわたり、フォードF-350 XL スーパークルー「デューリー」のような上級モデルは、車体がますます大型化してきた。
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インテリアもこの2017年型F-250のように、より広く、より豪華になった。
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よりハイテクにも。2017年型F-350キングランチ。
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1997年、カンザス・シティ工場から出荷される第10世代F-150の1台目。第10世代は1997年から2004年まで製造された。
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SVTライトニングはスポーティーなハンドリング性能を備えたハイパフォーマンス・ピックアップトラック。1999年から2004年まで製造された。
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スーパーカーのフォードGTと同じエンジンが使われた。
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21世紀に入ってからは現在までに、第10世代から13世代が登場。11世代の2006年型フォードF-150。
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2015年型、フォードはボディの大部分をアルミニウムに切り替えた。工場への大規模な投資が必要だったが、軽量化と経済性のアップを実現した。
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Fシリーズのアルミニウム合金ボディ。
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だが、フレームは依然として高強度スチールで作られている。
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大きな決断だったが受け入れられた。2番目に売れているピックアップトラック「シルバラード」のメーカー、シボレーはスチール製ボディをアピールする広告を展開した。
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だがフォードも負けていない。2015年型F-150スーパークルーがダラス・カウボーイズの新しい練習場の建設に使われたことをアピールした。
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Fシリーズを業務用に使っているクライアントは数え切れない。ウィスコンシン州リバティーで活躍した1961年型フォードの消防車。
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空港で使われている1987年型。
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除雪車、1995年型。
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NY市警のレッカー車。
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F-350の救急車、ニューヨーク消防局。
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もちろん、Fシリーズは遊び用にも改造される。意地悪そうな外観の1955年型。
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クールなホットロッドも1955年型F1。
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最も有名なFシリーズの改造車はやはり、ビッグフット・モンスタートラック。
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ビッグフットを牽引するフォード スーパーデューティ。
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すべてはこの簡素なF-1から始まった。
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[原文:The glorious history of the Ford F-Series truck, America's best selling vehicle for 36 years (F)]
(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)