「コストコ自動車プログラム(Costco Auto Program)」は、コストコ会員のみが利用可能。
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- コストコ会員はコストコ・オート・プログラム(Costco Auto Program)を使って、提携ディーラーから割引価格で車を購入できる。
- 同プログラムは車選びや価格交渉など、車の購入に関するさまざまな手間を省いてくれる。
- しかし、一部の地域では顧客の選択肢を狭めてしまっている。
車の購入は、かなり面倒なことになり得る。
どんなタイプの車が欲しいか決まっていても、ブランド、モデル、年式を決めなければならない。また、どのディーラーから買うのか、新車か中古車か、購入するのかリースするのかも決めなくてはならない。
何から始めれば良いのか? どの情報が信用できるのか? 相場は? 疑問は尽きることがない。
コストコ・オート・プログラム(Costco Auto Program)は、こうした不安の一部を取り除こうとしている。
過去5年間で100万人以上のコストコ会員がこのプログラムで車を購入した。
会員はこのプログラムで、車の検討や比較、月々の支払い額の計算ができる。そしてプログラムのウェブサイト、もしくはコールセンターを通して、プログラムに参加しているディーラーから割り引きを受けることができる。
割り引き額は、車のクラス、ブランド、モデルによってさまざま、同プログラムの広報担当者は2018年3月、平均販売価格から1000ドル以上の値引価格になっているとBusiness Insiderに語った。
同プログラムはコストコ会員にのみ提供されている。コストコはディーラーや販売員を厳選しているので、顧客は騙されたと感じて、コストコを非難することもない。
「我々はただディーラーを紹介しているだけではない。厳選している」とコストコ・オート・プログラムのシニア・エグゼクティブ、リック・ボーグ(Rick Borg)氏は3月にBusiness Insiderに語った。
コストコ・オート・プログラムは普通の購入プロセスとどこが違うのか。見てみよう。
2. 複数の検討結果を一カ所にまとめられる。
Costco Auto Program
車を購入する時に最も難しいことは、何から調べ始め、いつ止めれば良いかということ。特に車のレビューを読む趣味がなければ。
コストコ・オート・プログラムは、レビュー、安全性評価、ローン計算、そして車種比較ツールを1つにまとめて提供している。
もちろん複数の情報源を比較することに損はないが、調べ始めるには最適な場所だろう。
3. ディーラーと販売員の選択肢は限られている。
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ボーグ氏によると、コストコは1つのブランドにつき、近隣の1つのディーラーとのみ提携している。そして、各ディーラーの中でも一握りの販売員だけに、プログラムの顧客に対応する権限が与えられている。
彼は提携ディーラーを、価格、顧客満足度、ソーシャルメディアでの評判をもとに選んでいると語った。
販売員も顧客満足度によって評価されており、当該ディーラーで少なくとも6カ月働いていなければプログラムに参加できない。
しかし、ディーラーと販売員の数に限りがあるため、コストコが最初に推薦したディーラーに満足できない場合は、少し面倒なことになる。ボーグ氏は他の提携ディーラーを紹介することもできると述べたが、地理的に便利なディーラーではないかもしれない。
4. 価格はコストコが交渉済み。
YouTube / Costco Auto Program
車の価格交渉は難しい。
在庫、ディーラーや販売員の売り上げ目標の達成度、平均的な割引額など、ディーラーは多くの情報を持っている。だがこちらとしては可能な限り安価に購入したい。
ボーグ氏は、コストコは提携ディーラーと価格交渉を行う際、各モデルの国内とその地域の平均価格、他の割引プログラムなどを参考にして包括的な交渉を行っていると語った。
コストコは膨大な数の会員を提携ディーラーに紹介することができる。つまり、誰よりも大きな交渉力を持っている。
5. 問題があれば、コストコが解決をサポート。
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コストコの驚くほど寛大な返品ポリシーから考えると、コストコは会員をつなぎとめるために手段を選ばない。
車の購入は食料品の購入よりもはるかに大きな投資。コストコも、会員にコストコでの4万ドルの買い物で後悔して欲しくない。
ボーグ氏は、コストコは提携ディーラーを「かなり厳選」しているが、購入前後にカスタマーサポートも提供していると語った。
例えば、顧客が購入直後に車に傷を見つけ、それが保証対象外だった場合、コストコは少なくとも顧客とディーラーの間に入って交渉する。
「我々が会員の立場を支持するか? もちろんだ」
ボーグ氏は、仮にディーラーが傷の責任の所在について懸念するなら、コストコは「間違いなく間に入り、ディーラーと話をして、正しい対応をするよう伝える」と付け加えた。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)