パリでは一部が暴徒化! フランス全土に拡大する抗議デモ「黄色いベスト」とは

デモ

凱旋門の近くで警察と衝突した、抗議デモ「黄色いベスト」の参加者たち(パリ、2018年12月1日)。

REUTERS/Stephane Mahe

  • フランスのパリで数週間にわたって続いているマクロン大統領に対する抗議デモ「黄色いベスト」の参加者は、警察と激しく衝突している。
  • デモが始まってから3度目の週末にあたる12月1日(現地時間)には、パリの凱旋門付近で激しいデモが起き、警察は暴徒鎮圧用の装備と催涙ガスで対抗した。
  • これを受け、マクロン大統領はフィリップ首相にデモ代表者らと協議を行うよう指示した。
  • Business Insiderでは、彼らが何を求めているのか、これまでに何が起きたのか、まとめた。

車を燃やし、店先を破壊、国のシンボルを汚し、警察と衝突することで、フランスの抗議デモ「黄色いベスト」は、3週連続でパリに混乱をもたらしている。

12月1日のデモにはフランス全土で3万6000人以上が参加したが、このうち5000人が首都パリに終結。パリでは一部が暴徒化し、警察によると412人が拘束された。

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ELYXANDRO CEGARRA/Anadolu Agency/Getty Images

首都の混乱としては1968年以来最悪の規模となったその被害額は、数億ユーロにのぼる可能性があると報じられている。

ラジオ1 ヨーロッパ(Radio One Europe)によると、警察は1日、1万2000個もの催涙ガスを使用し、小競り合いをするデモ参加者に向かって放水した。これにより、少なくとも80人が負傷した

このデモはフランス各地で11月17日に始まって以来、ベルギーやイタリアにも広まっている。ほとんどの場所では、道をふさいだり、平和的な行進が主だが、パリのデモは暴徒化している。

彼らは何者で、何を求めているのか?

「黄色いベスト」は、ディーゼル燃料に対する新たな課税がその主な原因となって、ガソリン価格が上昇していることに抗議している。その価格は、今年に入って16%も上がっている。

フランス石油産業連盟(UFIP)によると、ディーゼル燃料の1リットルあたりの平均価格は、1.24ユーロ(約160円)から1.48ユーロ(約191円)に上がったと、CNNは報じている

マクロン政権は、これは環境のためだと説明したが、公共交通機関やカーシェアリング・サービスのない田舎で暮らす人々にとっては、自動車が主な交通手段だ。マクロン大統領は、フランスを低公害経済にするためには、これらの税金が必要不可欠だと語った

マクロン大統領

フランスのマクロン大統領(ベルギー、2018年11月20日)。

Yves Herman/Reuters

「黄色いベスト」は政党の一部ではないが、その怒りは燃料価格を越え、フランス政府全体へと広がっている。

パリのデモ参加者は、自分たちが参加するのは、生活費が高騰し、若者を中心に失業が広まる中、政府が社会で最も貧しい人々のために何もしないからだと、ガーディアンに語った

マクロン大統領のリーダーシップがこうした怒りの的であり、彼らはマクロン政権は普通の人々のことなど気にかけていないと言う。

凱旋門には、デモ参加者らが「わたしたちには暴動を起こす権利がある」「マクロンは辞任すべき」「黄色いベストが勝利する! 」などと書いた。

なぜ「黄色いベスト」なのか?

デモ参加者の主な要求は、燃料価格に関するものだ。フランスでは、2008年の法律でドライバーは皆、運転をするときには自身の車もしくはバンの中に、この目につきやすい黄色いベストを用意しておくよう定められたため、彼らはこのベストを着用している。

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Thibault Camus/AP

フランス全土に広まるデモ

11月17日の最初のデモで、フランスでは1人が死亡、227人が負傷した。2000もの抗議活動が行われ、73人が警察に拘留されたと、CNNがフランス内務省の話として伝えている

最初のデモは、フランス各地の抗議活動をまとめるため、主にウェブサイトを通じて組織された

11月24日の2度目のデモでは、シャンゼリゼ通り周辺のデモを抑えるために、パリには5000人の警察官が配備され、バリケードを築いて群衆の行く手を阻んだ。

しかし、中には火をつけたり、標識を壊したり、舗装用の敷石を拾って警察に向かって投げつける者もいたと、BBCが報じている

フランス警察は40人を拘束し、警察官4人を含む19人が負傷したと述べた。

マクロン大統領は話を聞くというが?

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Etienne De Malglaive/Getty Images

この2度目のデモの直後、マクロン大統領は「彼ら(警察官)を攻撃した者、市民や記者を襲撃した者、公職者を威圧しようとした者は恥を知るべきだ。このような暴力は許されない」とツイートした

12月1日の直近のデモでは、100台の車が燃やされ、数十軒の飲食店や小売店が破壊され、凱旋門には落書きがされ、パリの観光エリアにはそのがれきが散乱した。

アルゼンチンで開催されていたG20首脳会議から戻ったマクロン大統領は3日、フィリップ首相と緊急会合を行い、「黄色いベスト」と4日に会い、彼らが何を求めているのか、しっかりと話を聞くよう指示した。

[原文:Who are the 'Yellow Vests' protesting across France and rioting in Paris, and what do they want from Macron?]

(翻訳、編集:山口佳美)

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