メキシコ大統領専用機として使われていたボーイング787-8ドリームライナー。
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- メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領は、前大統領のエンリケ・ペーニャ・ニエト氏が利用していた大統領専用機を「贅沢すぎる」として売却し、選挙公約を果たそうとしている。
- ロイターによると、問題の大統領専用機はボーイング787-8ドリームライナー、価格は2億1800万ドル(約250億円)相当。
- 60機の政府専用機と70機のヘリコプターも一緒に売却される。
- ロペスオブラドール氏は12月1日(現地時間)、メキシコ大統領に就任した。
メキシコの新しい大統領に就任したアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)氏は大きな改革を始めようとしている。最初の仕事は前大統領が使っていた大統領専用機の売却。
ブルームバーグによると、ロペスオブラドール大統領は「贅沢過ぎる」専用機を売却し、選挙公約を果たそうとしている。
問題の飛行機はボーイング787-8ドリームライナー、2016年3月にメキシコ政府が購入し、エンリケ・ペーニャ・ニエト前大統領が使用していた。
12月9日(現地時間)、大統領として1日目が終わりかけた頃、ロペスオブラドール大統領がベラクルス州ハラパでの集会で「我々は腐敗した政治家たちが使っていた飛行機やヘリコプターをすべて売却する」と述べると集まった聴衆は歓声をあげた。ロイターが伝えた。
2億1800万ドル(約250億円)の大統領専用機は、60機の政府専用機および70機のヘリコプター70機とともに売却される。
AirFleets.netによると、同機はボーイングが製造した6機目のドリームライナーで、2010年10月4日に初飛行した。ボーイングが製造における課題に取り組んでいた頃に製造された初期の787のうちの1機。
メキシコ空軍が787を大統領専用機として改装すると決定するまでに、約5年間、放置されていた。
12月1日、メキシコのカルロス・ウルスア(Carlos Urzua)財務相はジャーナリストやカメラマンに機内の見学を許可した。
メキシコの大統領専用機となったボーイング787-8ドリームライナーを見てみよう。
ボーイング787-8ドリームライナーは新世代の超低燃費ワイドボディ機の中でも初期のもの。
Boeing
787-8は3つの派生型の中で最も小さい機体。カタログ価格は2億3900万ドル。
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エンジンはゼネラル・エレクトリックGEnx-1Bターボファンエンジン2基、航続距離は約8500マイル(約1万4000キロメートル)。
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メキシコ大統領専用機は6機目の機体。2010年4月に初飛行。
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2016年、メキシコ政府が購入し、旅客機から大統領専用機に改装した。
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プライベートジェットに改装されたドリームライナーはごくわずかだが、そのうちの1機。
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名称は「ホセ・マリア・モレーロス・イ・パボン(José Ma. Morelos Y Pavón)、ローマ・カトリック教会の神父で、メキシコ独立革命のリーダーから名前を取った。
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当然ながら、客室は大統領の紋章で飾られている。
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通常の座席はない。代わりに大統領の執務やリラクゼーション向けに改装された。
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キャビン中央には大きなテレビ。
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美しい木材がふんだんに使われている。
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トイレ。洗面台の天板は石材仕上げ。
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最新鋭のデジタルコックピット。
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パイロットの休憩室。
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同機は60機の政府専用機、70機のヘリコプター70機とともに売却される。
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(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)