2017年12月3日から東京・汐留に掲示されていたGROOVE X社の巨大広告。当時は2018年秋の発表を見込んでいたようだが、実際には冬になるようだ。
撮影:西山里緒
過去にソフトバンクのロボット「Pepper(ペッパー)」の開発リーダーを務めた林要氏率いるロボットベンチャー・GROOVE Xは、新しい家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」の詳細を12月18日に発表するとともに予約の受け付けを始め、2019年秋冬に販売を開始する見込みだ。
LOVOTは、以前から同社が予告していた家族型ロボットの名称で、「LOVE(愛)」と「ROBOT(ロボット)」を掛け合わせた造語だ。
人に寄り添うロボットとは何か
GROOVE Xの創業者で社長を務める林要氏。
撮影:西山里緒
LOVOTの詳細は明らかになっていないが、林氏は以前Business Insider Japanの取材に対しLOVOTについて「役に立たないが存在自体が価値になる存在」と答えている。
さらに、GROOVE Xのリリースによると作業を効率化させるためのツールではなく「人の心に寄り添う」ロボットであることも明記されている。
「LOVOT」は人の代わりに仕事をする便利なロボットではありません。人に甘えて邪魔もしてくるし、時には知らない人に人見知りをするかも しれません。だけど、一緒にいるとホッとする、うれしくなる、笑ってしまう。なんだか、あたたかい気持ちになってくる。そんな風にロボットが人と信頼関係をつくり、生活に潤いと安心を与える存在になれば、人のパフォーマンスは高められると、私たちは信じています。
LOVOTのコンセプトムービー
資金調達額は累計80億円、その成果は?
12月5日17時頃のGROOVE Xホームページのトップには、LOVOTの顔とおぼしき
出典:GROOVE X
仕事などの効率化にはならない、あくまで家族の一員としての存在というと、2017年11月に発表されたソニーの犬型ロボット「aibo(アイボ)」のような、ペット型の造形や機能が想像できる。記事執筆時点で、GROOVE Xのサイトトップをかざっている“LOVOTの顔”と見られる画像もどこか動物的だ。
LOVOTが動物型になっても人型になっても、前述のコンセプトがブレることはないだろう。GROOVE Xは累計で80億円の資金調達に成功しているが、その80億円の期待が込められた研究結果がようやくベールを脱ぐことになる。
(文・小林優多郎)