トランプ大統領、一転して軍事費の増額を指示か

マティス国防長官(左)とトランプ大統領(右)

マティス国防長官(左)とトランプ大統領(右)、2018年10月23日。

Win McNamee/Getty Images

  • トランプ大統領は2020年度の予算獲得に向け、7500億ドル(約85兆円)の軍事予算案を準備するようマティス国防長官に指示したと報じられた。ポリティコが伝えた。
  • トランプ大統領は数カ月前、来年度の予算案を一律5%削減するよう主要閣僚に指示したばかり。
  • 大統領は選挙戦以来、軍事費を増額すべきか削減すべきか決めかねているようだ。

トランプ大統領は2020年度の予算獲得に向け、7500億ドルの軍事予算案を準備するようマティス国防長官に指示したと報じられた。ポリティコ(Politico)が伝えた。

ワシントン・ポストによると、この要請のわずか数カ月前、トランプ大統領は来年度の予算案を一律5%削減するよう主要閣僚に指示したばかり。大統領は軍事費を2%削減し、7160億ドルから7000億ドルにしたいとの意向を述べた。

ポリティコの情報提供者は、トランプ大統領は12月4日(現地時間)、マティス国防長官、下院および上院の軍事委員会の委員長(ともに共和党)と会い、7500億ドルという額を決定したと語った。

情報提供者の1人である元政府関係者によると、この額は大統領が「交渉戦術」として提案した。民主党が軍事予算を7330億ドル以下にすることがないようにするためだ。7330億ドルはマティス国防長官、下院および上院の軍事委員会の委員長が望んでいる金額。

2018年11月、両院の軍事委員長、ジェームズ・インホフ(James Inhofe)上院議員とマック・ソーンベリー(Mac Thornberry)下院議長はウォール・ストリート・ジャーナルにコラムを掲載、軍事費を削減しないでほしいと大統領に呼び掛けた。

「軍事費の削減は無分別な後退となるだろう」と2人は記した。

「国防総省は手をつけやすい領域で予算を削減することを余儀なくされる。兵員、新たな装備、訓練とメンテナンスなど、2013年の予算削減の時のように」

2019年度の軍事費7160億ドルは「現代史における、軍や兵士に対する最も重要な投資」トランプ大統領

トランプ大統領は軍事費を増額すべきか削減すべきか、決めかねているようだ。軍事費の増額は大統領選挙選において重要なものだったとCNNは伝えた

2019年度の軍事費7160億ドルに署名した際、トランプ大統領は「現代史における、軍や兵士に対する最も重要な投資」と述べた。

またワシントン・ポストによると、トランプ大統領はメキシコとの国境の壁の建設費として少なくとも50億ドルを議会が承認しなければ、政府機関を閉鎖すると脅した。

だが12月3日、トランプ大統領は以下のようにツイートした。

「私は確信している。この先どこかで、習近平主席と私、そしてロシアのプーチン大統領は大規模で制御不能な軍拡競争の様相を呈している事態に歯止めをかけるために話を始めるだろう。アメリカは今年、7160億ドルを費やした。クレイジーだ!」

ポリティコによると、7500億ドルという額はまだ非公式なもので、今週発表される見込み。

軍事費には国防総省と核兵器を管理するエネルギー省の予算が含まれているとポリティコは伝えた。

だが軍事費は依然として、予算管理法(Budget Control Act)が定めた支出上限の対象となっている。そのためこの増額は、議会が上限の引き上げに同意するまで実現されることはない。


[原文:Trump reportedly told the Pentagon to increase the defense budget to $750 billion after saying he would cut spending by 5%

(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)

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