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危機感が自動車産業を変える —— トヨタ「製販一体」戦略、自動運転実証の課題まで激論

JD Power Auto Summit

全国から100人超の自動産業関係者が集まりアワードセレモニーが行なわれた「J.D. Power Auto Summit」。

J.D. パワー ジャパンは2018年年末、同社の自動車関連の企画調査で各部門のナンバーワンとなったブランドを表彰する「J.D. Power Auto Summit」を開催。アワードセレモニーとあわせて”Mobility Disruptors(モビリティー・ディスラプターズ)”をテーマに、モータージャーナリストの桃田健史氏の講演やパネルディスカッションを実施した。

冒頭に開会の挨拶として登壇したJ.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 山本浩二氏は、

本社J.D. Powerが今年創立50周年を迎えた記念すべき年であるとともに、「自動車産業は大きな変革を迎えようとしている」と話した。

山本氏によれば、J.D. パワーはこの変革の機運を”Mobility Disruptors”と呼んでいるという。Disruptorsには「創造的破壊者」というような意味があり、これまでの手法や常識が通用しないどころか、旧態依然とした市場は破壊されまったく新しい市場が誕生するほどの変革期だと説明する。

山本社長

J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 山本浩二氏。

Mobility Disruptorsの兆候としては、自動運転の進化やインターネット接続を前提としたクルマ「コネクテッドカー」の登場、フォーミュラEなどの電気自動車のレースが例に挙がった。さらに今後は、レベル5のロボットタクシーなど「クルマを買わなくてもいいのかなという世界」(山本氏)が来るかもしれないという。一方で、Mobility Disruptorsによって自動車業界が衰退するとはとらえず、「チャンスを捉えた新たなビジネスの機会創設」と考えているとも語る。会場に集まった自動車産業の各企業とともに新しい市場にチャレンジしていきたいと語った。

自動車産業の「踊り場感」を打破するメーカーはどこか?

続いて特別講演として、モータージャーナリストの桃田健史氏が登壇。桃田氏はレーシングドライバーとしてインディ500やNASCARなどに参戦した経歴を持つ。

モータージャーナリストの桃田健史氏

モータージャーナリストの桃田健史氏。

自動車産業は100年に一度の変革期と言われるが、桃田氏はその現状を「踊り場と違和感」という言葉で表現した。新技術や取り組むべき社会の形が見え始めてきた一方、それを実現するための数々の困難な課題も見え、アクセルを踏む足をゆるめてしまう側面は確かにありそうだ。

一方で、自動車業界特有のメーカーと販売会社が別法人であるという「製販分離」という構造を変え始めた2019年の「トヨタ東京販売ホールディングス」設立の例にも言及し、課題の解決を推し進める業界の姿にも触れた。

■J.D. パワー Mobility Disruptors詳細はこちらから

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自動運転は実証過程で「予測しがたい事象が出てくる」

パネルディスカッション

パネルディスカッションの登壇メンバー。左から、竹岡圭氏、桃田健史氏、NTTドコモ 谷直樹氏、経済産業省 小林大和氏、J.D. パワー 木本卓氏。

講演の第2部は、コーディネーターにモータージャーナリストの竹岡圭氏、パネリストとして経済産業省 大臣官房参事官(自動車・産業競争力担当)の小林大和氏、NTTドコモ 執行役員 法人ビジネス本部 IoTビジネス部長の谷直樹氏、J.D. パワー ジャパン オートモーティブ部 執行役員の木本卓氏、そして桃田氏による、自動運転とコネクテッドカーについての討論が行われた。自動運転について、経産省の小林氏は「レベル4の社会実装は、サービスカーで先行するだろう。まずは廃線跡を利用するなど、限定的な走行環境・運用方法から入って行くのが現実的」「それでも、本当に事業性が出てくるには時間がかかる。長い目での開発競争が暫く続く」と、現実目線のコメント。

これに賛同したのはNTTドコモの谷氏だ。同社が九州大学伊都キャンパスでパートナーと実施した自動運転バス実証の経験から、「まだまだ予測しがたい事象が出てくる。実証実験段階にあると思う」と、技術面でのハードルがあるとした。一方、横浜のAI運行バス実証では、自動運転バスは利用していないが、AIを使ったバスの最適な配車、運行に関する実証実験を現在行っている。

NTTドコモが横浜で実施している「AI運行バス」の概要。

NTTドコモが横浜で実施している「AI運行バス」の概要。

J.D. パワーの木本氏はユーザー目線として「日本人は自動運転と聞いて7割方不安がある。逆に中国は7割くらいが信頼している」という調査結果を示した。自動運転に心配するポイントも「ほかの国では車両そのものを心配しているが、日本は誰が責任を取るか」に比重があるという。海外では自動運転の技術に対して、日本ではトラブル時の補償などについて不安視されているわけだ。

会場内でもアンケートを実施

「レベル5自動運手についていつ頃に実現するか」を一般ユーザーへの聞き取りに加え、会場内でもアンケートを実施。一般ユーザー、会場ともに「10年はかかる」という意見が多かった。

講演とパネルセッションに続き、2018年のアワードセレモニーが行なわれ、各調査、部門でNo.1となった受賞者にトロフィーが渡された。

本年はJ.D. Power創立50周年ということもあり「日本自動車トータルアワード」が新たに創設された。「日本自動車トータルアワード」はJ.D. パワーが実施している5つの自主企画調査結果をもとに、保有経験の全般を通して最高の顧客経験を提供しているブランドに与えられる賞。今年はラグジュリーブランドではレクサス、量販ブランドでは同率でトヨタとフォルクスワーゲンが受賞した。その他の各調査・部門の受賞メーカー、および車種は以下のとおり。

◆日本自動車トータルアワード

ラグジュリーブランド部門:レクサス、量販ブランド部門:トヨタ、フォルクスワーゲン

◆日本大型トラック顧客満足度調査:日野

◆日本小型トラック顧客満足度調査:日野

◆日本自動車セールス満足度(SSI)調査

量販ブランド部門:フォルクスワーゲン、ラグジュリーブランド部門:レクサス

◆日本自動車サービス満足度(CSI)調査

量販ブランド部門:フォルクスワーゲン、ラグジュリーブランド部門:レクサス

◆日本自動車初期品質調査(IQS)

軽自動車部門:ホンダ N-WGN、コンパクト部門: ダイハツ トール、ミッドサイズ部門:日産 リーフ、ミニバン部門:トヨタ ノア、量販ブランド部門:ダイハツ、ラグジュリーブランド部門:メルセデス・ベンツ

◆日本自動車商品魅力度調査(APEAL)

軽自動車部門:ホンダ N-BOX、コンパクト部門:トヨタ アクア、ミッドサイズ部門:ホンダ シビック、ミニバン部門:トヨタ アルファード

◆日本自動車耐久品質調査(VDS)

軽自動車部門:ホンダ N-ONE、コンパクト部門:トヨタ ヴィッツ、ミッドサイズ部門:トヨタ SAI、ミニバン部門:トヨタ エスクァイア

量販ブランド部門:トヨタ、ラグジュリーブランド部門:レクサス

◆日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 <自動車メーカー純正カテゴリー>

量販ブランド部門:トヨタ、ラグジュリーブランド部門:レクサス

◆日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 <市販カテゴリー>:アルパイン

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