メルカリは12月7日にブロガーイベントを実施。ゲストの勝間和代さんのトークセッションやメルカリにまつわる様々な知見が共有された。
出典:メルカリ
ついに累計流通額が1兆円(2013年7月〜2018年10月)を突破したフリマアプリの「メルカリ」。筆者も不要になった周辺機器などを売却し、その利益を次のガジェットの購入に充てるなど便利に使えている。
累計額もさることながら、メルカリの国内アプリダウンロード数は7500万、月間利用者数は1100万を超えている(いずれも2018年11月19日時点)。この巨大なデジタルフリーマーケットの基盤にはどんな人たちがどんな使い方をしているのか。
同社がプレスリリースで公表しているサービス動向や12月7日に実施したブロガー向けイベント「俺たちのメルカリブロガーズミートアップ」で紹介された最新サービスを確認してみよう。
「ヒビが入ったiPhoneでも売れる」は本当
メルカリで取引されているiPhoneの半分は「iPhone 6」と「iPhone 6s」。
出典:メルカリ
SNSなどでは「メルカリではどんなものだって売れる」というコメントを見たことはある。もちろん、偽ブランド品やポルノ関連、盗品、医薬品、現金、チケット、領収書などの販売は禁止されているが、禁止事項として品物の状態に関しての記述はない(スマートフォンに関してはアクティベーションロック、ネットワーク利用制限のかかった端末はNG)。
同イベントでは実際、メルカリでは多くの「ヒビが入ったiPhone」も出品されており、実際に購入されているという。購入するユーザーがiPhoneの部品目的なのか、それともヒビが入っていてもiPhoneが使いたいという方なのかわからないが、出品する側としてはいいこともある。それは、キャリアやアップルが提供する下取りプログラムより高値がつくことが多いという点だ。
メルカリでは、ヒビが入ったiPhoneが実際に取引されている。
出典:メルカリ
例えばiPhone Xでは、NTTドコモの下取りだと画面割れ品の場合、ストレージ容量に関わらず1万6500円となっている。一方で、メルカリで販売されている画面割れと明記されているiPhone X(256GB)の価格は送料込みで6万9000円程度。5万円以上もの差が出ており、そのまま下取りに出すのがもったいなく思える額だ。
また、メルカリではこういった中古スマートフォンの売買のトラブルやハードルを下げるため「あんしんスマホサポート」(1台1880円)というサービスを9月に発表。同サービスは、出品するスマートフォンの状態検査、データの消去、クリーニングなどを行なうもので、スマートフォンの扱いに不慣れな人でも安心して利用できる。
“売れやすい時間”は平日22時前後
筆者もそうだが自分のスキマ時間でなんとなく出品していないだろうか。メルカリいわく「売れやすい時間帯はある」。
出典:メルカリ
同社によると平日は17時から深夜までの時間が比較的売れやすい時間帯。とくに21時から23時台は取引量がかなり高まっているとのこと。
同社は具体的な取引量は公表していないが、このような傾向は一般的な生活スタイルから予測することも可能だ。
例えば、大半の人が寝ている深夜午前2時〜6時は最も取引量が少ない。ただし、午前1時でもゲームなど夜型の人が好みそうなアイテムは売れる傾向にある。ほかには平日12時は社会人向けのアイテムが狙い目。これはお昼休みの時間、仕事の合間にスマートフォンをチェックするユーザーが多いことからだ。
NTTドコモのキャリア決済「d払い」(電話料金合算払い時)の利用限度額の一覧。
出典:NTTドコモ
生活スタイルに沿ったメルカリの利用傾向という意味では、同社が「毎月1日の0時台は高い商品が売れることもある」と話す内容がおもしろい。
メルカリではNTTドコモの「d払い」、KDDIの「auかんたん決済」、ソフトバンクの「ソフトバンクまとめて支払い」に対応しており、月々の通信料金にメルカリの使用料を合算して支払える。その場合、月ごとの利用限度額が各サービスによって定められており。これがリセットされるのが毎月1日というわけだ。「利用限度額が解除されたし、何か買っちゃおう」という気持ちのユーザーが少なからずいるということかもしれない。
人気ブランドはユニクロ、ナイキ、アディダス、アップル
2018年にメルカリで最も取引されたブランドランキング。1位は「ユニクロ」。
出典:メルカリ
最後に、同社が公表している2018年に最も取引されているブランドを見てみよう。ランキングは「買われているブランド」「売られているブランド」に分かれているが、どちらもトップ4は、1位からユニクロ、ナイキ、アディダス、アップルと共通している。
5位以下もラルフローレンやシャネルなど高級ブランドからザラやジーユーなど比較的カジュアルなブランドも並んでいる。
割と幅広いブランド、状態のものが取引されているメルカリ。
出典:メルカリ
みんなの隠れ資産調査委員会とメルカリが10月に行った調査によると、日本全国の家庭に1年以上利用していない不要品の総額平均は28万1277円にものぼるという。
これは不要品のカテゴリー別の個数とメルカリでの各カテゴリーの平均取引単価を掛け合わせた金額のため、一概にすべての家庭に20万円を超える不要な物品があるとは言えないが、やや憂鬱に思える年末の大掃除がちょっとした“宝物探し”になる可能性を秘めているように思えてくる。
(文・小林優多郎)
(編集部より:4パラグラフ目の販売の禁止事項に関する説明を追加し、記事を更新しました。2018年12月11日18:15)