グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏。
AP
- 共和党議員は、グーグルが保守派メディアに対して偏向した姿勢を取っていると疑い、同社CEOのスンダー・ピチャイ氏を厳しく追求した。
- カリフォルニア州選出の民主党議員ゾーイ・ロフグレン氏は、ピチャイ氏に保守派メディアへの偏向が無いことを説明する機会を与えた。
- ロフグレン氏は、「ばか(idiot)」とグーグルで画像検索するとトランプ大統領の画像が出る理由について質問した。
- 「我々はどんな検索結果に対しても手動で介入していない」とピチャイ氏は語った。
グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏は12月11日(現地時間)、下院公聴会で証言。競合に対する優位性、中国での検閲、プライバシー問題等に関する質問の中で、共和党議員は共和党に対する偏向疑惑に焦点を当てた。
共和党議員は、グーグルの検索結果は偏向しており、同社で働く民主党支持者が民主党を支持するウェブサイトを共和党を支持するウェブサイトよりも検索結果をはじめとする同社サービスにおいて優先的に表示していると主張した。
民主党議員はこれに反論、カリフォルニア州選出のゾーイ・ロフグレン氏は、ピチャイ氏にグーグルの検索結果に偏向が無い理由を説明する機会を与えた。
彼女の質問はトランプ大統領に関するものだった。
「検索結果の操作 ── この話については、検索エンジンの仕組みを説明することが重要だと思う」とロフグレン氏。
「今、グーグルで『バカ(idiot)』と検索すると、画像検索の結果にはトランプ大統領の画像が出てくる。私もやってみた」
その通り。以下がシークレットモードでの検索結果。
Screenshot
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「なぜ、こんな結果になるのか? 検索エンジンはどのように機能し、こうしたことが起こるのか?」と彼女は質問した。
ピチャイ氏は以下のように答えた。
「我々が現在提供している検索サービスでは、ユーザーがあるキーワードを入力すると、膨大なウェブページにアクセスし、コピーをインデックスに登録する。そこからキーワードを検出、マッチさせ、関連性や情報の鮮度、人気、人々がキーワードをどのように使っているかなど200以上のシグナルに基づいてランク付けを行う。そして、こうした作業に基づき、我々はいかなる時もベストな結果を見つけ出そうと努めている。我々は検索結果を確実なものにするために、外部の評価者とともに評価を実施、彼らは客観的なガイドラインで評価を行っている。このようにして、我々は検索プロセスを確かなものにしている」
ロフグレン議員は続けた。
「つまり、誰かがこっそりと検索結果を操作しているわけではない ── 基本的にユーザーが生成しているものの寄せ集めであり、その情報から抽出しようとしたものということ」
「2017年、我々は3兆回以上の検索結果を表示した。事実、毎日グーグルで検索する人の15%は新規ユーザー」とピチャイ氏。
「つまり検索エンジンは大規模に機能している。我々が特定の検索結果に手動で介入することはない」
公聴会において、ラマー・スミス氏など複数の共和党議員は、グーグルの企業カルチャーには「政治的なバイアスがかかっていた」と述べた。
共和党議員のスティーブ・チャボット氏は、2017年に発表した医療保険制度改革撤廃に対する肯定的な記事を見つけるために、検索結果を3〜4ページ目まで見なければならなかったと語った。
「検索結果の下の方まで行かなければならなかった」とチャボット氏。
「グーグルの姿勢は分かった。『アルゴリズムがそうさせている』。だが私は信じない」
[原文:Google's CEO explains why a picture of Donald Trump comes up when you search for 'idiot']
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)