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- テスラはEV製造をサポートするためにARメガネを導入するようだ。同社の特許申請書類で明らかになった。
- 2016年には、テスラの工場ではグーグルグラスが使われていた。
ウォール街のアナリストによると、テスラ モデル3の構造は「極めてシンプル」、しかし、モデル3の製造にはそれでもまだ、数百万個のナットやボルト、溶接が必要だ。
こうした製造に関する問題 ── UBSが見つけた「精度の大幅なバラつき」のような問題 ── を減らすために、テスラの製造ラインにはEV製造をサポートする、グーグルグラスに似たARメガネが導入される可能性がある。同社が申請した特許書類で明らかになった。
12月はじめ、テスラは製造工程における人間とロボットの未来を予見するような、AR技術に関する2つの特許を申請した。
「スマートグラス」は、製造ラインの作業員にナットやボルトを締めたり、スポット溶接などをする場所を示す。また安全ゴーグルにもなる。
以下は申請書類に記載された図。
Tesla/USPTO
また、書類には特長として以下のように記されていた。
「ARデバイスは対象物、例えば、1つ、あるいは複数の自動車部品などのライブ映像を捉える。ARデバイスは、デバイスの位置と同様に、対象物の種類や位置を把握し、例えば、対象物を右フロントのショックタワーと特定する。
そして次にARデバイスは、対象物の機能に対応したデータ、例えば、機械的な接合方法、他のパーツとのインターフェース、電着塗装の厚みなどを対象物の上部に重ねて表示する。接合の例としては、スポット溶接、セルフピアスリベット、レーザー溶接、接着剤、シーラーなどがある。
使用者が動いた時には、それに応じて、ARデバイスから見た対象物の構図や表示されている関連データも一緒に動く。
EV情報サイト「エレクトレック(Electrek)」によると、テスラは以前、少なくとも2016年の時点では、法人向けのグーグル・グラス・エンタープライズを使っていた。だがいつまで使っていたかは不明。
工場でのロボット使用について、テスラの事情は複雑だ。
2018年4月、テスラCEOのイーロン・マスク氏は、カリフォルニア州フリーモントの同社工場は、自動化に依存し過ぎていたことを認めた。バーンスタインのアナリストが「我々は、テスラはモデル3の生産ラインの自動化に対して、野心的過ぎたと考えている」と批判した後のことだ。
だが今回、テスラは人間と機械のより調和のとれた関係を考えているようだ。
「コンピュータビジョンとARツールを製造工程に導入することによって、製造に関するスピードと効率、特に自動車の部品と自動車製造のスピードと効率を大幅に向上させることができる」と特許申請書は記した。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)