2019年はスペースイヤー! 宇宙関連のイベントがほぼ毎月

スペースXの「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」のイラスト。

スペースXの「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」のイラスト。

SpaceX

  • 2019年のカレンダーは、宇宙飛行、惑星科学、天文学関連の大きなイベントでいっぱい。
  • スペースXとボーイングは2019年、初めてNASAの宇宙飛行士を商業宇宙船に乗せて打ち上げる予定。
  • スペースXはまた、新しい宇宙船「スターシップ」のテスト打ち上げを行うとみられている。
  • さらに、人類はこれまでで最も地球から遠い天体に探査機を送る。また中国は同国として初めて、月の土壌サンプルを地球に持ち帰ろうとしている。
  • 流星群、皆既月食、日食、その他の天体イベントもまた、2019年を彩ってくれる。

2019年は宇宙関連のイベントに溢れた、特別な1年になるだろう。

2018年に大した進展がなかったと言いたいわけではない。スペースXから現在、世界で最も強力な打ち上げシステム「ファルコンヘビー(Falcon Heavy)」がデビューし、テスラのオープンカーを火星に向けて送り出した。また同社が軌道に打ち上げたロケットの数は1990年以来、最多となった。

また、いくつか例外はあったものの、NASA(アメリカ航空宇宙局)にとっても重要な1年になった。初めての商業宇宙飛行のクルーの発表、地球に似た惑星の探索の開始、太陽に「触れる」探査機の打ち上げ、そして探査機インサイトの火星着陸などがあった。

一方、中国は古い宇宙ステーションを落とし月の裏側に中継衛星を打ち上げた。

しかし、2019年はとてつもない1年となるだろう ── これは、NASAのジム・ブライデンスタイン長官が探査機インサイトの火星着陸を受けて発した言葉。

「今、NASAでは数多くのプロジェクトが進行している。こんなことはいつ以来か分からない」とブライデンスタイン長官はライブ配信中に述べた。

「停滞期を経て、突然、数々のプロジェクトが姿を表した」

2019年に予定されている、航空宇宙企業、政府宇宙機関、そして天体関連のビッグイベントを見てみよう。

1月1日 : NASAの探査機ニューホライズンズが小惑星「ウルティマ・トゥーレ」に接近、ウルティマ・トゥーレは探査機が到達した最も遠い天体となる。

1月1日 : NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」が天体「ウルティマ・トゥーレ」をフライバイする予定。ウルティマ・トゥーレは、人類が今まで目指した天体の中で最も地球から遠い。

NASA/JHUAPL/SwRI/Steve Gribben


1月3日 : 中国の探査機が世界で初めて月の裏側に着陸。

中国の探査機「嫦娥4号」の月面探査車の予想図。

中国の探査機「嫦娥4号」の月面探査車の予想図。

China Aerospace Science and Technology Corporation (CASC)

2018年12月7日に打ち上げられた中国の探査機「嫦娥(じょうが)4号」は、着陸船と月面探査車を月の裏側に送り込む予定。

1月3~4日 : しぶんぎ座流星群のピーク

1月3~4日 : しぶんぎ座流星群のピーク

Mike Lewinski


1月6日 : 部分日食

1月6日 : 部分日食

日食を横切る飛行機。

Shutterstock

アジア北東部、太平洋北部で観測可能。

1月17日 : スペースX、宇宙船「クルー・ドラゴン」を初めて打ち上げる。

スペースXの宇宙船「クルー・ドラゴン」

スペースX「クルー・ドラゴン」の予想図。「ドラゴン2」「ドラゴンV2」とも呼ばれる。

Kennedy Space Center/SpaceX via Flickr

スペースXは新しい宇宙船「クルー・ドラゴン(Crew Dragon)」のテスト打ち上げを行う予定。フロリダ州ケープカナベラルから宇宙船を軌道に送る。

クルー・ドラゴンは、2011年に退役したNASAのスペースシャトルをリプレースする宇宙船にもなる。最終目的は、宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に往還させること(そして、年々コストが高くなっているロシアの宇宙船「ソユーズ」を使わずに済むようにすること)。

クルー・ドラゴンにとって初飛行となる今回のフライトでは、ISSに自動でドッキングと切り離しを行う。宇宙飛行士は搭乗しない。目的は、2019年半ばに予定されている2人の宇宙飛行士を乗せたテストフライトに向けて、システムの安全性を証明すること。

1月20〜21日 : 皆既月食

1月20-21日 : 皆既月食

皆既月食(ブラッドムーンとも呼ばれる)のタイムラプス画像。

Tragoolchitr Jittasaiyapan/Shutterstock

北アメリカと南アメリカがこの天体イベントを観測するのに最適。

1月13日 : スペースIL、月探査機を打ち上げる。民間企業として初。

スペースILの月探査機「スパロー」。

スペースILの月探査機「スパロー」。

SpaceIL

スペースILは、イスラエルのビリオネアが資金援助している非営利団体。重さ1300ポンド(約590キログラム)の月探査機を開発した。同団体は賞金2000万ドルの月面探査コンテスト「グーグル・ルナーXプライズ」に参加する目的で設立された。だが、コンテストは2018年、勝者が出ないまま終了した

しかし、スペースILはその後も宇宙船の開発を進めた。スパローはスペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられる予定。

1月30日 : インド、チャンドラヤーン2号の打ち上げ。同国にとって2回目の月探査ミッション。

インド宇宙研究機関(ISRO)のロケット「GSLV Mk-III 」

インド宇宙研究機関(ISRO)のロケット「GSLV Mk-III 」。チャンドラヤーン2号のミッションに使用される予定。

ISRO


2月12日(と、2019年にさらに6回) : NASAの探査機「ジュノー」が木星の上空を通過。

NASAの探査機「ジュノー」の予想図。

NASAの探査機「ジュノー」の予想図。

NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin Gill


2月(日付未定) : 米衛星通信ベンチャーのワンウェブ、第1陣となる衛星10機を打ち上げる。地球を覆う衛星インターネット網を構築し、スペースXの計画と競合する。

地球を覆うワンウェブの衛星が世界中に高速インターネットを提供(イメージ図)。

地球を覆うワンウェブの衛星が世界中に高速インターネットを提供(イメージ図)。

Airbus


3月(日付未定) : ボーイング、宇宙船「CST‐100スターライナー」を初めて打ち上げる。

地球周回軌道を回るボーイングの宇宙船「CST‐100スターライナー」の予想図。

地球周回軌道を回るボーイングの宇宙船「CST‐100スターライナー」の予想図。

Boeing

スペースXと同様に、ボーイングもNASAのスペースシャトルをリプレースし、宇宙飛行士をISS(国際宇宙ステーション)への往還させる宇宙船を開発中。「CST‐100スターライナー(CST-100 Starliner)」の初ミッションも、無人でISSまで自律飛行する予定。

ボーイングは当初、より早い時点でのテストを考えていたが、テスト中にバルブの燃料漏れが発覚、NASAはスケジュールを数カ月後ろ倒しにした。

2019年前半(日付未定) : スペースX、ファルコン・ヘビーの2回目の打ち上げを実施する予定。

ファルコン・ヘビー、1回目の打ち上げ。2018年2月。

ファルコン・ヘビー、1回目の打ち上げ。2018年2月。

Thom Baur/Reuters

スペースXのファルコン・ヘビー(Falcon Heavy)は現在、稼動可能なロケットの中で最も強力。2018年2月の初打ち上げでは、イーロン・マスク所有の赤いテスラ「ロードスター」と宇宙飛行士のダミー人形を火星に向けて打ち上げた。

ファルコン・ヘビーの2回目の打ち上げ(また、初の商業ミッション)は「スペース・テスト・プログラム2(Space Test Program-2)」と呼ばれ、複数の軍事衛星を打ち上げる。また、NASAの実験的な宇宙空間原子時計(Deep Space Atomic Clock)も相乗りして打ち上げられる予定。

この時計の目的は、宇宙ミッションにおける時間計測に驚異的な精度をもたらすこと。通信とナビゲーションを改善する。

2019年第1四半期には、衛星「Arabsat 6A」の打ち上げも予定されている。

4月4日と9月1日 : NASAの15億ドルの探査機が太陽に接近

NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe:PSP)」の予想図。

NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe:PSP)」の予想図。

NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben


5月6~7日 : みずがめ座流星群のピーク

5月6~7日 : みずがめ座η流星群のピーク

2013年に撮影されたみずがめ座η流星群。

David Kingham on Flickr


6月17日 : スペースX、2人のNASAの宇宙飛行士を乗せて、「クルー・ドラゴン」を打ち上げる。同社初の有人フライト。

NASAの宇宙飛行士ダグ・ハーレー(Doug Hurley)とボブ・ベンケン(Bob Behnken)。

NASAの宇宙飛行士ダグ・ハーレー(Doug Hurley)とボブ・ベンケン(Bob Behnken)。

NASA; David J. Phillip/AP

前述のクルー・ドラゴンの無人ミッションが成功した場合、NASAはダグ・ハーレー(Doug Hurley)とボブ・ベンケン(Bob Behnken)の2人のベテラン宇宙飛行士を乗せて有人飛行を行う予定。2人はスペースXのクルー・ドラゴン初の乗員となる。

「初フライトはテストパイロットの夢。経験できるとは思ってもいなかったが、今回は実現しそう」とハーレー宇宙飛行士は2018年8月に語った。

6月(日付未定) : 中国、新型の有人宇宙船のテスト打ち上げ。

中国の次世代有人宇宙船(予想図)。

中国の次世代有人宇宙船(予想図)。

CNSA

民間企業や他国の宇宙機関が有人飛行を予定する中、中国も黙って見ていない。

中国は2019年半ばあたりに、次世代有人宇宙船(New Generation Manned Spacecraft)」と名付けた宇宙船のテスト打ち上げを予定している。

テストは無人で行われるが、いずれは4〜6人の宇宙飛行士が搭乗する予定。

7月2日 : 皆既日食

7月2日 : 皆既日食

Reuters

夏、月が太陽を完全に覆い、皆既日食が起こる。観測するためには、南半球にいる必要があるが。

7月16日 : 部分月食

エジプト、カイロで撮影された部分月食。2018年7月27日。

エジプト、カイロで撮影された部分月食。2018年7月27日。

REUTERS/Amr Abdallah Dalsh

主にアフリカおよび西アジアで観測可能。

8月12〜13日 : ペルセウス座流星群のピーク

8月12-13日 : ペルセウス座流星群のピーク

ペルセウス座流星群。

Andrés Nieto Porras/Flickr (CC BY-SA 2.0)


11月11日 : 水星の太陽面通過

11月11日 : 水星の太陽面通過

NASA


2019年後半 : 中国、月のサンプルを持ち帰るミッションを予定。

2019年後半 : 中国は、地球にサンプルを持ち帰ることができるミッションを月面に向けて打ち上げるつもりでいる。

月の裏側のイメージ画像。

NASA's Scientific Visualization Studio

嫦娥5号は、中国にとって最も野心的なミッションになる。

中国が月面に送り込む探査機は、月の土を5ポンド(約2.3キログラム)近くを掘り起こし、地球に持ち帰る予定。

成功すれば、中国は月のサンプルを初めて入手することになる。

2019年後半 : スペースX、新しい宇宙船「スターシップ」のテスト打ち上げを予定。

スペースXの新しい宇宙船「スターシップ」の予想図。

スペースXの新しい宇宙船「スターシップ」の予想図。

SpaceX


12月13~14日 : ふたご座流星群のピーク

ふたご座流星群

NASA


12月26日 : 金環日食

日本の太陽観測衛星「ひので」が観測した金環日食。

日本の太陽観測衛星「ひので」が観測した金環日食。2012年5月20日。

JAXA/NASA/Hinode via Getty Images

ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、アフリカの一部地域、そしてインド洋および太平洋の一部で観測可能


[原文:2019 will be an extraordinary year in space. Here's what NASA, SpaceX, and the night sky have in store for planet Earth.

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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