働きながら副業としてモデル活動をする女性向けのスマートフォンアプリ「週末モデル」を運営するMONOKROM(モノクローム)が、2013年の設立以来初めて資金を外部の個人投資家から調達した。
MONOKROMの創業者・筒井真人氏(左)と「週末モデル」広報部長の下田奈奈氏(右)。
MONOKROM
MONOKROM(本社・渋谷区)は、ビズリーチの立ち上げに携わった河合聡一郎氏や、戦略系コンサルティングファームのマッキンゼーでパートナーを務めた淡輪敬三氏を含む投資家らから、総額約8000万円を調達。資金は「週末モデル」事業の拡大に充てる。
「週末モデル」は、副業・兼業でモデル活動をする女性ユーザーと企業とをつなぐマッチングサービス。MONOKROMは設立から6年にわたり、テレビCMやウェブ動画などの広告制作で事業を伸ばしてきたが、2017年12月にこの新規事業をスタートさせた。
現在、約1000人の女性モデルと250の企業が「週末モデル」に登録しているという。登録者は20代後半から30代が多く、10代や50代の女性もいる。彼女たちの本職も介護福祉士や看護師、栄養士、化粧品会社やIT企業勤務とさまざまだ。
副業としてモデル活動したいユーザーはアプリ上で希望の仕事を検索、応募することができ、企業側はふさわしいと思われる応募者に対して仕事のオファーをすることが可能だ。双方の必要な連絡は、アプリ内のチャット機能を使う。
身近でリアルなモデルの存在
東京・表参道にあるMONOKROMのオフィス。
MONOKROM
MONOKROM創業者の筒井真人氏(39)はウェブ広告が増えていく中で、低コストで引き受けられるモデルに対する需要は、増加傾向にあると話す。「読者モデルやインフルエンサーの活躍の場が増える一方で、モデルの存在はこれからもっと『身近でリアル』なものになりつつある」と述べる。
表参道にあるMONOKROMのオフィスには、約20人のスタッフが働いている。その中で、「週末モデル」事業部の広報部長を務めるのは、小学校4年生の頃からタレント活動を続けてきた26歳の下田奈奈氏。高校卒業まで、10代向けの雑誌モデルや、子ども向けのテレビ番組のMCを続けた後、明治大学に通いながらアパレルブランドのモデルや、日本テレビの情報番組でレポーターの仕事をこなしてきた。
「以前から、副業でモデルの仕事ができる支援サービスがあれば良いのにと、思うことがありました。モデルという職業に興味を持つ多くの女性に、『週末モデル』を使ってもらえればと思っています」と下田氏。
社員に副業を認める国内企業が増え、働き方は多様化してきている。モデルという業界にも今後、新たな働き方で活躍する人材が増えてきそうだ。
(文・佐藤茂)