厨房の下働きは、クルーズ船で最も過酷な仕事。
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- 厨房の下働きはクルーズ船で最も過酷な仕事と、海事法弁護士のマイケル・ギルフォード氏はBusiness Insiderに語った。
- 厨房の下書きスタッフは厨房の数多くの仕事をこなさなければならない。時には重いゴミを運んだり、適切なプロテクターを付けずに火傷するほど熱い湯と危険な合成洗剤を使って調理器具を洗浄する。
- 合成洗剤が目に入って視力を失ったり、手の肌が焼け落ちた従業員が相談にやって来ることもあるとギルフォード氏は述べた。
- クルーズ業界の事業者団体、クルーズライン国際協会の担当者は、加盟各社はすべて、国際海事機関と国際労働機関の規則に従わなければならないと語った。
豪華なクルーズ船には難しい仕事が数多くあるが、最も厳しく、最も体力を求められる仕事は1日に最大14時間働き、給与は月700ドル(約7万7000円)に満たない。
その仕事は厨房の下働きスタッフだと、海事法弁護士のマイケル・ギルフォード氏はBusiness Insiderに語った。
厨房の下書きスタッフは、厨房の数多くの仕事をこなさなければならない。時には重いゴミを運んだり、適切なプロテクターを付けずに火傷するほど熱い湯と危険な合成洗剤を使って調理器具を洗浄する。
合成洗剤が目に入って視力を失ったり、手の肌が焼け落ちた従業員が相談にやって来ることもあるとギルフォード氏は述べた。
「家庭用の普通の洗剤ではない。業務用の薬剤」
厨房の下働きスタッフはしばしば1日12〜14時間、土日も休まず働き、収入はわずか月500〜700ドル。予定通りに休みを取ることができなかったにもかかわらず、後で上司から休憩を取ったかのようにタイムカードを変更するよう求められたケースもある。ギルフォード氏はタイムカードの改ざんはクライアントからよく聞く問題と述べた。
「クルーズ船で行われている賃金の不正は信じ難い」
厨房の下働きスタッフの仕事はクルーズ船で一番過酷だが、ウエイターや客室を清掃する客室係もまた過酷な仕事とギルフォード氏は語った。
ウエイターは重いトレーを運んで背中や肩を痛め、客室係は大急ぎで客室を清掃しなければならない。特に乗客の乗船前後には、わずか3時間で20室もの部屋を清掃することもある。
ギルフォード氏によると、ウエイターや客室係の収入は月1200〜1500ドル。ウエイターは1日10〜12時間働き、客室係は24時間体制で待機しているにもかかわらず。
「労働条件はとても厳しい」とギルフォード氏。
クルーズ業界の事業者団体、クルーズライン国際協会(CILA:Cruise Lines International Association)の担当者は、すべての加盟各社は国際海事機関と国際労働機関の定めに従わなければならないとBusiness Insiderに語った。
「クルーズ業界は、継続した研修、昇進、世界中への旅行の機会を提供することによって、質の高い労働環境を従業員に提供するよう努めている」
「クルーズ業界は国際海事労働条約を全面的にサポートしている。これは『船員の権利章典』としても知られており、乗組員の労働時間と休息時間、健康と安全、生活環境に関する国際基準で、クルーズ船がこれを遵守することを政府に求めている」
CILAには、カーニバル・クルーズ・ライン、ノルウェージャン・クルーズ・ライン、ロイヤル・カリビアン・クルーズなどが加盟している。
[原文:A lawyer who represents cruise ship workers reveals the hardest job on a cruise ship]
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)