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メルカリ、イギリスから撤退。手数料徴収前のテスト段階で——アメリカとメルペイに注力

メルカリ

グローバル市場での拡大を狙うメルカリだが、欧州市場からは撤退を決めた。写真は2018年6月19日の上場時。

REUTERS/Kim Kyung-Hoon

フリマアプリのメルカリは12月18日、イギリス市場から撤退することを発表した。

イギリス市場は、日本、アメリカに続く第三の市場として拡大を模索してきたが、「詳細の判断基準については開示していないが、期待する水準の事業確立に至らなかった」と、メルカリは撤退の理由を説明した。

Business Insider Japanの取材に対し、「アメリカでの事業拡大および、(金融事業の)メルペイ事業に今後はリソースを注力していくという経営判断をした」と述べた。

ただし「今後もタイミングをみて、引き続き欧州市場への進出を検討していきたい」と、将来的な再進出の可能性については含みを残した。

2015年、2016年と続けてイギリス・ロンドンで設立したフリマアプリの企画・開発・運営を行う子会社「Mercari Europe Limited」および、ペイメント事業を行う子会社「Merpay Limited」はいずれも解散し精算することを、同日の取締役会で決議した。いずれも、CEOは外務省出身の伊藤錬氏が務めていた。

2018年6月期のイギリス事業の売上高は3000ポンド(約43万円)で、Mercari Europe Limitedの最終赤字は730万8000ポンド(10億3921万円)だった。メルカリの連結決算には、撤退費用などで2億円の特別損失を計上する見込み。

手数料10%の徴収も至らず

売上高が極度に小さいのは、イギリスではフリマアプリの提供の際の手数料10%をまだ徴収しない「テスト段階だったため」(メルカリ広報)という。売り上げの内訳は、買い取りサービスで一部、仕入れた商品を販売したものという。

2013年2月創業のメルカリは、日本ではメガベンチャーに成長。積極的に外国人の採用も進め、アメリカはじめグローバル市場での拡大を掲げてきた。アメリカには2014年9月に進出し、当初はやはり手数料無料で市場動向を探り、2016年10月から有料化に踏み切っている。

2019年第1四半期時点で、日本の月間アクティブユーザー数は1133万人。アメリカでの同ユーザー数は非開示としている。2018年6月期決算では、アメリカ事業への投資負担で最終損益が70億円の赤字となった。その一方で、アメリカでの事業成長スピードが、日本市場に比べて遅いことなどが指摘されている。

(文・滝川麻衣子)

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