「週1日出社」で結果を出すために必要な3つのこと

12月1日から週に1回金曜日だけ出社にして、3週間が経ちました。出社日数を週5日から1日に減らすと会社の動きが分からなくなるのでは?と少し心配していましたが、ほぼ杞憂に終わりました。

プールサイドでパソコンを開く女性

将来的にはこんな「ワーケーション」も可能かもしれない(写真はイメージです)。

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うまくいっているポイントは、1.クラウドの使い方2.チャットと使い方3.会議の方法です。働き方の多様化、特にテレワーク拡大の参考になるのではと考え、3つのポイントをシェアします。

1.クラウドでのファイル共有は必須条件

仕事をしていると、何らかのファイルを使いたくなる場面があります。以前は、自分のPCのドライブに必要なファイルを保管しておけばよかったのですが、現在はセキュリティ対応で制限されるようになりました。必要なファイルを見られないとストレスを感じます。オフィス内であろうと外であろうと、ストレスを感じずに仕事ができるのは必須条件です。

かつては、ファイルを自社内の共有ファイルサーバに保存していました。オフィス内で仕事をする場合は問題ないのですが、オフィス外でのアクセスに制限がありました。外で仕事をする場合は、社内の誰かに、必要なファイルを暗号化してメールに添付して送ってもらっていました。これでは依頼する方もされる方も不便です。

パソコンのキーボードを打つ手

オフィス外でストレスなく仕事を進めるためにはクラウドでのファイル共有は必須。

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しかし現在は、オフィスの内外にかかわらず、同じセキュリティレベルで必要なファイルにアクセスできるので、いつでも職場と同じ状況で仕事ができ、ストレスフリーです。私の会社では、大半のファイルをSharePointで共有しているので、職場の外でもファイルへのアクセスが簡単にできます。

ただし、ファイルの情報はある意味ストック情報。現場は常に動いています。その動いている情報をどうやって把握できるのかも、テレワークを始める段階では心配でした。

しかし、フロー情報はチャットツールと情報をオープンするという思想とルールがあれば、ほぼ問題ありませんでした。

2.チャットツールでフロー情報は共有できる

現在、社内でのコミュニケーションにメールはほぼ使っていません。その代わりに活用しているのがSlackです。

Slackの画面の写ったスマートフォン

Slackを使えば自宅やオフィス外にいながら空き時間に職場の動きが把握ができる。

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SlackにはChannelといういわゆる掲示板でのチャット機能とダイレクトメッセージ機能があります。Channelは部署ごと、階層ごとに整備し、加えて全社横断で重要なプロジェクトや大きな商談ごとにChannelを整備しています。基本、誰でも、すべてのChannelを閲覧可能にしています。能動的に自分から情報を取りに行くメンバーは、どのような情報であっても入手できるようになっています。

一方で原則、情報がクローズになりがちな複数人でのダイレクトメッセージを禁止しています。 結果、大半のフロー情報はSlackのChannel上でやり取りされており、Channelを閲覧すれば、現在進行形でフロー情報が分かるようになっているのです。

例えば、各営業案件やプロジェクトの進捗状況だけでなく、各組織のコミュニケーションもフロー情報として把握することができるのです。

結果、私は自宅やオフィス外にいながら空き時間に簡単に職場の動きが把握ができています。こちらもほぼストレスフリーです。

そして最後に残った課題が会議でした。会議は単純にテレビ会議としてリモート参加すればよいというような話ではありません。そこで威力を発揮したのが、「事前審議」という会議の仕組みでした。

3.「事前審議」という会議の仕組み

パソコンや資料を開いて会議をする人たち

会議のルールを整備し、効率的に進めるだけで、約10%の労働時間削減に成功。

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私は以前の職場で15年ほど会議の改革に取り組み、生産性を向上してきました。ある子会社を担当している時には、会議のルールを整備したことで、約10%労働時間を削減しました。

一般的に会議を効率的に進めるためには5つのステップがあります。

まず会議当日の改善点は2つ。

  1. アジェンダごとに目的を明確にする。議論、決議、共有などに分類するということですね。
  2. アジェンダごとの想定時間を明確にしておくこと。

より大事なのは、会議前の2つの工夫です。

  1. 会議参加者に、事前にアジェンダの内容と時間を伝えておくこと。
  2. 参加者に会議資料を事前に共有しておき、目を通しておいてもらうこと。事前に資料を参加者に共有するためには、起案者側も今までの仕事の仕方を変える必要があるので、少し手間がかかります。

上述の労働時間10%削減は、ここまでのステップで実現できました。会議時間ではなく、労働時間の10%削減なので、大きな成果ですね。

オフィスで談笑する人たち

2日前にアジェンダと資料を共有し、前日までに事前審議を行えば、当日はとても効率的に会議を進められる。

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さらに重要なのが、最後のステップです。会議参加者に、事前に共有した資料に目を通してもらった上で、それに対して「賛成」「反対」を表明してもらうという「事前審議」です。「賛成」「反対」ができない場合(それは資料に必要な情報が記載されていないケースが大半なのですが)、その場合は「質問」や「意見」を表明してもらいます。これらの事前審議のやりとりを、社内イントラネット上で全従業員が見えるようにするのです。

この事前審議にはさまざまな副産物があります。参加者全員が「賛成」あるいは「反対」であれば、会議当日に議論する必要がありません。確認だけすれば良いので、会議時間の大幅な削減ができます。

また事前に会議参加者からの質問や意見が分かるので、起案者は事前に準備ができます。つまり会議当日にはその準備をした上でコミュニケーションができ、会議のレベルが上がります。会議当日に起案者からのプレゼン時間も削減でき、大幅に会議の生産性が向上するのです。

私たちが金曜日に実施している経営戦略会議に、この事前審議の仕組みを導入しました。水曜日中にアジェンダと資料がSharePointにアップされ、木曜日に事前審議をすれば経営戦略会議はとても効率的に会議を進められます。

これは、テレワーク用に準備したものではありません。経営会議という会社で一番重要な会議の生産性を向上するために実施したのですが、結果的に副産物として、私のように金曜日以外テレワークをしている参加者にとっても仕事がしやすいのです。事前に資料を見て、参加者と意見を共有できます。

クラウド、チャットシステム、そして会議をレベルアップすると、より多様な仕事の仕方を選択できます。もし、もっと良い方法をご存知の方がいれば、ぜひ情報交換させてください。


中尾隆一郎:株式会社FIXER取締役副社長。大阪大学大学院工学研究科修了。リクルート入社。リクルート住まいカンパニー執行役員(事業開発担当)、リクルートテクノロジーズ社長、リクルートワークス研究所副所長などを経て、現職。株式会社「旅工房」社外取締役も兼任。

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