労働者が足りない! アメリカで巻き起こる「ブルーカラーの波」 —— だが長続きはしない

建設現場

Drew Angerer/Getty

  • アメリカでは、企業はホワイトカラーよりブルーカラーの労働者を見つけるのに苦労している。
  • ブルーカラーの労働者不足は、彼らの賃金を押し上げ続けるだろう。
  • しかしエコノミストたちは、こうした厳しい労働市場の状況が、コスト削減と肉体労働への需要を減らしたい企業側のオートメーション(自動化)へのシフトを加速させるだろうと見ている。

アメリカでは長年続いたトレンドが逆転し、企業はホワイトカラーよりブルーカラーの労働者を見つけるのに苦労している。

失業率がここ数十年で最も低い水準を維持する中、アメリカではさまざまな業界で労働者が不足している。中でも肉体労働を必要とする業界では労働者不足が特に深刻で、人口動向や教育動向の大きな変化にも直面している。

2018年に入って、輸送業、製造業、建設業、鉱業は他の業界に比べ、採用が2倍ほど速いと、ウェルズ・ファーゴは調査レポート「Riding the Blue-Collar Wave」の中で指摘している。ニューヨークに拠点を置くビジネス調査グループ「Conference Board」の最新レポートによると、労働者不足はこれらの業界で賃金を押し上げ続けると見られている。

チャート

ブルーカラーの労働者の雇用の変化(前年比)。

Wells Fargo

「場合によっては、企業は十分なブルーカラーの労働者を引きつけるため、賃金を上げ続けなければならない。その結果、利益が減る可能性がある」と、Conference Boardのチーフ・エコノミストでこのレポートの筆頭著者のギャド・レバノン(Gad Levanon)氏は言う。

ただ、エコノミストたちはブルーカラーの求人需要の高まりは、自らの首を絞める結果になるだろうと見ている。労働力が思うように確保できず、賃金アップに対するプレッシャーが高まれば、企業はコスト削減のため、いずれロボットやオートメーション(自動化)の導入に舵を切る可能性があるからだ。

「こうした動きは、伝統的なブルーカラーの仕事への需要を相対的に低下させる一方で、コンピューティングやその他の技術的なスキルを持つ、より経験豊かな労働者に対する需要を高めるだろう」と、インディアナ州にあるボール州立大学の労働経済学者、マイケル・ヒックス(Michael Hicks)氏は言う。

ヒックス氏は、こうした状況は特に製造業と建設業で最初に顕著になるだろうと指摘する。

「ブルーカラーの仕事はなくなるわけではないが、大きく変わろうとしている」と同氏は言う。「高校卒業資格しか持っていない人々の未来は暗い」

[原文:There's a 'blue-collar wave' taking place in America — but it may not last]

(翻訳、編集:山口佳美)

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