ストレスから自分を守ろう。
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- ToDoリスト(やることリスト)に書いた項目を消化するには、思うより時間がかかるものだ。
- 1つの1つのタスク完了にかかる時間を計算するときは、想定の3倍はかかると見ておいた方がいい。
- これはリーダーシップの専門家グレッグ・マキューン氏が、ニューヨーク・タイムズで強調したことだ。
- 大半の人が「計画倒れ」に終わるのはそのせいだ。
今の仕事を始めてから数年。わたしは記事を書き終えるのにどのくらい時間がかかるのか、いまだに見通しがうまく立てられない。
運良く直感が当たって、思ったより早く仕事を終えられることもある。でも、大抵は予想を大きく超えてしまう。
ただ、計画通りに物事が進まないと頭を悩ませているのはわたしだけではないはず。そして、ニューヨーク・タイムズの「Smarter Living」というシリーズで最近紹介されたアドバイスに感激するのも、わたしだけではないはずだ。
同紙が紹介したのは、リーダーシップ・コンサルタントで『エッセンシャル思考:最少の時間で成果を最大にする(原題:Essentialism)』の著者でもあるグレッグ・マキューン(Greg McKeown)氏からのアドバイスで、何かを完成させるのにどのくらい時間がかかるか計算するときは、自分の想定した時間に3をかけようというものだ。これはできるだけ現実的になることで、ストレスや自己嫌悪から自分自身を守ろうというアイデアだ。
マキューン氏のアドバイスは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの元パートナーで『最高の自分を引き出す 脳が喜ぶ仕事術(原題:How to Have a Good Day)』の著者キャロライン・ウェッブ(Caroline Webb)氏の洞察を思い起こさせる。Peak Work Performance Summitでの心理学者ロン・フリードマン(Ron Friedman)氏によるインタビューで、ウェッブ氏はプロジェクトを終わらせるのにどのくらいの時間が必要か計算するときは、想定の倍の時間を見込んで、さらに多少のバッファーを設けることを勧めた。
わたしたちは「全てがうまくいったときの、1つの輝かしい事例」を想像し、それをもとに特定のタスクをこなすのにかかる時間を計算しがちだということにウェッブ氏は気付いたのだ。「計画倒れ」はこうして起こる。
心理学者のダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)氏は、人間は一般的に自分は周りよりも能力が高いと考えて、例えばプロジェクトの報告書を書くのに大半の人が1日かかっていても、自分は半日で終えられると考えたりするものだと、書いている。
マキューン氏かウェッブ氏のアドバイスを取り入れると、タスクをきちんと完了させられるだけのリソースがないことに気付かされるかもしれない。でも、それでいい。マキューン氏は「事前に時間を取って、しっかり考えよう」と言う。それからプロジェクトを進めるかどうか決めよう、と。
マキューン氏は語った。「これこそが健全な生き方だ」
(翻訳、編集:山口佳美)