【最新写真】東京五輪まであと1年半。臨海部を歩いて分かった「2018年の激変」

2020年7月に開催される東京五輪まで残り1年半。ほぼ半年前の2018年7月、報道陣に公開された競技会場や選手村の工事の進捗率は20〜40%程度だったが、あれからどれくらい進んだのか。

「コンパクトな五輪」をコンセプトに、競技会場などの8割超を東京都心部に集中させる計画を打ち出したため、新規の建設工事は江東区と江戸川区の臨海部、新宿区霞ヶ丘のオリンピックスタジアム(新国立競技場)がほとんどを占める。

2018年に大きな変化を遂げたこのエリアの姿を、最新(2018年12月16日)の取材写真を使ってお伝えしよう。なお、カッコ内の金額は、東京都が2017年11月24日に東京都議会で示された整備費を示す。

有明テニスの森①[有明コロシアム](110億円)

有明コロシアム

竣工から30年近く経過し、老朽化した設備を全面改修中。2019年7月には完了予定だったが、敷地内にある屋外コートの改修を行っていた工事業者(エム・テック)が2018年10月に民事再生法の適用申請を経て破たん。計画通りの工事完了が危ぶまれている。上の写真は改修中の有明コロシアム。

有明テニスの森②[ショーコート]

有明テニスの森

東京五輪の開催に合わせ、有明コロシアムと同じ敷地で、恒久施設としてショーコートの建設が進む。奥に見えるクレーンは、同じ敷地内に新設されるインドアコートとクラブハウスの工事。左奥のドーム型の建物は、りんかい線「有明テニスの森」駅。

シティタワーズ東京ベイ①[トリプルタワー]

シティタワーズ東京ベイ

住友不動産が国家戦略特区認定事業として再開発を進める有明北地区。東京五輪をきっかけに国際観光、ビジネストラベル(MICE)の拠点とする計画がある。トリプルタワーマンション(1539戸)は2019年10月中旬完成予定、販売価格は4590万円〜1億3990万円。

シティタワーズ東京ベイ②[複合商業施設]

シティタワーズ東京ベイ 商業施設

トリプルタワーの隣接地では、約800室のホテル、約8000人収容のイベントホール、約170のテナントが入る大型ショッピングセンター(イオンモール)から成る複合商業施設の建設が進む。2020年完成予定。写真はホテルとタワーマンションの接続部分。

有明体操競技場(253億円)

有明体操競技場

体操とボッチャの会場となる有明体操競技場。客席数は1万2000席。2018年11月にカラマツなどの国産木材をつなぎ合わせた大屋根がつり上げられたばかりで、完成予定は2019年10月。屋根のサイズは90メートル×120メートルで、大相撲の両国国技館より大きいものになる。竣工予定まで残り1年をきり、日曜日も工事が続けられている。

有明アリーナ(357億円)

有明アリーナ

バレーボールと車いすバスケットボールの会場となる有明アリーナ。客席数は1万5000席。2019年12月完成予定。ただし、2018年11月、インドネシアで違法伐採された木材が使用されているとの通報が環境保護団体から寄せられ、東京都が調査中。他にも、20億円近い整備費の増額など、良くも悪くも話題が尽きない。

有明アーバンスポーツパーク(約15億円)

有明アーバンスポーツパーク

有明アリーナの西側に広がる広大な空き地には、自転車競技(BMX)とスケートボードの会場となる有明アーバンスポーツパークが建設される。2019年3月着工予定で、現在はほぼ手つかずの更地。スポーツブランド「アンダーアーマー」を運営するドームの有明ヘッドクォーター(本社)も、この敷地の南側に隣接する。正面奥に見えるのが豊洲市場。整備費は15億円程度とされるが、12月24日時点では正式な資料が公開されていない。

豊洲新市場

豊洲新市場

紆余曲折あった豊洲市場だが、2018年10月11日に予定より2年遅れで開場。東京五輪開催には何とか間に合った。週末平日を問わず、場内の飲食店や物販店は訪日外国人を中心にかなりの混雑を見せている。市場の屋上に設けられた緑地からは、競技会場が集中する東京臨海部の現在の姿を360度見渡すことができる。ちなみに、旧築地市場の跡地は東京五輪の輸送拠点として活用される。

豊洲六丁目清水建設プロジェクト

豊洲六丁目清水建設プロジェクト

豊洲市場前、晴海大橋をわたる前に広がるこの空き地では、清水建設がホテルとオフィスを建設する計画。2019年3月に着工し、東京五輪後の2021年3月末に竣工予定。晴海・豊洲・有明は競技会場が集中するエリアだが、五輪後も東京の生活や文化の新たな拠点になると見られ、さまざまな開発計画が進められている。

選手村「HARUMI FLAG」①(540億円)

選手村「HARUMI FLAG」

東京都と建設会社11社が共同で建設している選手村は、2018年10月末に「HARUMI FLAG(ハルミ・フラッグ)」と命名された。24棟5632戸の分譲・賃貸住宅に加え、保育施設や介護住宅、三井不動産の商業施設を整備する。写真は長谷工コーポレーションが建設中の街区。竣工予定は2019年12月。東京臨海部でいま最も数多くのクレーンが立ち並ぶホットなエリアとなっている。

選手村「HARUMI FLAG」②

選手村「HARUMI FLAG」

晴海五丁目西地区は、東京五輪では「一時的に」選手村として利用されるものの、最終的には人口約1万2000人を受け入れる再開発事業と位置づけられている。東京都の負担する総事業費は540億円で、選手村としても使用される住戸の整備費は、三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンスら11の「特定建築者」が別途負担する。

夢の島公園アーチェリー会場(14億円)

夢の島公園アーチェリー会場

2019年3月末完成予定のアーチェリー会場。建物は休憩用の屋根付き棟と倉庫のみで、造園(整地)が中心の工事。写真はいかにも更地で完成が遠そうに見えるが、左手の屋根付き棟はほぼ完成、整地も済んでいる。本事業に伴い、夢の島公園全体の改修工事が行われている。

オリンピックアクアティクスセンター(567億円)

オリンピックアクアティクスセンター

予算と同様、見かけも巨大なアクアティクスセンター。水泳競技の会場となる。座席数は1万5000席。屋根の重さは6000トン、大きさは160メートル×130メートルで、先述の有明体操競技場の2倍ほどにもなる。ぜひ現地でその巨大さを体感してほしい。ちなみに、エジプトにある世界遺産・ギザの大ピラミッドの底辺は約230メートルだ。

新国立競技場①(1590億円)

新国立競技場 オリンピックスタジアム

東京五輪メイン会場(オリンピックスタジアム)。豊洲市場と同じように紆余曲折があったものの、2019年11月末に予定通り完工する見通しだ。開・閉会式のほか、陸上競技やサッカーが行われる。完成時の客席数は6万席(増設可能な設計)。事業費は工事と設計・監理で1590億円。東京都が395億円、国が791億円を負担し、残りはtoto(スポーツ振興くじ)財源でまかなう。

新国立競技場②

新国立競技場 オリンピックスタジアム

Shutterstock.com

日本スポーツ振興センター(JSC)は2018年12月の事業報告で、新国立競技場の事業費について、当初の1590億円から44億円の費用削減に成功したと発表しているが、一方で、790億円程度の資金不足を借り入れでまかなうとの報道(NHKニュース、2018年10月5日)もあり、不安材料は尽きない。写真は2018年11月23日に六本木ヒルズから撮影された遠景。

(文・写真:川村力)

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