デ・ニーロは、トランプ大統領に批判的なことで知られる。
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- 俳優のロバート・デ・ニーロはガーディアンのインタビューで、トランプ大統領を「本物の人種差別主義者」で「白人至上主義者」だと語った。
- 公の場であまりコメントしないデ・ニーロだが、トランプ大統領については声高に批判してきた。
- 2018年10月には、デ・ニーロもトランプ大統領の熱狂的な支持者から爆発物を送り付けられた1人だ。
- トランプ大統領を侮辱していると批判されるデ・ニーロだが、ガーディアンのインタビューで、民主党は「もっと攻撃的」になる必要があると語った。
「詐欺師」「強欲」「自慢屋」「バカ」 —— これらは全て、トランプ大統領を説明するのにロバート・デ・ニーロが使った言葉だ。
ガーディアンの最近のインタビューで、デ・ニーロは大統領を「本物の人種差別主義者」で「白人至上主義者」だと呼び、改めてトランプ大統領を強く批判した。
「トランプのような人間が大統領になったとき、"OK、彼が何をするのか見てみよう"とわたしは思った —— もしかしたら、彼も変わるかもしれない、と。でも、彼はもっと悪くなるだけだった」と、デ・ニーロは語った。「(その行動は)彼が本物の人種差別主義者であることを示した。ニューヨーカーの1人として、彼もその多様性を理解しているかもしれないと思ったが、思っていた通り、いや、それ以上に彼はダメだ」
2018年10月、デ・ニーロはトランプ大統領の熱狂的な支持者から爆発物を送り付けられた1人だ。爆発物はデ・ニーロの元に届く前に回収され、送り主は後に逮捕された。
デ・ニーロの今回の発言は、これまでで最も厳しく大統領を非難したものだ。2016年の大統領選の前には、デ・ニーロはトランプ氏を「国全体に及ぶ災難」で「この国にとっての恥」と呼んだ動画を公開していた。
「彼の顔を殴ってやりたい」と、デ・ニーロは言った。
これに対し、トランプ氏はデ・ニーロを「頭を殴られ過ぎた」せいで「頭の悪い人物」と呼んだ。
デ・ニーロはガーディアンのインタビューで、トランプの役だけは絶対にやらないと語った。
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今回のインタビューで、デ・ニーロは自身の子どもたちがトランプ政権下で育つことを恐れていると語った。
「わたしの子どもの1人はゲイで、彼は自分がどういう扱いを受けることになるのか、心配している」
そして、トランプ大統領をファシストだと思うかと聞かれると、「その方向へ向かっているのではないかと思っている。彼の思い通りにさせれば、この国はとても悪い状態に陥るだろう。わたしの理解では、ヒトラーは笑いものだったし、彼らは皆おかしかった。ヒトラーも、ムッソリーニもおかしかったし、他の独裁者も専制君主もおかしかった」
デ・ニーロのこうしたとげとげしい言葉は、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、フランク・ブルーニー(Frank Bruni)氏を含め、アメリカ社会で批判もされている。ブルーニー氏は怒りに任せた感情的な批判は、トランプ大統領の行動と同じだと主張している。
だが、デ・ニーロにとって、これは自身の反対の意を示す戦略の一部だ。
「民主党はもっと攻撃的になる必要がある」とデ・ニーロは言い、「相手と同じ戦法で戦わなければならない」と語った。
その上で、2020年の大統領選でトランプ大統領と戦えるであろう候補者として、2018年11月に行われた中間選挙で、テキサス州の民主党の上院議員候補だったベト・オルーク(Beto O'Rourke)氏、ジョージア州の民主党の州知事候補だったステイシー・エイブラムス(Stacey Abrams)氏、フロリダ州の民主党の州知事候補だったアンドリュー・ギラム(Andrew Gillum)氏を挙げた。この3人はいずれも中間選挙で負けている。
デ・ニーロは、トランプ大統領が「自身と同じ価値観を持ち、よりダメージをもたらしかねない」政治家に道を開くのではないかと懸念しているが、同時に未来については楽観的でもある。
「この国のどこかに、苦しんでいる人を助けるために、人々が集まり、力を合わせる道があるはずだ」
デ・ニーロはガーディアンに語った。「まだ終わっていない」
(翻訳、編集:山口佳美)