SPA!「ヤレる」女子大生企画で謝罪。大学と署名女子大生の怒りの声

「ヤレる女子大学生RANKING」を掲載し大きな批判を受けている『週刊SPA!』。

年明けに抗議署名が始まり、あっという間に2万6000人ほどの署名が集まった。

Business Insider JapanがSPA!編集部を取材したところ、同編集部は謝罪コメントを発表した。だが、これで問題は終わりだろうか。なぜこうした記事は繰り返されるのか。

「就活相談で仲良くなれる」

就活

該当記事には「とりあえず就活の話をしておこう」と書かれていた。

撮影:今村拓馬

『週刊SPA!』は2018年12月25日号で「ヤレる『ギャラ飲み』実況中継」という記事を6ページに渡って特集。「ギャラ飲み」とは参加する女性に料金を支払って開催する飲み会のこと。最近では参加者の男女をマッチングするアプリも複数あり、記事では同誌取材班がアプリを使って出会った女子大生とホテルに行くまでの過程をルポしている。

問題視されているのは、同特集内の「ヤレる女子大学生RANKING」。ギャラ飲みマッチングサービスを手がける男性に「ヤレる可能性の高い大学」を「ランクづけしてもらった」もので、「キャンパスが渋谷にある」「男ウケの良さを磨いている」「就活相談で仲良くなれるチャンスが多い」など、その理由とともに1〜5位までの大学が紹介されている。

この記事がSNSで拡散されると、「女性軽視以外の何ものでもない」「見た目、洋服、通う大学で、性的合意なんて表されません」など、女性たちを中心に大きな批判が巻き起こった。

1月4日には本件に対する抗議署名も始まった。署名では記事の撤回と謝罪、そして女性軽視や差別用語を使うことを週刊誌や出版社に対して今後一切やめるよう求めており、現時点(1月7日19:15)で2万6113人から賛同を集めている。

「親密になりやすい」ならOK?

週刊SPA!署名

週刊SPA!の記事に抗議する署名。

出典:Change.orgホームページ

Business Insider Japanは『週刊SPA!』編集部に

  1. こうした批判について編集部としてどう考えているか
  2. 記事の撤回及び謝罪についての現段階での方針
  3. 記事について個人や大学から批判・抗議などが来ているか

について取材した。

同編集部は記事について、「本特集は『ギャラ飲み』という社会現象について特集したものです。ギャラ飲みの現場で何が起き、どういったやりとりが行われているのかを一般大衆誌の視点で報じております。 その取材の過程で、ギャラ飲みの参加者に女子大生が多いということから、ギャラ飲みのマッチングアプリを手掛けている方にも取材を行い、その結果をランキングという形で掲載したもの」と説明。

「そのなかで『より親密になれる』『親密になりやすい』と表記すべき点を読者に訴求したいがために扇情的な表現を行ってしまったこと、運営者の体感に基づくデータを実名でランキング化したこと、購読してくださった読者の皆様の気分を害する可能性のある特集になってしまったことはお詫びしたいと思います」(『週刊SPA!』編集部)

大学側は厳重抗議を検討中

同誌は2018年10月23日号でも「この女子大生がエロい!2018年ランキング」という特集で 「ヤリマン生息数が多い大学」「合コンお持ち帰り率の高い大学」「ストリートSEX率の高い大学」「就活ビッチの多い大学」というランキングを掲載している。

「コンプレックスが強く頭の良い大学出身者の押しに弱い」「偏差値が高くないので肩書きに弱い」など誹謗中傷のような内容で、ランキング自体もイベントサークルの代表やナンパ塾の講師・ナンパ師などの個人の見解に基づくものだ。SPA!編集部は「ヤレる女子大学生RANKING」はギャラ飲みの実態を描く過程で作成したものだと主張するが、以前から類似の企画は繰り返されており、言い訳に過ぎないだろう。

SNSには大学に対して「出版社に抗議してほしい。 これを黙認する大学なら、親は安心して娘を預けられない」という意見も出ている。

「ヤリマン生息数が多い大学」1位、「ヤレる女子大学生RANKING」2位と記されていた大妻女子大学に大学としての対応を取材すると、

「この度の記事のような女性蔑視につながる内容を掲載されたことについて時代の流れに反するものでもあり、誠に残念に思います。本学、本学学生及び卒業生の名誉と尊厳が傷つけられたことは、大変遺憾に思います」(広報・入試センター)

とコメント。「現在、出版社に対して厳重抗議すべく検討中」とのことだった。

消費されることにNOと言いたい

#MeToo

2018年、多くの女性たちが声を上げた。男性はそれをどう受け止めていたのだろうか。

撮影:今村拓馬

『週刊SPA!』は今後について、

「セックスや性にまつわる議論については、多種多様なご意見を頂戴しながら、雑誌として我々にできることを行ってまいりたいと思っています」

と述べるに止まった。

これらの謝罪コメントについてツイッターでは「本当に反省しているのか分からない」「雑誌の読者層を考えれば『読者の気分を害してしまった』じゃなくて、準強制性交等の教唆を詫びなきゃ」など批判的なコメントが多く見られる。

上記のお詫びから5時間後、『週刊SPA!』編集部からは「購買してくださった読者あっての雑誌ですので、ご意見については真摯に受け止め誌面に反映していく所存です」と“追い”謝罪コメントが届いた。

今回の記事はセクシャル・コンセント(性的同意)を軽視し、性暴力につながりかねない加害性を含んでいる。就活を「ネタ」に誘うようなアドバイスはパワハラでもあるだろう。問題の本質を同誌編集部が理解しているのか疑問に思う。

「大学名を出して何がしたかったのか、女性をどう思っているのか編集部に聞きたい」

そう言うのは、『週刊SPA!』への抗議署名「女性を軽視した出版を取り下げて謝って下さい」を立ち上げた山本和奈さん(21)。国際基督教大学(ICU)4年生で、教育格差をなくすために活動する国際NGO「Educate For」の代表も務めている。SNSを通じて今回の記事を知り、驚いたという。

「大学生の約半数は未成年です。本来であれば社会に守られるべき存在なのに、こうして『性的に消費して当然』というメッセージがメディアを通じて発信される現状に驚き憤っています。

一方で女性誌も『どうすればモテるか』という内容ばかりで、私たち女子大学生も男性から性的に見られることに慣らされてしまっている。こんなのおかしいよね?と、今回のことをきっかけに同世代の女子に向けて問題提起を続けていきたいです」(山本さん)

(文・竹下郁子)

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