アリババ、テンセントに成長で遅れを取り、バイドゥはAI企業へ転換を急いでいる。
jason lee/reuters
中国IT大手・百度(バイドゥ)創業者の李彦宏(ロビン・リー)CEOが中国国営テレビの新年特別番組に出演し、「人工知能(AI)時代の到来で、スマートフォンは20年以内に消える」と“予言”した。
李彦宏CEOは「21世紀最初の20年が、携帯電話への依存度が強まった20年だとすれば、これからは依存度が低下していく20年になる」とし、「今、スマホがやってくれていることの多くを、家電などに搭載されたAIがやってくれるようになる。スマホは言語で人のニーズを認識するが、家庭のAIはセンサーでそれを感知する。そうすれば、もう手元にスマホを置く必要はないだろう」と説明した。
バイドゥの李CEOは、スマホが歴史の表舞台から姿を消すと語った。
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李彦宏CEOはさらに、「運転や翻訳といった反復作業が多い頭脳労働も、AIで事足りるようになる」と語った。
バイドゥは2000年創業。検索エンジンサービスでグーグルに次ぐ世界2位に成長し、中国ではアリババ、テンセントと並ぶ中国IT御三家「BAT」として知られているが、この数年は、消費者向けサービスのイノベーションで2社に遅れを取り、また、検索サービスで広告出稿企業へ誘導を不正に行っていたことが発覚するなど、勢いを失った。
テンセントが10億人以上のユーザーを誇るメッセージアプリ微信(WeChat)と決済サービス、アリババがECと決済サービスで大量のビッグデータを持っているのに対し、検索エンジン頼みのバイドゥのビジネスモデルの限界も指摘されていたが、最近は、AI企業への転換を推進。AIや自動運転技術への投資を強化し、再び存在感を高めつつある。
(文・浦上早苗)