今、もっとも市場で「売れる」ビジネススキルや知見とは?
プロや詳しい人からのアドバイス・意見を1時間単位でマッチングする「スポットコンサル」のビザスクは、2018年に“売れた知見ランキング”を明らかにした。1位は、激動のあの業界の知見。ビジネスの最前線で求められるスキルについて、上位7つを見てみよう。
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ビザスクには、専門分野の知見をもつ国内外約8万人が登録している。個人や法人がビザスクに質問を投げると、登録者とのマッチングが行われ、スポットコンサルを受けられるサービスだ。日立やリコー、帝人など大手企業の利用も右肩上がりで増えているという。
2018年中で実際にスポットコンサルが成立した約1万件を対象に、その内訳を調査した。各分野の件数は非公開。スポットコンサルの個人対個人のマッチングで1時間1万5000円程度、法人ユーザー向けに付加サービスも入れたもので1時間7万〜8万円程度で取引されているという。
【第7位】小売り
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深刻な人手不足に加え、シェアサービスが広がるなど「消費のかたち」も変わる中で、小売りに関する相談や質問は多かったという。
「インバウンドの顧客対応や、物流や海外進出まで、広くご相談がありました。ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、小売り業界の経験のある人に聞きたいという声が多いですね」
質問者と登録者のマッチングも手がける、ビザスクのカスタマーサクセス、田鍋圭助さんはそう言う。
【第6位】教育/保育
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「保育園に入れないなど、大きな社会課題となっている分野だけあって『新たなサービスで何かしたい』という声が目立ちます。身近な人が困っているのを目にしたことから、課題意識を持たれる方も多いようです」(田鍋さん)
現場の保育士や保育園事業の経営者らの声を聞きたい、というニーズが高いという。
【第5位】新規事業/イノベーション
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新たな事業を生み出したい、というのは、他の項目と重複がありつつも、やはり多い相談だという。
「何か新規事業を立ち上げる際に、自社での自前主義にこだわらずスピード感を持って行う必要があります。そこで(新たな分野に行くには)外部の知見を活用したいという流れが生まれています」(田鍋さん)
【第4位】営業
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ベンチャー企業や新規事業を立ち上げる動きはここ数年多く、それに伴い「どこに、どんな営業をかけたら効果的か」などの質問も、相当数あるという。
【第3位】マーケティング
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「デジタルマーケティングの登場など、手法そのものが増えているので、相談案件も増えています。インスタグラムを広告に使うには?とか、地方の企業からSNSの効果的な使い方は?といった相談が寄せられました」(田鍋さん)
これまで使ったことのないデジタルマーケティングツールの中で、どれを使うべきかなど「イチから学ぶより、社外の詳しい人に聞こう」という風潮のようだ。
【第2位】医療、ヘルスケア
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「ビザスク立ち上げから常に多い分野です」(田鍋さん)。介護施設の経営者や経験者への質問もあれば、健康経営を実践している企業やドラッグストアなども含まれ、裾野が広い分野でもある。
少子高齢化が急速に進む日本では、課題が山積みの分野であることは間違いない。関心も高く、新たなサービスの立ち上げを考えている相談者も多いという。
【第1位】自動車/自動運転/モビリティ
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そして、2018年中でもっとも多く寄せられたのは「100年に一度」のモビリティ革命といわれる、自動車や交通に関する相談。トヨタがソフトバンクと提携を発表するなど、国内でも大きな動きが起きたこともあり、いっそう注目度が高まったようだ。
「自動運転の流れは間違いなく見えてきていて、いつまでに移行するのか、どっちに進めばいいのかといった大局的なものから、自社の部品を役立てられないかといった具体的なものまで、数多くの相談が寄せられました」(田鍋さん)
ベンチャーから素材メーカー、部品メーカー、自動車メーカーなど、相談は多業種から寄せられたという。激動の時代を迎えた業界を象徴するような「自動車に関する知見ニーズの高まり」は、2019年も続きそうだ。
ちなみに、8位以下では、デジタル、AI、IoT、ベンチャー/スタートアップ、働き方/キャリア/フリーランスなどに関する知見やアドバイスを求める相談が多かったという。
(文・滝川麻衣子)