アップルのCEOティム・クック氏。
Richard Drew/AP
- 歴史が何かを示唆するとしたら、S&P 500のテクノロジー株はアップル抜きではアウトパフォームできない。
- これは、S&P 500のテクノロジー株のパフォーマンスに関するバンク・オブ・アメリカの最新の分析によるものだ。
- ただ、バンク・オブ・アメリカのストラテジストたちは、ダウンサイド・リスクの多くはすでに株価に織り込み済みと考えていて、テクノロジー株に対してポジティブな見方をしている。
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テクノロジー株は、アップルの助けなしにアウトパフォームできるのだろうか? バンク・オブ・アメリカは、そうは考えていないようだ。
「歴史はノーと言っている」と、同社のストラテジストたちは書いている。「アップルが30%以上急落したとき、S&P 500のテクノロジー株がS&P 500をアウトパフォームしたことはない」
この結論は、2011年にアップルが初めてその時価総額で世界一になったときの分析からくるものだ。ストラテジストたちは、アップルが30%以上下落したときのS&P 500のテクノロジー株と市場全体のパフォーマンスを比較した。
バンク・オブ・アメリカの分析は、アップルが他の大手テクノロジー株と株式市場全体に及ぼす影響の大きさを浮き彫りにするものだ。ただ、テクノロジー株に対しては依然として楽観的で、アップル株の下落は同社固有の問題とマクロ経済の影響の組み合わせによるものだと考えている。
アップルは先週、第1四半期決算のガイダンス(利益予想)を下方修正して株主と市場全体に衝撃を与えて以来、プレッシャーにさらされている。
主に中華圏でiPhoneの需要が低下した結果、売り上げは予想を下回るだろうとアップルが発表した後、同社の株価は急落、2013年以来、1日の下げ幅としては最大を記録した。
バンク・オブ・アメリカはそのレポートの中で、2011年以降、アップルの株価が30%以上下落したことが、今回を含めて3度あるといい、いずれのケースでもテクノロジー株はアンダーパフォームしたと指摘している。
- 2012年9月~2013年4月:バンク・オブ・アメリカのいう「イノベーションの欠如の懸念」から、アップルの株価が急落。テクノロジー株は18ポイント、S&P 500をアンダーパフォームした。
- 2015年2月~2016年5月:「中国の成長減速の懸念」から、アップルの株価が32%下落。テクノロジー株は8ポイント、S&P 500をアンダーパフォームした。
- 2018年10月~現在:アップルの株価が36%以上急落し、テクノロジー株は5.5ポイント、S&P 500を下回った。
テクノロジー株のパフォーマンス(対S&P比)。実線はアップルの高値から底値、点線はアップルの底値から高値。
Bank of America Merrill Lynch
(翻訳、編集:山口佳美)