日本で名前を聞き始めたスマホ決済。中国ではすでに広く使われている。
REUTERS/Mark Blinch
グローバルコンサルタントのデロイト トーマツはこのほど、テック・メディア・通信業界の2019年のグローバルトレンドを予測した報告書を発表した。報告書では5Gやスマートスピーカー、人工知能(AI)などの最先端技術とともに、「中国が推進する新型デジタルビジネスモデル」を取り上げ、2019年の動向を考察した。
報告によると、中国のネットユーザーは2018年6月時点で8億200万人。そのうちモバイルインターネット利用率は2017年末時点で97.5%に達しており、ほぼ100%と言える浸透率が、世界をリードする3大業界、「モバイル決済」「EC」「ライドシェア」の成長を支えていると指摘。デロイトは「2023年までに、3業界はいずれも数百億ドル規模の市場に成長する」と予測した。
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スマホ決済の利用者数は、現時点でモバイルユーザーの8割近い6億人と推定。また、2019年はモバイルでのネットショッピングユーザー数が5億5000万人に拡大すると予測している。
定期的にモバイルからネットショッピングをする中国人は、2017年時点で前年比15%増の5億600万人で、2017年1-10月の中国のスマホ決済額は81兆元(約1300兆円)に達した。一方、アメリカの同期間のスマホ決済額は493億ドル(約5兆4000億円)で、圧倒的な開きがある。
報告書はまた、2019年のシェア自転車利用者を2億人と予測した。
デロイトは「中国は技術大国、製造大国として世界に知られてきたが、今はデジタル分野でも世界のトップランナーになった。また、中国の通信インフラは、イノベーションの重要なけん引力になるだろう」と分析している。
(文・浦上早苗)