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- 2019年の到来とともに、素晴らしいビジネス書が登場している。
- 例えば、金融危機の教訓や優れたマネージャーになる方法を学ぶことができる。
- 2019年に読むべき14冊をまとめた。まだ邦訳がない本ばかりだが、チャレンジする価値はあるはず。
新年の抱負が読書なら、この記事は役立つはずだ。
2019年の到来とともに、書店には素晴らしいビジネス書が並んでいる。例えば、無用と思われた人物が優れた仕事をやり遂げた事例、夢のキャリアを実現する方法、アップルのティム・クックCEOの伝記など。
どの本も仕事、リーダーシップ、成功について、新たな視点を切り開いてくれるはず。
2019年に読むべき14冊を見てみよう。
『The Surprising Science of Meetings』Steven G. Rogelberg(1月2日)
Oxford University Press
会議についての間違いを知り、会議を効果的なものにするための本。
会議をなくせば良いという話ではない。
歩きながらの会議、時間を48分に限定した会議、静かに資料を読む時間を設定した会議などを提案している。
「会議の質」の診断シートもある。会議室で、同僚とともに無駄にしている時間が分かる。
『Be Fearless』Jean Case(1月8日)
Simon & Schuster
キャリアに行き詰まりを感じているなら、ぜひ読みたい1冊。
元AOL幹部のケースは、成功を5つの指針で捉えている。
- 大きな賭けをする
- 大胆にリスクを取る
- 失敗を活かす
- コンフォートゾーンから飛び出す
- 恐れず、しつこく
またヘンリー・フォードやジェフ・ベゾス、世界的なシェフであるホセ・アンドレ、そしてケース自身まで、伝説的なイノベーターの事例を紹介している。
『The Age of Surveillance Capitalism』Shoshana Zuboff(1月15日)
PublicAffairs
今のビジネス界を象徴するのは大手テック企業、過去の大企業とは似ても似つかぬ存在。
我々の個人情報を把握し、我々の生活に大きな影響を及ぼしている。彼らの力の多くは政府の規制が及ばないところにある。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるZuboffは、大手テック企業が経済、政治、そして社会に与えた影響とその行方を考察している。
『The Prosperity Paradox』Clayton Christensen, Efosa Ojomo, Karen Dillon(1月15日)
HarperBusiness
ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授は、世界有数のマネジメントの研究者。
イノベーションが社会と経済を変えている今、いかにうまく経済成長を実現していくかを考察している。
『Digital Minimalism』Cal Newport(2月5日)
Portfolio
著者はジョージタウン大学のコンピューター・サイエンスの教授。
デジタル・ミニマリズムはオンラインに費やす時間を減らし、本当に必要なことだけを選択する考え方。
本では、デジタル・ミニマリズムを実践しているさまざまなタイプの人物を取り上げ、読者にそのヒントを提案している。
『Zucked』Roger McNamee(2月5日)
Penguin Press
著者のマクナミーはフェイスブックの初期の投資家であり、マーク・ザッカーバーグのメンターだった。
だが『Zucked』では、フェイスブックは世界を破壊しており、止めなければならないと主張している。
フェイスブックの最大の擁護者が、最も強烈な批判者になった理由を知りたいなら、ぜひ。
『Why Do So Many Incompetent Men Become Leaders?』Tomas Chamorro-Premuzic(2月19日)
Harvard Business Review Press
2013年に出版されたHarvard Business Reviewの同じタイトルの大人気記事をもとにした本。
数十年におよぶ調査と実例をもとに、有能なリーダーとは見なされなかった男性が、いかにして偉大な仕事をやり遂げたのかを解き明かす。
本のラストで著書で、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの教授であるトマス・チャモロ・プレミュジックは、慎重にではあるが女性の方が男性よりも優れたリーダーになり得ると断言する。
自己認識に優れ、相手の感情を理解する能力に優れていることがその一因だ。
『The Enlightened Capitalists』James O'Toole(2月26日)
HarperBusiness
Business Insiderは、Better Capitalism、すなわち企業の社会的責任をテーマとした記事を公開している。
著書のO'Tooleは経営者が自社の利益と社会的利益を一致させようとした取り組みを紹介、うまく行かなかった例も取り上げている。
ウォール街とシリコンバレーにとって、貴重なケーススタディとなるはずだ。
『Loonshots』Safi Bahcall(3月19日)
St. Martin's Press
「Moonshot(ムーンショット)」はシリコンバレーでは有名な言葉、挑戦的な目標を表す。
著書のBahcallは、物理学者でバイオテックの起業家。企業のプロジェクト、政治、あるいは交通渋滞などで、Moonshotを称賛していた人が突然、抵抗する側に回る様子を分析した。
ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者、ダニエル・カーネマンからすでに高い評価を得ている。
『The Making of a Manager』Julie Zhuo(3月19日)
Portfolio
著者はフェイスブックのプロダクトデザイン担当バイスプレジデント。25歳で初めてマネージャーとなった時の経験をもとに書かれた本。
MediumのCEOで、Twitterの創業者であるエヴァン・ウィリアムズによると、この本の「実用的な知恵」は新しくマネージャーになった人に役立つ。
『Nine Lies About Work』Marcus Buckingham, Ashley Goodall(4月2日)
Harvard Business Review Press
著者の1人、マーカス・バッキンガムは、『まず、ルールを破れ』『さあ、才能に目覚めよう』などの著書で知られている。
この本では、シスコのリーダーシップ&チーム・ディベロップメント担当シニア・バイスプレジデントのアシュレー・グッドールとともに、企業カルチャーが何よりも重要といった職場に関する神話の誤りを暴いている。
また過去のこうした誤解を乗り越え、多様性を受け入れることのできる「自由な思考のできるリーダー」について記している。
『Firefighting』Ben Bernanke, Timothy Geithner, Henry Paulson(4月16日)
Penguin Books
2018年は金融危機から10年、アメリカの経済政策を担った3人のリーダーが当時の経験を振り返った。
ティモシー・ガイトナーとヘンリー・ポールソンは元財務長官、ベン・バーナンキは連邦準備制度理事会の元議長。
金融危機の原因、彼らが行った決断の理由、金融危機の教訓などが記されている。
『Tim Cook』Leander Kahney(4月16日)
Portfolio
アップルのチーフ・デザイン・オフィサーの伝記『ジョナサン・アイブ』に続く、リーアンダー・ケイニーの新著。
ケイニーはアップルのCEO、ティム・クックの大ファン。クックがスティーブ・ジョブズの後継者としてユーザーと株主の期待に応え、それ以上の成果を上げていく様子をまとめた。
『Trillion Dollar Coach : The Leadership Playbook of Silicon Valley's Bill Campbell 』エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル(4月16日)
HarperBusiness
ビル・キャンベルが2016年に亡くなった時、シリコンバレーは「The Coach」を失った。キャンベルは親しみを込めて、そう呼ばれていた。
キャンベルは長くアップルの取締役を務めたと同時に、スティーブ・ジョブズをはじめ、グーグルのラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンといったシリコンバレーの伝説的な人物のエグゼクティブ・コーチとして尊敬されてきた。
著書の3人は、ともにグーグルの成長を支えた人物。キャンベルの教え子を取材し、キャンベルの教えをまとめた。
[原文:14 business books everyone will be reading in 2019]
(翻訳、編集:増田隆幸)