ダイアナ・アーノルドさんは政府閉鎖の間、一家が請求書の支払いを滞らせずに済むよう、支援を求めている。
Diana Arnold/GoFundMe
- アメリカでは政府機関が一部閉鎖されているため、連邦政府で働く数千人の人々の給料の支払いがストップしている。
- 政府閉鎖は20日目と、史上2番目の長さになっている。
- 連邦政府で働く多くの人にとって、給料が入らないということは請求書の支払いが滞るということだ。
- そのため、クラウドファンディング・サイト「GoFundMe」で支援を求める人も現れている。
どこかへ出かけようと、家族と一緒に車に乗った笑顔のニコライ君…… これはクラウドファンディング・サイト「GoFundMe」のキャンペーン・ページの写真だ。
写真の下には、彼の母親ダイアナ・アーノルドさんが、一家の切迫した現状を書いている。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーという病を抱えているニコライ君にとって、車いすは生活に欠かせない。移動には、専用のバンが必要だ。しかし、政府機関の閉鎖によって、必要なバンの修理代が捻出できなくなるという。
だが、ニコライ君一家の話は1つの例に過ぎない。アメリカでは連邦政府で働く数千人の人々の給料の支払いがストップしている。
GoFundMe Screenshot
「わたしたちには支払わなければならない請求書もあり、養わなければならない子どももいます」
ニコライ君の母親はGoFundMeのページに書いている。
「こうしたお願いをしなければならないことを心苦しく思いますが、どうかわたしたちだけでなく、助けを必要としている人のために、できることをしてください」
アーノルドさんのGoFundMeのページは、「政府機関の閉鎖」というタグが付いている、少なくとも1500以上の募金集めのページの1つだ。
GoFundMeでは、連邦政府で働く人々が、今や20日目を迎えた政府機関の閉鎖がいかに彼らの生活に影響を及ぼしているか、いかに彼らが家賃やその他の支払いに苦労しているか、それぞれの状況を語っている。
母親への支援を呼びかける2人の息子たち
Robert & Tristan D./GoFundMe
母親のために、支援を呼びかける子どもたちもいる。
ロバート君、トリス君兄弟は「ぼくたちのお母さんは、国に助けてもらうことができません。お母さんはぼくたちを育てるために、本当に一生懸命働いています」と募金集めのページに書き、目標金額を5000ドル(約54万円)としている。
「この数週間はとても大変でした。お母さんはぼくたち兄弟にそれぞれの部屋を持たせようと、引っ越しの計画を進めていました。でも、給料が受け取れず、金利がものすごく上がってしまって、今ではそれもストップしています。それに加えて、家賃も上がって、ぼくたちはどうしたらいいかわかりません」
子どもたちは、母親は「ぼくたちがお母さんの2つ目の仕事だから、もう1つ仕事をすることはできない」と付け加えている。
ページを立ち上げてから2日で、多くの人が募金し、子どもたちに「あきらめないで」と応援コメントを寄せている。
政府機関で働く80万人が、次の給料を受け取れない
Julie Burr/GoFundMe
また、別の募金集めのページでは、ジュリー・バーさんが、政府機関の閉鎖が長引くにつれ、パニック状態に陥っていると書いている。バーさんは2018年12月、収入の不足分を補うために、副業である書店チェーン「バーンズ・アンド・ノーブル」でのシフトを増やしたと、INSIDERに語っていた。
「支援してもらえるなら、どんな寄付でもありがたいです」と、バーさんはGoFundMeのページに書いている。すでに目標金額の5000ドルを大きく上回る募金が集まっている。
GoFundMeのサイトでは、連邦政府で働く多くの人がバーさん同様にそれぞれの苦境を語っている。
GoFundMeは、募金の呼びかけが寄付者を欺いたり、募金が悪用された場合、払い戻しをすると保証している。
連邦政府で働く人々が無給状態になっている中、民主党は、トランプ大統領が9日(現地時間)の協議で、国境の壁の建設費57億ドル(約6200億円)に民主党が賛成するまで、政府機関の一部閉鎖は続くと断言し、席を立ったと語った。
トランプ大統領は10日、メキシコとの国境を視察。現地に向かう途中、大統領は自分は「かんしゃく」持ちではないと語った。
(翻訳、編集:山口佳美)