コインチェック、ついに交換業者に正式登録。LINE、楽天ら「待機組」への追い風になるか

コインチェック

1月11日夜、東京証券取引所で記者会見を開いた、コインチェックの勝屋敏彦社長(中央)、執行役員の和田晃一良氏(右)、大塚雄介氏(左)。

巨額の暗号資産(仮想通貨)の流出事件が起きたコインチェックが2019年1月11日、仮想通貨交換業者として正式に金融庁に登録された。

1年前の事件以降、他の仮想通貨交換業者は、セキュリティ対策や内部管理態勢の強化などに追われてきた。

一時は160社ほどが新規参入を目指しているとも言われたが、事件以降、新規の登録は凍結状態が続いていた。

LINEの子会社や楽天の傘下に入ったみんなのビットコインなども、本格参入を控えている。いずれも、正式な登録業者になれれば一定のインパクトがありそうだが、足元の暗号資産市場は低迷が続く。

コインチェックの正式な登録で「止まっていた針」は動き出すのか。

和田元社長「未来への投資ができるようになった」

和田晃一良 コインチェック

流出事件について「いろんなところにご迷惑をかけたのは大変申し訳なく思っている」と話した元社長の和田氏。

11日夜、コインチェックの社長とマネックスグループの常務執行役を兼任する勝屋敏彦氏らが東京証券取引所で記者会見した。会見には、流出事件当時のコインチェック社長で、現在は執行役員を務める和田晃一良氏と、共同創業者で現在は和田氏と同じく執行役員の大塚雄介氏も出席した。

会見で和田氏は「いろんなところにご迷惑をかけたのは大変申し訳なく思っている。バブルのような状態だったが、いまはそれが、いったん落ち着いた状態になり、新たな商品の開発など、いろいろなことに腰をすえて、未来への投資ができるようになったと考えている」と語った。

マネックスグループの傘下に入った2018年4月以降、事業の再建に向けた取り組みを進めてきたコインチェックは、取引の大半を凍結していた。2018年秋ごろまでは、毎月の売買回数も減少が続いていたが、新規の口座開設を再開した10月以降は、売買回数も増加に転じたという。

年明けの1月4日には、コインチェック、みんなのビットコイン、LastRoots、LVC、コイネージの5社が、自主規制団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)の第二種会員になった。同協会は、正式な登録業者が第一種会員に名を連ねているが、第二種会員は登録を目指す業者のうち、ある程度、登録に向けた態勢整備が進んだ企業とされる。

LINE、楽天傘下の「待機組」はどうなるか

コインチェック 流出事件

2018年2月、流出事件に際してメディアの取材に対応する、コインチェックの大塚氏(当時COO)。

REUTERS/Toru Hanai

LVCは、LINEグループで暗号資産、ブロックチェーン関連の事業を展開。みんなのビットコインは、買収で楽天グループの傘下に入った「みなし業者」で、1月7日には楽天カードから追加出資を受け、資本金7億3000万円に増資したことを発表している。

楽天やLINEも、和田氏が迷惑をかけたと述べた「いろんなところ」に含まれていると受け止めていいだろう。

ただ、コインチェックが今回、正式な交換業者として登録されたことで、こうした“待機組”の企業についても、本格参入の道筋ができたとみることもできる。

2019年1月11日夜現在、代表的な暗号資産であるビットコインは40万円前後で取り引きされている。ピーク時の5分の1を下回る水準だ。コインチェックの正式登録のニュースに、市場が大きく反応した様子は今のところみられない。

(文・小島寛明、写真・西山里緒)

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