ダイムラーのトラック。
Daimler
- ダイムラー・トラックのCEOマーティン・ダウム氏は、テスラのEVトラックを「面白い」と考えている。だがテスラとの競争については真剣に捉えている。
- ダウム氏はまた、テスラにとって市場参入は厳しいものになると語った。トラック業界で戦うには、グローバル規模のビジネス展開が必要だからだ。
- ダイムラー・トラックは2018年、50万台以上のトラックを販売した業界のリーダー的存在。ダウム氏はそのポジションを守り抜くと語った。
世界最大のトラックメーカーを率いる男は、テスラのEVトラックを「面白い」と考えている。
ダイムラー・トラックのCEOマーティン・ダウム(Martin Daum)氏はCESでBusiness Insiderのインタビューに応じ、あらゆる競合について真剣に考えているが、トラックメーカーは簡単に始められるビジネスではないと語った。
「テスラは面白い存在、興味深い。我々はあらゆる競合について真剣に考えている。テスラは市場参入のための巨大な負担に耐えられる、本当のしぶとさを持っていることを証明した」とダウム氏はBusiness Insiderに語った。
「だが、トラック製造は難しいビジネス。彼らはその厳しさを知ることになるだろう。トラックは1サイズで済む乗用車とは違う。トラック輸送には多くのバリエーションが求められる。特にアメリカは競争が厳しいマーケット。だからこそ、彼らは面白い存在」
ダイムラー・トラックは2018年、50万台以上のトラックを販売した業界のリーダー的存在。ダウム氏はそのポジションを守り抜くと語った。
北米マーケット(アメリカ、メキシコ、カナダ)で同社は2018年、17万6000台のトラックを販売した。ダウム氏によると、その種類はスクールバス、配達用バンから、数トンにもなる大型トラックまで、あらゆる種類が含まれている。
だがダウム氏はグローバル展開しているからこそ、こうした多様なトラックを開発・製造することができると語った。テスラのグローバル展開はまだこれからだ。
「我々が生き残る方法? それはグローバル展開にある。私が視野に入れているのは北米マーケットの17万6000台だけではない。世界中で販売している50万台以上のトラックを視野に入れている。これが最終的に生き残るために必要な数。北米マーケットの主要プレイヤーであるボルボ、ナビスター、パッカーの中で、我々はまさにグローバル規模で大きな実績を築いている」とダウム氏は語った。
「テスラにとっては、長い道のりになる。彼らを軽く見ることなく、我々は彼らのことを真剣に捉えている。彼らの得意領域では、彼らは成功する可能性がある。だが最終的に北米マーケットで5番目のプレイヤーになるには、長い道のりがかかる。そして我々はそれを黙って見ているつもりはない」
(翻訳、編集:増田隆幸)