10億人を超えるユーザーを持つ中国最大のメッセージアプリWeChat(微信)は、2018年のWeChat利用動向「2018微信年度データ報告」をまとめた。2018年の1日の利用者数は10億1000万人で、1日に送信されるメッセージは前年比18%増え平均450億件だった。また、アプリを通じた音声・ビデオ通話の回数は前年から倍増し、1日4億1000万件だった。
報告では世代別の愛用スタンプも紹介している。
今回の報告では世代別の利用動向を詳細に分析。55歳以上の月間アクティブユーザー数が6300万人に上るなど、WeChatが中高年層にも浸透していることが、改めて浮き彫りになった。
WeChatは中国IT大手、騰訊(テンセント)が運営するメッセージアプリで、日本のLINEと近い機能を持ち、月間アクティブユーザーは10億人を超える。スマホ決済や配車サービス、シェア自転車、ネットショッピング、料理の出前、QRコード乗車券など、生活のあらゆるサービスと連携しており、報告からはユーザーの詳細な行動・消費傾向がうかがえる。
以下、世代別の傾向を紹介する。
00後(2000年代生まれ):夜更かし、甘い物好き
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午後10時以降に利用が活発化し、夜更かしの傾向が強い。ただし朝の活動開始も早く、全世代で睡眠時間が最も短い。
スマホ決済のWeChat Pay(微信支付)で冷たい飲み物とスイーツを毎月購入している人数が、前年比230%増加した。
90後(1990年代生まれ):朝弱く、公共交通機関の利用が多い
撮影:浦上早苗
全世代で起きるのが最も遅い。公共交通機関の利用が最も多く、毎月平均25回。
よく読む記事は「ライフスタイル系」で、3年前の「エンターテイメント」から変化した。
80後(1980年代生まれ):国内主要ニュースに関心
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テキストコンテンツの閲読が一番多い。コンテンツの内容は、中国の主要ニュースが中心。
昼間は仕事に忙しいようだ。
70後(1970年代生まれ):友人の投稿見て暇つぶし
allensima
友人の投稿が表示されるウォール(朋友圏)を暇つぶしによく見ている。
午後11時半ごろ就寝する人が多い。
55歳以上:健康コンテンツを読み夜はビデオ通話
撮影:浦上早苗
早寝早起き、太陽に逆らわず。よく読むコンテンツは「健康」関連。
昼間はコンテンツの閲覧、ネットショッピング、ウォールのチェックなどに勤しみ、夜は子どもたちとビデオ通話。
報告では、生活の隅々にWeChatが浸透していることも明らかになった。WeChatアプリで利用できるQRコードを使って公共交通機関に乗車する人は、2017年の4.7倍に増加。WeChat Payで医療費を支払う人は2.9倍に増加した。
(文・浦上早苗)