香港で極小住宅の人気が下落、世界的なトレンドとなるか

香港のマイクロ・アパートメント

香港ではマイクロ・アパートメントの人気が下落。かつては住宅問題の解決策とされていた。

Kin Cheung/AP

  • マイクロ・アパートメントは2014年、香港で驚くほど人気を集めた。しかし、最近の住宅価格の急落は、その人気低迷の兆候のようだ。
  • 香港は依然として世界で最も物価が高い都市。だが、買い手はマイクロ・アパートメントではなく、広さ600~700平方フィート(約56〜65平方メートル)の物件を購入できるようになり始めている。
  • 香港におけるマイクロ・アパートメントの終焉は、ニューヨークやサンフランシスコといった物価の高い都市でのトレンドの予兆かもしれない。

香港で不動産の購入を検討しているカップル、アンディ・ナイト(Andy Knight)とミシェル・テナント(Michelle Tennant)は、おなじみの問題で悩んでいた。金をもっと捻り出して少し広い物件にするか、300平方フィート(約28平方メートル)の物件でうまくやって行くか。

2人は後者を選び、収納式のテレビ、スライド式の壁、寝室兼リビングルームの一部にもなるバスタブなどを部屋に取り付けた。

「この家のデザインは我々のようなユーザーにとって魅力的。もっと人気になっていないことは驚きです」とテナントはCNNに語った

サウスチャイナ・モーニング・ポストが2018年12月に発表したデータによると、香港では最近、マイクロ・アパートメントの人気が下落している。同紙の分析によると、2016年以降に香港で建設されたマイクロ・アパートメント(面積が200平方フィートを下回る物件)の3分の1が12月末時点で売れ残っていた。

香港やその他の都市におけるマイクロ・アパートメントの終焉は、開発業者や若い年齢層に人気となっていたこのトレンドに終止符を打つかもしれない。

香港のマイクロ・アパートメントで隠し収納スペースを披露するアンディ・ナイト。

香港のマイクロ・アパートメントで隠し収納スペースを披露するアンディ・ナイト。

Kin Cheung/AP

しかし、この人気下落にはシンプルな理由がある。

2014年、香港の住宅価格は1平方フィート(0.09平方メートル)あたり1900ドル(約20万円)と過去最高を記録した

その頃から、開発業者は人々が香港に住み続けるために、小さく、安価なアパートを求めていることに気付き始めた。以降4年間、より多くの人たちが価格と引き換えに、広さを犠牲にした。

2018年、状況は変わった。香港は売れ残っている新築住宅に課税する方針を打ち出した。開発業者は手持ちの物件を手放すべく奔走し、割引価格での販売を始めた。突然、香港の多くの人が、広い物件を安価に購入できるようになった。

「マイクロ・アパートメントの建設は極めて大きなリスクをはらんでいる。市場に転換の兆しが見え始めたら、このタイプの物件が一番最初に見限られてしまう」と信誠証券(Prudential Brokerage)のアソシエイト・ディレクター、アルビン・チェン(Alvin Cheung)はサウスチャイナ・モーニング・ポストに語った

香港の建築家ジェームズ・ロウ(James Law)。コンクリート製下水パイプ内にマイクロ・アパートメントを作ることを思いついた。

香港の建築家ジェームズ・ロウ(James Law)。コンクリート製下水パイプ内にマイクロ・アパートメントを作ることを思いついた。

Vincent Yu/AP

香港は依然として海外駐在員にとって最も物価が高い都市とみなされており、最も生活費が高い都市トップ5にもなっている。だが、小さな住宅に対するニーズはかつてほど大きくない。

不動産専門家は、香港では約600~700平方フィート(約56〜65平方メートル)の住宅が好まれるようになったと考えている。また2019年、マイクロ・アパートメントの価格は30%下落する可能性があると述べた。10~20%の値下がりが予想されている香港の不動産市場全体と比較すると、はるかに値下がりが大きい。

この需要の減少は、物価が高いことで悪名高い、ニューヨークやサンフランシスコなどの都市における新たなトレンドの予兆かもしれない。これらの都市では、マイクロ・アパートメントは香港よりも若干広い

住宅取得能力、つまり家計所得に対する住宅価格の比率で見た場合、香港はアメリカで最も物価が高い都市よりも、住宅は手が届かないものになっている

だがマイクロ・アパートメントが香港で生き残れないとすれば、世界の他の場所でマイクロ・アパートメントに投資をした人たちにとって悪いニュースとなるだろう。

※敬称略


[原文:Microapartments are dying in one of the world's most expensive cities, and it could be part of a troubling trend for owners

(翻訳:Yuta Machida、編集:)

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