世界初の月の裏側への着陸に続き、世界初の実験に成功 ── 月で植物が発芽、中国が発表

月面に降り立った探査機内での発芽実験。容器の網目から芽が出てきた。

月面に降り立った探査機内での発芽実験。容器の網目から芽が出てきた。

CCTV via Reuters/Business Insider

  • 中国は月面初の植物栽培に成功したと発表。
  • 無人探査機「嫦娥4号」で綿花の種が発芽した。世界初となる月の裏側への歴史的ミッションの成功に続く、もう1つの世界初。
  • ジャガイモ、菜種などの発芽実験も行われた。これらはいずれ、酸素や食料、油の供給源になると考えられている。
  • ある科学者は、この実験は宇宙飛行士が宇宙で食料を自給し、火星などへの飛行の中継地点として月を利用する可能性を開いたと述べた。

中国は月面初の植物栽培に成功したと発表。これは月の裏側への歴史的ミッションの一環として行われた。

中国は1月3日(現地時間)、無人探査機「嫦娥4号(じょうが4号)」を世界で初めて月の裏側に着陸させた。そしてさらに、もう1つの世界初となる、月面での植物の発芽実験を成功させた。

綿花の種が発芽し、探査機の内部の収められた金属容器の網目部分から出てきたと中国は発表した。

実験を指揮した科学者のXie Gengxin氏は1月15日、これは「人類が初めて月面で行った植物栽培実験」と語ったとガーディアンは伝えた

月面での植物栽培実験に用いられた容器の写真。重慶大学が公開。

月面での植物栽培実験に用いられた容器の写真。重慶大学が公開。

Chongqing University

綿花の種とともに、ジャガイモ、酵母、菜種なども持ち込まれたとXie教授は語った。さらに、これらは他の生物に酸素や食料の供給源になると付け加えた。

Xie教授は、綿花はいずれ衣服の製造に用いられ、ジャガイモは宇宙飛行士の食料になり、菜種からは油が取れると語ったとサウスチャイナ・モーニング・ポストは伝えた

これらの植物が選ばれた理由は、サイズが小さく、高温と低温、そして放射線に耐えられるため。

大学によると、Xie教授はこの実験によって、植物が「低重力、強い放射線、月の自然光」という環境下でどう成長するかを学ぶことができると述べた。

嫦娥4号から分離した月面探査車「玉兔2号」が、月の裏側を探査。

嫦娥4号から分離した月面探査車「玉兔2号」が、月の裏側を探査。

China National Space Administration/Xinhua News Agency via AP

アングロ・オーストラリアン天文台の天文学者、フレッド・ワトソン(Fred Watson)氏は、この実験について「良いニュース」とBBCに語った

「将来、宇宙飛行士が月面の管理された環境下で作物の栽培を試みる際に、問題は解決できそうなことが分かった」とワトソン氏は語った。

「月を中継地点、特に火星を目指す時の中継地点として利用することは、とても良いアイデアだと思う。月は比較的地球に近いので中継地点に最適」

中国国家航天局によると、月の裏側へのミッションの目的は、月の鉱物の構成や月面の構造などを含め、このエリアを詳しく調査すること。それは同時に太陽や他の惑星、星の起源について知ることにもつながる。

月の裏側は、地球に面している表側よりも分からないことが多い。月の裏側はしばしば「ダーク」サイドと呼ばれる。だがそれは間違いで、実際に光が当たっていないわけではない。


[原文:China says it has grown the first plants on the moon on its historic mission to the far side

(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)

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