ゴールドマン・サックスのCEO、デービッド・ソロモン氏。
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- ミレニアル世代は、自身のキャリアで次に何が起こるか、常に分かるものだと考えるべきではない。
- これはゴールドマン・サックスのCEO、デービッド・ソロモン氏のアドバイスだ。
- 専門家も、キャリアパスは、上へと真っすぐ伸びるはしごのようなものから「ジャングルジム」のようなものへと変化しているという。
ゴールドマン・サックスの従業員は2016年の時点で、約70%がミレニアル世代だった。そして、同社CEOのデービッド・ソロモン氏によると、彼らは「非常に才能豊か」で「やる気にあふれている」という。
ソロモン氏は、J・J・レディック(JJ Redick)のポッドキャストで語った。レディックは、NBAのフィラデルフィア・セブンティシクサーズの現役選手だ。ソロモン氏はまた、ミレニアル世代に自身が一番良く与えるキャリアに関するアドバイスをシェアした。
「君たちには目標がある。君たちには野心もある。道は険しい。スムーズにいくことばかりではないだろう。良いこともあれば悪いこともある」
ソロモン氏は言う。
「でも、全ての答えを今すぐ見つける必要はない。今すぐ目標を達成する必要も、次に何が起こるか分かっている必要もない」
こうしたアドバイスをシェアする成功者は、ソロモン氏だけではない。フェイスブックのCOOシェリル・サンドバーグ氏は、キャリアは上へと真っすぐ伸びるはしごではなく、「ジャングルジム」だというコンセプトを広めている。今日では、学校を卒業してからリタイアするまで、予測可能な階段を上っていくというより、水平に動いたり、予想外の飛躍をするものなのだ。
グーグルやフェイスブックでサンドバーグ氏と働いたことがあり、現在は金融サービス会社SoFiのメンバーシップ担当のバイス・プレジデントを務めるリビー・レフラー(Libby Leffler)氏は以前、Business Insiderにこう語っている。
「時にそれは、別のチームで同じレベルの役割を果たすことを意味するかもしれません。そこで新しいスキルを身に付けたり、役割を変えたりして、その新しいスキルを生かせる場所にレベルアップするのです」
また、こちらもBusiness Insiderが以前報じたように、心理学者のタニア・ルナ(Tania Luna)氏とアメリカのダイエットプログラム大手「ウェイト・ウォッチャーズ(Weight Watchers)」の幹部ジョーダン・コーエン(Jordan Cohen)氏によると、現代社会には「キャリア神話」 —— 「キャリアは一直線状に進むものだという、時代遅れの考えに対する妄想的な信仰」があるという。
ルナ氏とコーエン氏は、ハーバード・ビジネス・レビューの記事で「あなたが今までに就いた仕事、築いてきた人間関係は、それぞれが未来のチャンスを開く鍵のようなものなのです」と書いている。
ソロモン氏のこれまでのキャリアパスは、予想外のものとは言えないだろう。しかし、ゴールドマン・サックスで自身のキャリアをスタートさせたわけではないことや、投資銀行ベアー・スターンズ(Bear Stearns)で出世した後にパートナーとしてゴールドマン・サックスに雇われたことは、ありふれたことではない。
「最終的にどこへ向かっていくのか、分かっている必要はない。今を生き、できるだけ楽しむことだ」
これが、ソロモン氏が意欲的なミレニアル世代の若者たちに送るとっておきのアドバイスだ。
(翻訳、編集:山口佳美)