国は子連れ出勤を後押しする方針だが、賛否が巻き起こっている。
国が子どもを連れて職場で働く「子連れ出勤」を後押しするとの方針が、波紋を広げている。内閣府によると、地域少子化対策重点推進交付金の中で新たに重点課題と位置づけ、推進する自治体に対する補助率を従来の2分の1から3分の2へ引き上げるという。
宮腰光寛少子化担当相も2019年1月に子連れ出勤を取り入れている企業を訪問し、後押しする意向を示した。こうした報道を受け、Twitter上では「通勤電車に子連れはありえない」「保育園の拡充が先では」「選択肢の一つとしては賛成」など、賛否両論が飛び交っている。
内閣府の子ども・子育て本部の担当者はBusiness Insider Japanの取材に対し「少子化対策で来年度の重点項目として、職場環境づくりの一つとして入れた。ただし子連れ出勤だけを推奨するものではなく、いろんな働き方の一つとして選択肢を示したつもり」と説明。「父親も含めていろんな方に知って頂くことで、子育てしやすい社会の機運を醸成したい」と話している。
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「子連れで乗車叩かれるのになぜこの発想?」
抱っこひもに赤ちゃんを入れて、毎朝の通勤電車に乗ることはできるか。
特に都心で、通勤ラッシュをどうするのかという声は目立つ。
「子連れで電車やバスに乗ると毎度毎度叩かれ、階段の前にベビーカーで立ちすくんでいても誰も手を貸さない日本で、そもそも、どうして『子連れ出勤』という発想が出てくるのかが不思議でならない」
子連れ出勤経験者とみられる人からのこんな声には、共感が集まっている。
「仕事よりも子供中心になる。感染者や事故のリスクは?誰もが子供好きだと思わないで欲しいし、よく考えるべき」
子連れ出勤に予算付ける前にやるべきこと
子連れ出勤より前に、もっと整備してほしい分野はあるという声も。
子連れ出勤自体は「もっと認められてもいい」と肯定的な人も、その前に「保育園の拡充」だと指摘。
「それより保育園の拡充、保育士給与のアップ、ベビーシッター補助とかに予算張ってほしいです」
記憶に新しい、あの事件。7か月(当時)の子どもを連れて議場に入った女性市議に対し、熊本市議会は議事進行を妨げたとして、文書で厳重注意した。
「『じゃあまず国会議員さんたちが議場に子連れ出勤してみろ』って意見たくさんあって、それ自体は同意なんだけど、それを実践しようとしたら議場から追い出された地方議会の例とか、そんなに昔のニュースじゃないですよねー」
母親にばかり押し付けないで
ところで、子連れ出勤はママだけの話でしたっけ。
「子連れ出勤、ママの職場とパパの職場に半分ずつならいいよ。パパの職場を考えると急に無理になるなら、ママの職場だって無理。子育て支援をうたって母親に全部押し付けるのやめてほしい」
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(文・滝川麻衣子、写真・今村拓馬)