イーロン・マスク、次に掘るのは新しい素粒子加速器のトンネル?

イーロン・マスク

イーロン・マスクはボーリング・カンパニーの創業者でもある。

Robyn Beck/Pool via REUTERS

  • イーロン・マスクはツイッターで、CERN所長のファビオラ・ジャノッティから、新しい素粒子加速器のトンネルを掘ることについて尋ねられたと語った。
  • 新しい素粒子加速器は、LHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)の4倍の大きさ。
  • CERNの広報担当者はジャノッティ所長とマスクが2018年7月に会ったことを認めた。
  • 計画はまだ確定していない。広報担当者は決定は「2、3年のうちに」行われると述べた。

科学者たちは宇宙の謎を解き明かす野心的なプランを持っている。そして、イーロン・マスクがそれを助けるかもしれない。

イーロン・マスクはCERN(セルン、Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire:欧州原子核研究機構)からアプローチがあったとツイッターで語った。CERNには世界最大の素粒子加速器がある。LHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)はヒッグス粒子の発見に貢献したことで知られている。

マスクは、CENR所長のファビオラ・ジャノッティと新しい素粒子加速器(長さはLHCの4倍)のトンネルを掘る可能性について話をしたと語った。マスクのボーリング・カンパニーは、渋滞解消を目的としたトンネル建設を目指す企業。

マスクはボーリング・カンパニーなら、膨大なコストを節約できると述べた。

「CERN所長は王立協会で私に、ボーリング・カンパニーは新しい素粒子加速器のトンネルを掘ることができないかと尋ねた。我々なら数十万ユーロ、節約できると思う」

CERNは1月21日(現地時間)、新しい素粒子加速器「Future Circular Collider(FCC)」の概要を発表した。

FCCのサイズは、スイスにある全長約27キロメートルのLHCの約4倍となる。

FCCの紹介ビデオ

CERNの広報担当者は、所長のファビオラ・ジャノッティとイーロン・マスクが2018年7月に王立協会で会ったことをBusiness Insiderに認めた。

「次の大型加速器プロジェクトに関して、CERNは常に、トンネルを含め、FCCの実現に欠かせない設備について、新しい、経済性に優れた技術を求めている」

広報担当者はそう付け加えた。

マスクはボーリング・カンパニーを2016年に設立、同社は2018年12月に最初のテストトンネルを公開した。同社のトンネル掘削マシンは今のところ、カタツムリの14分の1のスピードでしかトンネルを掘ることができない ── マスクはトンネルの発表パーティーでこう語った。

「願わくば、カタツムリより少しでも速くなりますように」

FCCの計画はまだ確定していない。

「CERNは、LHCの稼働が停止する2035〜2040年頃に新しい加速器を稼働させたいと考えている」と広報担当者。

「プロジェクトのスケジュールを考えると、2、3年のうちには計画を決定させたい」

※敬称略

[原文:Elon Musk says he talked to CERN about building tunnels for its biggest ever particle collider

(翻訳、編集:増田隆幸)

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