無人コンビニのAmazon Go、すでに既存コンビニ超えのある数字

Q. 無人コンビニのAmazon Go、1店舗あたり売上はコンビニの何倍?

A. 約1.5倍。アメリカのコンビニの1店舗あたりの売上は$1M(約1億円)、Amazon Goは$1.5M(約1.5億円)です。

今日の記事では、Amazonが実験中の無人コンビニ「Amazon Go」を取り上げてみたいと思います。

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ご存知の方も多いかもしれませんが、Amazon Goというのは、Amazonが展開しているレジで会計する必要のないキャッシュレスの店舗です。

入店する前に専用のアプリからバーコードをスキャンします。そして店内で手にした商品をそのまま持った状態でレジで会計をすることなく、写真のようなゲートを通ってお店を出ると、自動的に自分のAmazonアカウントに課金されるという仕組みになっています。

今まで謎に包まれていたAmazon Goのユニットエコノミクスが少しずつ明らかになってきたので、詳しく見ていきたいと思います。

Amazon Gocould generate $4.5B with plan for 3K stores(RETAIL DRIVE 2019/1/7)

2021年までに3,000店舗出店へ

現在はまだ数えるほどしかないAmazon Goですが、2021年までには3000店舗の出店を計画していると言われています。

仮に3000店舗出店して、1店舗あたりが冒頭で書いたとおり$1.5M(約1.5億円)の年間売上だとすると、Amazon Goビジネスは年間$4.5B(約4500億円)もの売上を生むビジネスになります。

Amazon全体の売上から見ると、$4.5B(約4500億円)というのは大きいビジネスではないかもしれませんが、現在アメリカにコンビニは約15.5万店舗あると言われていますので、今後まだまだ取れるマーケットが大きいとも言えます。

Amazon Goのユニットエコノミクス

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Amazon Goの1店舗あたりのユニットエコノミクスは以下のようになります。・店舗あたりの年間売上: $1.1M(約1.1億円)から $1.95M(約1.95億円)・日次平均来客数: 400から700人・購買単価: $10

1日あたり400人から700人が来店し、平均10ドルを消費して、店舗あたりの年間売上が$1.1M(約1.1億円)から $1.95M(約1.95億円)の間になります。

アメリカのコンビニの平均売上が年間約$1.03M(約1.03億円)なので、それよりも約1.5倍大きい計算になります。(この1.03億円にはアメリカのコンビニによく併設されているガソリンスタンドでのガソリン代とタバコの売上げは含みません)

ちなみに日本フランチャイズチェーン協会によると、全国5.56万店舗のコンビニの2018年11月の1店舗当たりの売上は約1600万円で、客単価は618円です。

客単価は低いものの1日の平均利用者数が約862名と多いため、年計算にするとAmazon Goと同程度の1店舗当たりの売上になっています。

コンビニエンスストア統計データ(2018年11月度のPDF参照。上記の数字は、全店ベースの売上高891,079百万円、店舗数55,695、来店数1,441,444、平均客単価618円という公表数字から算出)

Amazon Goの最大の強みは「単位面積当たりの売上」

Amazon Goのユニットエコノミクスをコンビニと比較すると、いくつか共通した点と異なる点があります。

初めに共通している点ですが、従来のコンビニも現在展開されているAmazon Goも1店舗あたりの面積は1800sq ft=スクエアフィート(約50.5坪)程度になっているという点は似ています。

ちなみに日本のコンビニも店舗面積は50〜60坪が多いようです。次々と新商品を打ち出す業態のため、在庫のロスを最小限にするための棚の配置を考え、効率の良さを追求した結果の適正な面積だそうです。

一方で単位面積当たりの売上を見ると、通常のコンビニは1sq ftあたり570ドル(1坪あたり約204万円)であるのに対し、Amazon Goは1sq ftあたり853ドル(1坪あたり約305万円)と、Amazon Goの方が単位面積あたりで大きな売上を上げていることがわかります。(1sq ft=0.028坪として換算)

さらにAmazon Goは、450sq ft(約12.6坪)ほどの小型店舗もオープンしており、様々な実験を行っているのだと思われます。

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店舗内のレイアウトを見てみると、日本のコンビニのようにわりと棚と棚の間が近く、ぎっしり密集しているような印象も受けます。

この単位面積当たりの売上の大きさが、Amazon Goの店舗に設置される多くのセンサーやカメラと言ったハードウェア投資を可能にしているとも言えるのではないでしょうか。

ちなみに、ホールフーズの1店舗あたりの面積は4.3万sq ft(約1200坪)、 Walmartは17.8万sq ft(約5000坪)と非常に巨大なので、Amazon Goはいかに小さな店舗で単位面積当たりの売上を大きくしていくか、という点に今後もフォーカスしていくのではないかと思います。

まだまだ謎に包まれた無人コンビニのAmazon Goですが、今後も注目していきたいと思います。


シバタナオキ:SearchMan共同創業者。2009年、東京大学工学系研究科博士課程修了。楽天執行役員、東京大学工学系研究科助教、2009年からスタンフォード大学客員研究員。2011年にシリコンバレーでSearchManを創業。noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中

決算が読めるようになるノートより転載(2019年1月21日公開の記事

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