NBCの「ジ・オフィス」。
NBC
- NBCユニバーサルは2020年、自社のストリーミングサービスを開始する。
- 同社のステーブ・バークCEOは、「ジ・オフィス」をネットフリックスから自社の新しいストリーミングサービスに移すことを検討しているとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。
- 調査会社JumpshotがBusiness Insiderに提供したデータによると、「ジ・オフィス」と同じくNBCの「パーク・アンド・レクリエーション」はネットフリックスの人気番組。
- 多くの会社が動画配信事業に参入しつつあるなか、ネットフリックスはオリジナル・コンテンツに多額の投資を行っている。
10年以上前、ネットフリックスが初めて動画配信サービスを開始した時、視聴者を獲得するための目玉は伝統的なテレビ番組のラインナップだった。
今、多くの既存メディアが自社のストリーミングサービスを始めようと計画しており、ネットフリックスはいくつかの人気番組を失う危機にある。
NBCユニバーサルは1月21日(現地時間)、2020年にストリーミングサービスを開始すると発表した。広告モデルを採用し、コムキャスト、スカイといった従来の有料テレビにすでに加入しているユーザーは無料で視聴できる。サービスはNBCの人気テレビ番組、ユニバーサルの映画、そしてオリジナル・コンテンツをラインナップする。
有料テレビに加入していないユーザーの月額料金は10ドル程度になりそう。ウォール・ストリート・ジャーナルが匿名の関係者の情報をもとに伝えた。
NBCユニバーサルのステーブ・バーク(Steve Burke)CEOは「ジ・オフィス(The Office)」をネットフリックスから自社の新しいストリーミングサービスに移すことを検討していると同紙に語った。ネットフリックスとは以前、2021年まで同番組の配信ライセンスを与えることで同意している。
Business InsiderはNBCユニバーサルに詳しいコメントを求めたが、同社は拒否した。
これはネットフリックスには悪いニュース。
なぜなら「ジ・オフィス」は調査会社JumpshotがBusiness Insiderに提供したデータによると、ネットフリックスで最も人気の番組。またNBCの「パーク・アンド・レクリエーション(Parks and Recreation)」も3番目に人気の番組となっている。
下のグラフは、2018年のネットフリックスの人気番組ベスト10を並べたもの。Jumpshotが「ユーザー動向を調査するために、1億台のデバイスを対象に、1日あたり50億アクションを追跡した」して導き出した。
2018年、ネットフリックスの人気番組ベスト10
Shayanne Gal/Business Insider
ネットフリックスで2番目に人気の番組、ワーナー・ブラザースのコメディ「フレンズ(Friends)」は、今のところは大丈夫。1990年代にヒットした「フレンズ」は、2019年中はネットフリックスで見ることができる。
ネットフリックスと、昨年タイム・ワーナーを買収したAT&Tは、2019年の「フレンズ」の配信契約をまとめようとしているが、一方でこの契約は、AT&Tが今年スタートさせると見られている自社サービスで同番組を配信する可能性も示した。
ニューヨーク・タイムズによると、ネットフリックスは「フレンズ」に最大1億ドル(約110億円)を支払おうとしている。これはこれまでのライセンス料、年間3000万ドル(約33億円)をはるかに上回る金額。
似たような状況は「ジ・オフィス」「パーク・アンド・レクリエーション」、そして他のNBCの番組でも起こり得る。Jumpshotによると、ネットフリックスの人気番組ベスト50に入っているNBCの他の番組は「グッド・プレイス(The Good Place)」と「ザ・ホワイトハウス(The West Wing)」。
だが、ネットフリックスは複数の番組にたくさんのお金を費やすだろうか? 同社はすでにオリジナル・コンテンツに多額の投資を行っている。2018年の新たな支出の85%はオリジナル・コンテンツに向けられた。
ネットフリックスは既存メディアとの競争を予測していた。同社はライセンス契約よりも、オリジナル・コンテンツに注力し続けるだろう。
「長期的な視点に立てば、競合各社は自社コンテンツを自社サービスで配信したがるだろう」とネットフリックスのコンテンツ最高責任者、テッド・サランドスは7月、決算報告で語った。
「我々は、かなり前にオリジナル・コンテンツを手がけ始めた時から、それを予測していた」
[原文:NBC says it may eventually pull 'The Office' off Netflix to fuel its own streaming service]
(翻訳、編集:増田隆幸)