タイダイ柄。
Facebook/Urban Outfitters
- 2018年、ファッションにおいてはコントラストの強い1年だった。
- 専門家は2019年も、スポーツウエアやストリートウエアの流行は続き、さらに進化すると語った。
2018年、ファッションにおいては極めてコントラストの強い1年だった。人々は実用的なものを好み、同時にしばしば、派手なものを求めた。
専門家は、こうしたトレンドの多くは引き続き残り、進化するだろうと語った。
2019年の女性ファッショントレンドを見てみよう。
UGG(アグ)のブーツ
Facebook/Ugg
2018年、ファッションブランドのY/ProjectはUGGはコラボ商品として、太もも丈のブーツを発表、UGGは再び、脚光を浴びた。それ以降、リアーナ、シエナ・ミラーといったセレブたちがUGGの定番ブーツを履いている姿が伝えられた。
UGGはまた、直近のホリデーシーズンに、アマゾンのプライム・ワードローブで最も購入された人気ブランドの1つ。
フリースジャケット
Facebook/Patagonia/Matthew Van Biene
2018年、実用的なファッションが流行した。ミレニアル世代は、長持ちで、合理的に見える服を販売しているブランドを好むためだ。パタゴニア、ザ・ノース・フェイスといったアウトドア・ブランドが注目を集めた。
ZARA、Urban Outfittersなどのファッション・ブランドもフリース・ジャケットを作っている。Lystによると、フリースの検索は2018年11月以降、増加している。
フェイクファーのコート
J.Crewのフェイクファー・コート。
J.Crew
消費者がフェイクファーを好む裏には、温かさを超えた深い意味がある。
自分の消費行動により気を配りたいという消費者の意向が、フェイクファーの流行を支えている。
こうした消費者は肉や乳製品を食べないだけでなく、皮や毛皮を使っていない服を選び、動物由来成分が使われていない化粧品や美容品を選ぶと、市場調査会社ユーロモニターは最新レポート「2019年 世界の消費者トレンドTOP10」に記した。
ヘッドバンド
Facebook/Lele Sadoughi
Lystによると、ヘッドスカーフ、ヘッドバンド、ヘアクリップなどのヘアアクセサリー、特にパールやクリスタルがあしらわれたものが流行っている。
専門家は、ヘッドバンドはノスタルジックな雰囲気を作れるため、再び、流行していると語った。
グーグルのYear in Search: 検索で振り返る2018によると、2018年に最も検索されたファッションは、1980年代と1990年代のファッション。
ボイラースーツ
H&M
ボイラースーツの流行は、2019年も続く。
Lystによると、ボイラースーツの検索は2018年9月以降、76%増加した。
ネオンカラーのクラッチバッグ
Farfetch
2018年、ブラックが#MeTooムーブメントのシンボルカラーとなった。2019年はさまざまなカラーが流行りそうだ。
「振り子は極端から極端へ振れる」とWSGN catwalksのディレクター、リジー・ボウリング(Lizzy Bowring)はBusiness Insiderに語った。
「メッセージを送るために、ブラックを着続けることはできない」
Lystでの蛍光カラーについての検索は過去12カ月で120%増加した。広報担当者は、これはカーダシアン&ジェンナー家に影響されたものと語った。
特に、あるネオンカラーのアクセサリーへの関心は急激に高まった。クラッチバッグだ。2018年9月以降、2万回以上、検索された。
ピスタチオグリーン
& Other Stories
Lystでは、ピスタチオやセージを含む、薄緑色の検索が10月以降、22%増加した。
この色合いの中で最も検索されたアクセサリーは、バッグとシューズとLystは述べた。
オーバーサイズのブレザー
& Other Storiesのダブルのブレザー。
& Other Stories
テーラードアイテムは2019年もよく見られそうだ。だが前述のボウリングによると、よりリラックスしたデザインになる。
「ライフスタイルによく合ったものでなければならない」と彼女は述べた。
つまり、日常のアイテムと合わせられるオーバーサイズのブレザーのような、よりゆったりしたシルエットになる。
ロングドレス、ロングスカート
Sunneiのファッションショー。 2019-2020年秋冬ミラノ・メンズファッションウィークにて。2019年1月13日。
Getty/Estrop
ボウリングは、2019年はレイヤー(重ね着)が流行すると述べた。パンツを覆うロングドレスがその1例。
このトレンドは不安定な天候も一因。簡単に脱ぎ着できる重ね着は、その対策にもなる。
アスレジャー
Zara
アスレジャーはほぼ10年にわたってトレンドになっており、アパレルマーケットで好調な分野の1つ。調査会社NPDによると、現在、アスレジャーはアパレル業界の売り上げの24%を占めており、2019年も成長が予想されている。
そして、2019年には実用性にエレガンスさが加わる。
「アスレジャーが日常着となることに伴い、快適さと実用性は引き続き求められているが、新しいエレガンスなデザインも求められている」とWSGNは2019年春/夏のトレンド予想に記した。
ワイドパンツ
Urban Outfitters
ハイウエストのワイドパンツが90年代ファッションの復活とともに、スキニージーンズから人気を奪っている。ずっとスキニージーンズを履いていたイギリスのキャサリン妃でもワイドパンツのファン。
「新しいファッションの需要が急増している」とUrban Outfittersのリチャード・ヘインCEOは2018年3月、決算報告で語った。また同社はここ数年、スキニージーンズとヨガパンツが作り出した「ファッションの轍」で立ち往生していたと付け加えた。
ボリューミーなスニーカー
Rich Polk / Getty Images for GOAT
2018年、間違いなく最も怪しい流行だったダッドスニーカーは、2019年、進化しそうだ。
WGSNのアクセサリーとシューズの担当編集者、ダン・ビッソンは、ダッドスニーカーの人気はトレイルスタイルのシューズに奪われるかもしれないとWho What Wearに語った。
「アウトドアファッションの人気の盛り上がりによって、トレイルスタイルのスニーカーは2019年の“マストハブ”スニーカーになると思う」
タイダイ柄
Facebook/Urban Outfitters
タイダイ柄の復活の一因は、政治的な発言を行い、個性を確立したいという要求の表れにあると業界関係者は語った。
「トランプ大統領が登場して右派勢力の声が大きくなった。タイダイ柄は平和的だが、保守勢力に対する抗議とみなすことができると思う」とR13デニムの創業者、クリス・レバはハーパーズ バザーに語った。
「ある意味では、昔と多くの共通点がある。1960年代、ニクソン大統領が登場し、学生は保守的な勢力に抗議した。今、トランプ大統領が登場し、女性や移民、そしてLGBTコミュニティーは権利を求めて戦っている」と彼は続けた。
タイダイ柄は個性の象徴でもあり、個性は現代のファッションに欠けていたものとLondon College of Fashionのプリントと染色の専門家、カビタ・クマリはハーパーズ バザーに語った。
「タイダイ柄の復活は実際、パーソナル・アイデンティティを取り戻す機会を個人に提供した。お互いにクローンのように見えることはない」
※敬称略
[原文:Experts say this is what everyone will be wearing in 2019]
(翻訳、編集:増田隆幸)