Amazonプライムの解約はちょっと面倒、なぜ?

プライム会員は通常会員よりも購入額が大きい。何としてもつなぎ留めておきたい。

プライム会員は通常会員よりも購入額が大きい。何としてもつなぎ留めておきたい。

Getty/Emanuele Cremaschi

  • Amazonプライムを解約しようとしたら、4回クリックする必要があった。
  • プライム会員の重要性を考えると、アマゾンが解約を難しくしていることは驚くべきことではない。
  • アマゾンはプライム会員をつなぎ留める必要がある。特典を増やし、無料配送などのサービスの充実を図るなど、あらゆる手段を使って。

Amazonプライムはホリデーシーズン中の命の恩人。

プライムの2日以内配送保証はかけがえのないものだった。筆者は今回、ホリデーシーズンの買い物のほとんどをAmazonで行ったから。

プライムは30日間無料体験ができ、その期間はさらに30日間延長できる。筆者はすぐにそのサービスに飛びつき、活用した。

だが、ホリデーシーズンが終わって何週間も経ち、アマゾンでショッピングする頻度は徐々に少なくなり、ついには完全になくなった。

筆者はプライムビデオやホールフーズの割引といったプライムの他の特典はあまり利用しない。なので、無料体験期間が終わったら、会費を払ってまで利用しようとは思わない。

しかし、アマゾンはプライムを簡単に解約させてくれない。

解約できるまでに何回クリックしないといけないのか数えてみた ── 結果は4回。ここには会員ページに行くまでの回数は含んでいない。

見てみよう。


まず、プライム会員ページを開き、「End Trial and Benefits」をクリック。

解約1

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次のページには、解約すると利用できなくなるプライムの無料配送サービスについての説明がある。「End My Benefits」をクリックすると、

解約2

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年会費メンバーへの移行を勧めるページが現れた。年会費は月会費を支払い続けるよりも安い。筆者は完全に解約したかったので、「Continue to Cancel」をクリック。

解約3

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次のページでも、確認のために「Cancel Membership」をクリックしなければならない。これでやっと解約できた。

解約4

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アマゾンは意図的にプライムの解約を困難にしているようだ。

ユーザーは「End My Membership」をクリックした時点で、もう解約できたと思うかもしれない。これはカート離脱(cart-abandonment)現象とよく似ている。オンラインショッピングのユーザーが商品をカートに商品を追加したまま、決済せずに放置した状況だ。

もちろん、アマゾンのカスタマーサービスは、商品の返品・交換の条件を定めている。だから顧客は払いたくもない会費を払わなくてはならないという状況に陥るとは限らない。

だが多くの顧客はすぐに諦めて、来月あるいは来年の会費の支払いを受け入れるかもしれない。

アマゾンがプライムの解約をできる限り難しくしようとしていることは、驚くべきことではない。プライム会員はアマゾンにとって宝、無料の通常会員よりもはるかに重要だ。

市場調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partners)が2018年に行った調査によると、プライム会員の年間の商品購入額は平均1400ドル(約15万円)、一方、通常会員は600ドル(約6万6000円)だった。

プライム会員は、無制限の無料配送を利用して、より多くの商品を、より頻繁に購入する傾向がある。

こうしたプライム会員をアマゾンは素晴らしい特典を得ていると満足させ、自信を持たせなければならない。ずっとプライム会員でいてもらうために。

プライムと言えば、2日以内配送保証だけを思い浮かべる人が多いかもしれないが、動画や音楽のストリーミングサービスなど、他にも特典がある。プライム会員しか購入できない商品もあり、プライムの価値を高めている。

2018年5月、プライム会員にさらに特典が与えられた。ホールフーズでの大幅割引だ。

プライムの価値は、アマゾンが数年にわたって特典を追加するにつれて、着実に高まっている。JPモルガンの調査では、プライムが提供しているサービスを合計すると、その価値は年間785ドル(約8万6000円)に相当すると推計された。これは年会費の6.5倍にあたる。

また、2017年から12%増加した結果にもなった。2017年の同調査では年間700ドル(約7万7000円)との推計だった。

[原文:It took 4 confirmations to end my Amazon Prime subscription. Here's why the company would make it so hard to do.

(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)

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