アメリカのトランプ大統領(2019年1月23日、ホワイトハウス)。
Associated Press/Jacquelyn Martin
- アメリカのトランプ大統領はここ数週間、ベネズエラに対し「軍事力」の行使を検討していると共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員に語ったという。
- グラム議員はアクシオス(Axios)に対し、軍事力の行使は「問題」になる可能性があるとトランプ大統領に警告したと語った。
- アメリカとその他複数の国は最近、ベネズエラの二コラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領ではなく、野党指導者であるフアン・グアイド(Juan Guaidó)国会議長を暫定大統領として承認した。
- ベネズエラをめぐるトランプ政権の次の動きに注目が集まっている。
アメリカのトランプ大統領はここ数週間、ベネズエラに対し「軍事力」の行使を検討しているようだ。共和党のリンゼー・グラム上院議員が1月27日(現地時間)、アクシオスに語った。
「大統領は『軍事力の行使についてどう思うか? 』と言った」
グラム議員は語った。「わたしは『慌てないことだ。それは問題になる可能性がある』と答えた」
ベネズエラをめぐっては、アメリカとその他複数の国が最近、ニコラス・マドゥロ大統領ではなく、野党指導者であるフアン・グアイド国会議長を暫定大統領として承認していて、トランプ政権の次の動きに注目が集まっている。
マルバニー大統領首席補佐官代行も27日、『FOXニュース・サンデー』でトランプ大統領が「この非常事態を注意深く見守っている」 と語り、軍事オプションを匂わせていた。
「選択肢から何らかを排除するようでは、どんな政党のどんな大統領であっても、自身の仕事を適切に果たしているとは言えないだろう」と、マルバニー首席補佐官代行は述べた。
トランプ大統領は2017年8月にも、アメリカには「ベネズエラに対し、軍事オプションを含む多くの選択肢」があると主張していた。
自らが暫定大統領だと宣言した野党指導者のグアイド国会議長(左)と、辞任を拒むニコラス・マドゥロ大統領(右)。
Carlos Garcia Rawlins/Reuters; Marco Bello/Reuters
また、アメリカのポンペオ国務長官は26日、国連安全保障理事会に対し、ベネズエラについて「どちらの側に付くか選び」、公正な選挙が行われるまで、グアイド暫定政権を支持するよう迫った。
「今こそ、それぞれの国がどちらの側に付くか選ぶときだ」と、ポンペオ長官は言った。「自由の勢力を支持するか、マドゥロとその暴力と同盟を結ぶか、どちらかだ」
マドゥロ氏が大統領に就任して以来、ベネズエラでは食料不足や経済危機によるハイパーインフレや飢餓が発生、数百万人の国民が国を離れるなど、危機が相次いでいる。
マドゥロ大統領は2018年5月に再選されたが、選挙に不正があったと批判されてきた。グアイド国会議長は1月5日、ベネズエラの国民議会の支持を得て、自身を暫定大統領だと宣言していた。
[原文:Trump reportedly floated 'using military force' in Venezuela]
(翻訳、編集:山口佳美)