「措置を講じた政権に拍手を送りたい」米司法省、中国ファーウェイを起訴で専門家の反応は?

会見

ファーウェイと同社CFOの孟晩舟氏の起訴について会見するウィテカー司法長官代行(中央)とロス商務長官(左)、FBIのレイ長官(右)。

REUTERS/Joshua Roberts

  • アメリカ司法省は1月28日(現地時間)、中国のテック大手ファーウェイ(華為技術)と同社の最高財務責任者(CFO)をアメリカの対イラン制裁に違反する取引に関与した疑いなどで起訴した。
  • ファーウェイは以前から、中国国内で他国の政府機関や企業をハッキングし、強制的に技術移転させようとしていると非難されてきた。
  • 専門家は、中国共産党が世界の超大国であるアメリカに取って代わろうと、テクノロジーに関する機密情報を盗むため、ファーウェイのような企業を使っていると指摘する。

アメリカ司法省は1月28日、中国のテック大手ファーウェイと同社の孟晩舟CFOをアメリカの対イラン制裁に違反する取引に関与した疑いなどで起訴した。

司法省は、ファーウェイが香港の通信機器販売会社スカイコム(Skycom)とは何の関係もないと、ある大手銀行を欺いたと言い(アメリカ政府はファーウェイがスカイコムをコントロールしていると考えている)、スカイコムがイランに対し、禁止されている技術を1億ドル以上で売ったと主張している。

他にも、携帯大手のTモバイルがスマートフォンの品質試験で使っていたロボット「タッピー」に関連する技術を盗んだ疑いに関し、司法省は企業秘密の窃盗、通信詐欺、司法妨害などの罪でファーウェイの子会社を起訴した。ファーウェイは、この問題は2017年に当事者間で解決済みだとしている。

連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は「いずれもファーウェイがアメリカ企業や金融機関を悪用するために取った、恥知らずで執拗な行動を証明している 」と、その記者会見で述べた。

レイ長官

FBIのクリストファー・レイ長官。

REUTERS/Joshua Roberts

そして「起訴の数と大きさから分かるように、ファーウェイと同社幹部はアメリカの法や国際ビジネスの慣例を順守することを繰り返し拒否した」と続けた。

レイ長官のコメントは、中国政府が数々のメカニズムを通じて、技術移転を強いていると主張する中国で事業を展開するアメリカ企業の懸念を反映している。

ファーウェイは、中国政府とデータの共有はしておらず、政府から求めがあっても拒否すると強調しているが、中国の法律は全ての企業と個人に対し、政府が要求すれば協力するよう求めている

バージニア州選出の民主党のマーク・ワーナー(Mark Warner)議員は「中国政府や共産党と無関係の大手中国企業などないことを示す証拠はいくらでもある。中国の政府と軍が『ナショナル・チャンピオン』ともてはやしているファーウェイも例外ではない」と、INSIDERにメールで回答した声明文の中で述べている。ワーナー議員は、上院情報特別委員会の副委員長だ。

「ファーウェイが我々の国の安全に脅威を与えていることは、以前から明らかだった。同社に責任を取らせるためについに措置を講じたトランプ政権に拍手を送りたい」と、ワーナー議員は述べた。

孟晩舟氏

ファーウェイの孟晩舟CFO。

Darryl Dyck/The Canadian Press via AP

イギリスのシンクタンク「ヘンリー・ジャクソン・ソサエティ」のアジア研究センターのディレクター、ジョン・ヘミングス(John Hemmings)氏は「アメリカは、人工知能(AI)、量子計算、5G、IoT(モノのインターネット)、軍事的・経済的に重要なテクノロジーを支配する者は誰でも、ジェットエンジンやドレッドノートを持つようなものだと確信している」とINSIDERに語った。

インドは2014年、ファーウェイがインドの通信機器をハッキングしようとしたと非難し、アフリカ連合も2018年に、ファーウェイの同様の行動を非難している

FBIのレイ長官は以前、中国が超大国としてアメリカと肩を並べ、技術で世界のリーダーになろうとしているとして、中国は「政府全体の脅威ではなく、社会全体の脅威だ」と警告していた。

中国は、ファーウェイと同社の孟晩舟CFOに対する疑いはアメリカのでっち上げで、中国の台頭を妨害しようとする保護主義的なマインドセットからくるものだと非難している。

アメリカのマシュー・ウィテカー司法長官代行は28日の会見で、孟晩舟CFOを拘束したカナダに対して「深く感謝している」と述べた。

[原文:US calls Huawei and CFO Meng national security threats, indicts with fraud, IP theft charges]

(翻訳、編集:山口佳美)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中